2012年12月31日
目次
■はじめに
〇ごあいさつ
〇ごあいさつ
物理の学習法などはこちら↓
■たとえ話で語る物理
〇001 究極の「先割れスプーン」探し
〇002 ある遺跡の暗号
〇003 △学入門
〇004 100題修行
〇005 火の玉を見ました
〇006 等速直線運動なんて見たことがありません
〇007 理想的水平面でのカーリング
〇008 スペースシャトルでハイタッチ
〇009 通信添削 Jet会
〇010 巨大迷路を抜けろ
〇011 物理神拳の奥義
〇012 有限の時間に生きる生命であるキミが、永遠と続く物理現象を理解するためには
〇013 物理の神様の願い
○014 法則二元論から一元論へ
○015 火あぶりにならずに革命を起こす
○016 直接的に求める?間接的に求める?
〇017 密室殺人の犯人は誰だ!
〇018 単原子分子理想気体
○019 理想気体がホームセンターに?
○020 大芋煮鍋くらべ
〇021 過酷なパン工場でのバイト
○022 次元を上げて規則性を見る
○023 四次元球が通過!
○024 ヒロシとタケシの運命はいかに
○025 家族対抗!回転すし早食い大会
○026 幻のペット、ンジャマナ
○027 どっちの仕事が大変?
○028 ミクロ村とマクロ村の掟
○029ブツブツ島にたどり着いた難破船
○030 電子が干渉する?(ブツブツ島のたとえの解説)
○031 英和辞書の正しい使い方と、ンジャマナ
○033 究極の物質「原子」を探せ!
○034 スピンスピンスピン
○035 網走一家の養子(陽子)たち
○036 質量もエネルギー保存則の仲間に入れてください
○037 超虫への険しい道
○038 要約機能つき翻訳機
○039 エイテル王はブロガーです。
○040 前向きにバック転
○041 どっちが動いているの?
○042 高次元では1つ
○043 型で理解するということ
○044 二項対立を超えて新しい地平を切り開け
○045 二項対立を超えて新しい地平を切り開け(2)
○046 一次元さんお断り
○047 物理メガネで見る
○048 ニュートン体操
○049 1タイルという長さ
○050 9週間で一人前のハンターになるための講習会
○051 式変形ロボ・ウカルンジャー
○052 風船飛行への道
○052 分析と総合とは何?
○053 数学モデルと現実の対応関係
○054 学ぶ目的が明確なら難しさにも耐えられる。
○055 脳が理解を拒否するとき
○056 化石から復元模型を作る!
※相互リンクをご希望の方は、こちらをご覧下さい。
2011年08月15日
熱力学の解法原理
Twitterで、物理の苦手な分野について聞いてみたら、「熱力学」という返事が多かったので、こちらに書きますね。
熱力学の解法原理の中心は、なんと言っても熱力学第一法則です。
そして、熱力学の目標は、「熱を求めること」です。
ところが、熱というのは、通常、直接測定することが難しいので、「熱力学第一法則」というエネルギー保存則を使って間接的に熱を計算するのです。
熱力学第一法則は、気体に外部から加えられた熱が、内部エネルギー変化と気体がした仕事の和で表されるというものなので、それぞれを計算して、熱力学第一法則へ代入します。
ところが、そのままでは形がそろっていないので、状態方程式を使って、PVとnRTを相互変換します。
問題文を読むときには、
1)単原子か、一般の気体か? →それによって、内部エネルギーの表し方が変わる
2)PVに統一すべきか、nRTに統一すべきか → 問題で与えられていない量が何かで判断
の2点に注目しながら読みます。
解法を図でまとめると以下のようになります。

このように、解法の体系を理解して、それぞれの法則が、全体のストーリーの中で、どのような役割を果たしているのかをつかんでしまえば、熱力学は簡単になります。
フィズヨビでは、この解法体系にしたがって、実際に問題を解くやり方を説明しています。
2日もあれば、入試問題がすらすらと解けるようになりますよ。
※2011年8月31日まで単振動ゼミを無料公開中。
>>単振動ゼミへの申し込みはこちら
熱力学の解法原理の中心は、なんと言っても熱力学第一法則です。
そして、熱力学の目標は、「熱を求めること」です。
ところが、熱というのは、通常、直接測定することが難しいので、「熱力学第一法則」というエネルギー保存則を使って間接的に熱を計算するのです。
熱力学第一法則は、気体に外部から加えられた熱が、内部エネルギー変化と気体がした仕事の和で表されるというものなので、それぞれを計算して、熱力学第一法則へ代入します。
ところが、そのままでは形がそろっていないので、状態方程式を使って、PVとnRTを相互変換します。
問題文を読むときには、
1)単原子か、一般の気体か? →それによって、内部エネルギーの表し方が変わる
2)PVに統一すべきか、nRTに統一すべきか → 問題で与えられていない量が何かで判断
の2点に注目しながら読みます。
解法を図でまとめると以下のようになります。

このように、解法の体系を理解して、それぞれの法則が、全体のストーリーの中で、どのような役割を果たしているのかをつかんでしまえば、熱力学は簡単になります。
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単振動ゼミを実施中!
