大往生、ですね。



何度か生の演奏を聴く機会があった。その全てで、僕は自分の口元が自然に緩んで、知らず知らずのうちに微笑んでいたことを鮮明に覚えている。彼のプレイには人を優しい気持ちにさせる「何か」が絶対に存在した。テクニックとかをとっくに超越した「何か」なんだ。



13年ほど前、大西順子バンドでツアー中、ハンクさんと対バンになることがあり、彼のサウンドチェックを聴いていた。順子ちゃんはハンクさんのピアノのすぐ横に陣取り、彼の手元を食い入るように見つめていた。それに気づいたハンクさんは、茶目っ気たっぷりにドビュッシーの確か「月の光」の冒頭部分をサービス。それが終わってピアノの前を去ろうとすると僕たちの大拍手。そこでまた茶目っ気たっぷりに慌ててピアノに戻り再び「月の光」(笑)なんて素敵なおじいちゃんなんだろう、と思ったものだった...ディティールはあやふやだけどね(笑)



ほんとに大好きでした。いっぱいありがとうございました。僕たちはあなたのDNAを少しでも後世に伝えたいと思います。



安らかにお休みください。合掌...