田原です。こんにちは。
フィズヨビでは、夏休み限定で「単振動ゼミ」を実施中です。
単振動は、微積分をつかえばかなり簡単になるテーマですが、高校物理では、そうではないので、みんな苦労しているようですね。
90分講義で、単振動を得点源にできるところまでみなさんを連れて行きますよ。
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2011年03月06日
射影幾何学−生物の形態と数学
射影幾何学と生物学との関係を考えています。
そのきっかけとなったのが、この本です。
この本に載っている2次元らせんと3次元らせんとが、射影幾何学で統一的に捉えられるというところから、大きなインスピレーションをもらいました。
三木成夫の「植物は、動物の腸管を引っこ抜いてひっくりかえしたもの」という考えと、射影幾何学とが、いつか結び付けられたら面白いです。
そのきっかけとなったのが、この本です。
この本に載っている2次元らせんと3次元らせんとが、射影幾何学で統一的に捉えられるというところから、大きなインスピレーションをもらいました。
三木成夫の「植物は、動物の腸管を引っこ抜いてひっくりかえしたもの」という考えと、射影幾何学とが、いつか結び付けられたら面白いです。
2011年02月18日
複雑な運動を扱うときに途中でごちゃごちゃになってしまう。
ポパイさんからの相談
複雑な運動を扱うときに途中でごちゃごちゃになってしまいます。
********************
ポパイさんへ
フィズヨビの田原です。
こんにちは。
複雑な運動を複雑なまま解くのは難しいので、
複雑な運動を扱うときに途中でごちゃごちゃになってしまいます。
********************
ポパイさんへ
フィズヨビの田原です。
こんにちは。
複雑な運動を複雑なまま解くのは難しいので、
2010年10月30日
自己組織化する生命とエピジェネティクス
その1 自己組織化する生命と細胞性粘菌
その2 自己組織化する生命と獲得形質の遺伝
トランスポゾンの発見により、自己組織化的な生物観を阻む巨大な壁であったセントラルドグマが、揺らぎ始めました。
その後、ジャンクDNAと呼ばれていた部分が、実は、非コードRNAというたんぱく質に翻訳されないRNAをコードしていることが分かり、それらが、細胞内のさまざまな調節をしていることが分かってきました。
そのあたりのことは、この本↓が分かりやすいです。
そして、ジャンクDNAには、トランスポゾンが満ち溢れており、それらが、メチル化というDNAの修飾によって不活性化されていることも分かってきました。
メチル化などのDNA修飾のことをエピジェネティクスといいますが、このエピジェネティクスが、遺伝子の活性、不活性をコントロールしていることも分かってきました。
塩基配列が同じでも、エピジェネティックな情報が違えば、発現する遺伝子が異なるので、形態に違いが出てくるわけです。
そして、メチル化などのDNA修飾は、環境に応答して外れることが可能なのです。
↓エピジェネティクスについての分かりやすい解説書
エピジェネティクスによって生物が環境に応答するメカニズムが次第に分かってきました。
環境→メチル化が外れる→トランスポゾンが活性化→塩基配列が変化
という流れは、ある意味、セントラルドグマを破っているとも言えます。
環境の変化によってDNAが変化する可能性が出てきたのです。
でも、その変化が子孫に伝わらないのであれば、せっかくDNAに変化が起こっても、子供は最初からやり直しになります。
「エピジェネティックな変化が子孫に伝わるのかどうか」ということが、大きなテーマになってきました。
これが伝わるのであれば、個体が獲得した形質が子孫に伝わるということなので、DNAとその修飾を「遺伝子」と再定義すれば、獲得形質が遺伝したということも可能になります。
まず植物で、エピジェネティックな情報が子孫に伝わるということが発見されました。
↓奈良先端大学の佐野浩さんが、雑誌『科学』に書いた記事です。
『獲得形質の遺伝が植物ではおこりえる』科学 巻:75 号:7 頁:817-820
図書館でバックナンバーをコピーして読みましたが、「ふたつの遺伝学」論争や、ミチューリンなどにも触れていて、面白いです。
彼は、人工的にイネのメチル化を低下させ、その影響が子孫に伝わるかどうかを調べる実験で、8世代目まで安定に遺伝することを示しました。
植物の場合は、体細胞と生殖細胞との区別があいまいなので、体細胞に起こったエピジェネティックな情報が子孫に伝わるということは、それほど難しくないかもしれません。
ただ、動物の場合は、体細胞と生殖細胞との間に明確な区別があるので、体細胞にエピジェネティックな変化が起こったからといって、簡単に子孫に伝わるとは限りません。
でも、植物でエピジェネティックな遺伝が起こるんだから、動物でも起こるんじゃないかと考える人たちが出てきました。
そして、ついに今週のNatureで、動物でもエピジェネティックな遺伝が起こったという論文が発表されました。
この研究では、ラットの父親に高脂肪食を与えて、父親にエピジェネティックな変化を起こしたところ、そのエピジェネティックな情報が精子を通して子供に伝わり、子供にも影響が出たということが示されました。
「Chronic high-fat diet in fathers programs β-cell dysfunction
in female rat offspring」
この研究が、Natureに載ったことによって、個体が獲得した形質が、エピジェネティックな遺伝を通して子孫に伝わるという、ある種の獲得形質の遺伝が、生物学のテーマとして正式に取り上げられることになると思います。
今まで、「メカニズムが分からない」=「ありえない」として、パラダイムの外側に置かれていたものが、今回のNatureの論文では、「ありえるもの」として扱われています。
パラダイムシフトの兆候が、すでに現れているのです。
「セントラルドグマ」と「獲得形質の遺伝の否定」は、旧来の生物学を支えていた要石のようなものですから、それが覆ると、根底から地殻変動を起こすことになるかもしれません。
ただ、エピジェネティックな変化が遺伝しても、DNAはそのまま維持されます。
子孫に伝わったエピジェネティックな情報が、DNAに変化を与えるのかどうかは、まだ不明です。
でも、トランスポゾンを活性化することでDNAが書き変わるということは、十分起こりえることだと思います。
メカニズムに捉われると、生命を自然の一部として捉える視点を失ってしまうかもしれません。
日本が生んだ生物学者、大野乾さんが、遺伝子重複こそが、生物進化の原動力であり、自然淘汰は存在するとは思うが、それに比べればたいしたものではないと主張しているのを読んだことがあります。
彼は、ビッグバン以来、宇宙は複雑化する方向へ変化してきたのだから、DNAにも複雑化していく仕組みがあるはずだと考えていたのだと思います。
↓大野乾さんの考えは、壮大で刺激的です。
そこには、生命現象を、宇宙を貫く自己組織化の原理の中で捉えていこうする考え方があります。
メカニズムに捉われずに、大きな枠組みの中で、自然の一部として生命を捉える見方です。
生命科学において、新しいパラダイムの扉が開きつつある今、大野乾さんのような視点が必要になってくるような気がします。
生命科学の今後が楽しみです。
その2 自己組織化する生命と獲得形質の遺伝
トランスポゾンの発見により、自己組織化的な生物観を阻む巨大な壁であったセントラルドグマが、揺らぎ始めました。
その後、ジャンクDNAと呼ばれていた部分が、実は、非コードRNAというたんぱく質に翻訳されないRNAをコードしていることが分かり、それらが、細胞内のさまざまな調節をしていることが分かってきました。
そのあたりのことは、この本↓が分かりやすいです。
そして、ジャンクDNAには、トランスポゾンが満ち溢れており、それらが、メチル化というDNAの修飾によって不活性化されていることも分かってきました。
メチル化などのDNA修飾のことをエピジェネティクスといいますが、このエピジェネティクスが、遺伝子の活性、不活性をコントロールしていることも分かってきました。
塩基配列が同じでも、エピジェネティックな情報が違えば、発現する遺伝子が異なるので、形態に違いが出てくるわけです。
そして、メチル化などのDNA修飾は、環境に応答して外れることが可能なのです。
↓エピジェネティクスについての分かりやすい解説書
エピジェネティクスによって生物が環境に応答するメカニズムが次第に分かってきました。
環境→メチル化が外れる→トランスポゾンが活性化→塩基配列が変化
という流れは、ある意味、セントラルドグマを破っているとも言えます。
環境の変化によってDNAが変化する可能性が出てきたのです。
でも、その変化が子孫に伝わらないのであれば、せっかくDNAに変化が起こっても、子供は最初からやり直しになります。
「エピジェネティックな変化が子孫に伝わるのかどうか」ということが、大きなテーマになってきました。
これが伝わるのであれば、個体が獲得した形質が子孫に伝わるということなので、DNAとその修飾を「遺伝子」と再定義すれば、獲得形質が遺伝したということも可能になります。
まず植物で、エピジェネティックな情報が子孫に伝わるということが発見されました。
↓奈良先端大学の佐野浩さんが、雑誌『科学』に書いた記事です。
『獲得形質の遺伝が植物ではおこりえる』科学 巻:75 号:7 頁:817-820
図書館でバックナンバーをコピーして読みましたが、「ふたつの遺伝学」論争や、ミチューリンなどにも触れていて、面白いです。
彼は、人工的にイネのメチル化を低下させ、その影響が子孫に伝わるかどうかを調べる実験で、8世代目まで安定に遺伝することを示しました。
植物の場合は、体細胞と生殖細胞との区別があいまいなので、体細胞に起こったエピジェネティックな情報が子孫に伝わるということは、それほど難しくないかもしれません。
ただ、動物の場合は、体細胞と生殖細胞との間に明確な区別があるので、体細胞にエピジェネティックな変化が起こったからといって、簡単に子孫に伝わるとは限りません。
でも、植物でエピジェネティックな遺伝が起こるんだから、動物でも起こるんじゃないかと考える人たちが出てきました。
そして、ついに今週のNatureで、動物でもエピジェネティックな遺伝が起こったという論文が発表されました。
この研究では、ラットの父親に高脂肪食を与えて、父親にエピジェネティックな変化を起こしたところ、そのエピジェネティックな情報が精子を通して子供に伝わり、子供にも影響が出たということが示されました。
「Chronic high-fat diet in fathers programs β-cell dysfunction
in female rat offspring」
この研究が、Natureに載ったことによって、個体が獲得した形質が、エピジェネティックな遺伝を通して子孫に伝わるという、ある種の獲得形質の遺伝が、生物学のテーマとして正式に取り上げられることになると思います。
今まで、「メカニズムが分からない」=「ありえない」として、パラダイムの外側に置かれていたものが、今回のNatureの論文では、「ありえるもの」として扱われています。
パラダイムシフトの兆候が、すでに現れているのです。
「セントラルドグマ」と「獲得形質の遺伝の否定」は、旧来の生物学を支えていた要石のようなものですから、それが覆ると、根底から地殻変動を起こすことになるかもしれません。
ただ、エピジェネティックな変化が遺伝しても、DNAはそのまま維持されます。
子孫に伝わったエピジェネティックな情報が、DNAに変化を与えるのかどうかは、まだ不明です。
でも、トランスポゾンを活性化することでDNAが書き変わるということは、十分起こりえることだと思います。
メカニズムに捉われると、生命を自然の一部として捉える視点を失ってしまうかもしれません。
日本が生んだ生物学者、大野乾さんが、遺伝子重複こそが、生物進化の原動力であり、自然淘汰は存在するとは思うが、それに比べればたいしたものではないと主張しているのを読んだことがあります。
彼は、ビッグバン以来、宇宙は複雑化する方向へ変化してきたのだから、DNAにも複雑化していく仕組みがあるはずだと考えていたのだと思います。
↓大野乾さんの考えは、壮大で刺激的です。
そこには、生命現象を、宇宙を貫く自己組織化の原理の中で捉えていこうする考え方があります。
メカニズムに捉われずに、大きな枠組みの中で、自然の一部として生命を捉える見方です。
生命科学において、新しいパラダイムの扉が開きつつある今、大野乾さんのような視点が必要になってくるような気がします。
生命科学の今後が楽しみです。
自己組織化する生命と獲得形質の遺伝
前の記事「自己組織化する生命と細胞性粘菌」
細胞性粘菌の形態形成についての僕の研究は、同種の細胞がどのようにして対称性を破ってスパイラルパターンやターゲットパターンの中心が形成されるのかというメカニズムを、数理モデルで説明するというものでした。
当時は、ペースメーカー細胞という「なぜかそいつだけ自律的にcAMPを分泌している細胞」がいて、その他の細胞は、そいつが出した信号をリレーしながら、ペースメーカー細胞のところに集まっていくというモデルが主流でした。
僕は、一様均質な世界が自発的に対称性を破って自己組織化する原理こそが、生命の根底に横たわる原理だという信念があったので、その信念からすると、「ペースメーカー細胞」にすべてを押し付けてしまうやり方に納得がいきませんでした。
というわけで、ペースメーカー細胞がいなくても、自ら対称性を破って集まることができるような数理モデルをつくり、そのようなことが可能なことが分かりました。
(この結果をまとめた論文は未発表)
予備校講師になってから、ある生物の先生から、カンメラー、ミチューリン、ルイセンコといった獲得形質の遺伝を肯定的に捉えて生物学を展開していた人のことを教わり、書籍を多数読みました。
そして、獲得形質が否定されてきた過程で、2つの大きな事件があったことが分かりました。
第1の事件は、「カンメラー事件」です。
主役は、オーストリアの天才実験家カンメラーです。
彼はサンショウウオやサンバカエルを用いて実験をしました。彼が示したのは、陸生のカエルであるサンバカエルを水中で飼い続け、世代交代させた結果、サンバカエルには存在しない婚姻瑠という突起が腕のところに現れ、それが、子孫にも遺伝したという結果でした。第一次世界大戦によって研究を中断されたカンメラーは研究結果をまとめて実験室を閉めます。
そして、婚姻瑠のあるサンバカエルの腕の標本は、ヨーロッパ各地の博物館を廻ることになりました。
そして、最後の博物館で博物館員が標本を調査したところ、婚姻瑠にインディアンインクが注入された形跡があるということになり、Natureにそのことが発表されました。
カンメラーはその事実を否定しましたが、失意の元、自殺してしまいました。
カンメラー事件の後、獲得形質の遺伝を主張することは難しくなりました。
アーサー・ケストラーの『サンバカエルの謎』は、カンメラー事件を扱った話で、ケストラーは、カンメラーにかなり好意的です。
第2の事件は、ロシアで起こりました。
果樹の品種改良をやっていた育種家のミチューリンは、独自の方法論で南方の果樹を次々と寒冷なロシアの地に適応させるように品種改良していきました。彼は、生物の環境に対する環境応答能力を重要視していて、獲得形質が遺伝することを土台にした独自の理論を展開しました。
ミチューリンの成功を土台にして、それを、理論化したのがルイセンコです。
ただし、ルイセンコは単なる生物学者ではなく、スターリン政権において権力を持ち、自らの生物学を共産主義的な生物学、メンデル主義を資本主義的な生物学と位置づけました。そして、ルイセンコに対立するメンデル主義の生物学者、ヴァヴィロフを、ブルジョア的エセ科学者として投獄し、獄死させました。このように、この論争は、生物学のフィールドを超え、資本主義VS社会主義のイデオロギー論争へと発展していきました。
日本でも、徳田御稔著『2つの遺伝学』が出版され、ルイセンコ生物学が紹介されました。
その結果、日本でもルイセンコ生物学の影響を受けて、資本主義VS社会主義のイデオロギー論争と結びついた論争が起こりました。
そんなときに、ワトソン・クリックの2重らせんの発見があり、彼らが、「DNA→RNA→たんぱく質という情報の流れはあるが、その逆は分子生物学的にない」というセントラルドグマを主張したことで、ルイセンコ生物学は支持者を失っていき、獲得形質の遺伝も同時に葬り去られました。
カンメラー事件と、ルイセンコ生物学によって、「獲得形質が遺伝する」と発言することは、生物学の分野では、大いなるタブーになってしまったのです。
複雑系の研究者は、環境の影響によって生物が変わっていくメカニズムを捜し求めてきました。
金子邦彦さんや四方哲也さん、池上高志さんなど、複雑系で生物を研究している人たちは、このような状況をふまえ、環境から得られた情報が、セントラルドグマに触れない形で、間接的に子孫に伝わるメカニズムを捜していたように思います。
僕は、複雑系の研究会で「ラマルキズム(獲得形質が遺伝すると主張する立場)を肯定しているわけではないですよ」という発言を聞いたことがありますが、そう言わないといけない状況があったわけです。
しかし、トランスポゾンが発見され、逆転写酵素が見つかったことにより、状況は動き始めました。
RNAからDNAへの情報の流れが可能であることが分かったのです。
自己組織化的な生物観を阻む巨大な壁であったセントラルドグマが、揺らぎ始めたのです。
(続く)
細胞性粘菌の形態形成についての僕の研究は、同種の細胞がどのようにして対称性を破ってスパイラルパターンやターゲットパターンの中心が形成されるのかというメカニズムを、数理モデルで説明するというものでした。
当時は、ペースメーカー細胞という「なぜかそいつだけ自律的にcAMPを分泌している細胞」がいて、その他の細胞は、そいつが出した信号をリレーしながら、ペースメーカー細胞のところに集まっていくというモデルが主流でした。
僕は、一様均質な世界が自発的に対称性を破って自己組織化する原理こそが、生命の根底に横たわる原理だという信念があったので、その信念からすると、「ペースメーカー細胞」にすべてを押し付けてしまうやり方に納得がいきませんでした。
というわけで、ペースメーカー細胞がいなくても、自ら対称性を破って集まることができるような数理モデルをつくり、そのようなことが可能なことが分かりました。
(この結果をまとめた論文は未発表)
予備校講師になってから、ある生物の先生から、カンメラー、ミチューリン、ルイセンコといった獲得形質の遺伝を肯定的に捉えて生物学を展開していた人のことを教わり、書籍を多数読みました。
そして、獲得形質が否定されてきた過程で、2つの大きな事件があったことが分かりました。
第1の事件は、「カンメラー事件」です。
主役は、オーストリアの天才実験家カンメラーです。
彼はサンショウウオやサンバカエルを用いて実験をしました。彼が示したのは、陸生のカエルであるサンバカエルを水中で飼い続け、世代交代させた結果、サンバカエルには存在しない婚姻瑠という突起が腕のところに現れ、それが、子孫にも遺伝したという結果でした。第一次世界大戦によって研究を中断されたカンメラーは研究結果をまとめて実験室を閉めます。
そして、婚姻瑠のあるサンバカエルの腕の標本は、ヨーロッパ各地の博物館を廻ることになりました。
そして、最後の博物館で博物館員が標本を調査したところ、婚姻瑠にインディアンインクが注入された形跡があるということになり、Natureにそのことが発表されました。
カンメラーはその事実を否定しましたが、失意の元、自殺してしまいました。
カンメラー事件の後、獲得形質の遺伝を主張することは難しくなりました。
アーサー・ケストラーの『サンバカエルの謎』は、カンメラー事件を扱った話で、ケストラーは、カンメラーにかなり好意的です。
第2の事件は、ロシアで起こりました。
果樹の品種改良をやっていた育種家のミチューリンは、独自の方法論で南方の果樹を次々と寒冷なロシアの地に適応させるように品種改良していきました。彼は、生物の環境に対する環境応答能力を重要視していて、獲得形質が遺伝することを土台にした独自の理論を展開しました。
ミチューリンの成功を土台にして、それを、理論化したのがルイセンコです。
ただし、ルイセンコは単なる生物学者ではなく、スターリン政権において権力を持ち、自らの生物学を共産主義的な生物学、メンデル主義を資本主義的な生物学と位置づけました。そして、ルイセンコに対立するメンデル主義の生物学者、ヴァヴィロフを、ブルジョア的エセ科学者として投獄し、獄死させました。このように、この論争は、生物学のフィールドを超え、資本主義VS社会主義のイデオロギー論争へと発展していきました。
日本でも、徳田御稔著『2つの遺伝学』が出版され、ルイセンコ生物学が紹介されました。
その結果、日本でもルイセンコ生物学の影響を受けて、資本主義VS社会主義のイデオロギー論争と結びついた論争が起こりました。
そんなときに、ワトソン・クリックの2重らせんの発見があり、彼らが、「DNA→RNA→たんぱく質という情報の流れはあるが、その逆は分子生物学的にない」というセントラルドグマを主張したことで、ルイセンコ生物学は支持者を失っていき、獲得形質の遺伝も同時に葬り去られました。
カンメラー事件と、ルイセンコ生物学によって、「獲得形質が遺伝する」と発言することは、生物学の分野では、大いなるタブーになってしまったのです。
複雑系の研究者は、環境の影響によって生物が変わっていくメカニズムを捜し求めてきました。
金子邦彦さんや四方哲也さん、池上高志さんなど、複雑系で生物を研究している人たちは、このような状況をふまえ、環境から得られた情報が、セントラルドグマに触れない形で、間接的に子孫に伝わるメカニズムを捜していたように思います。
僕は、複雑系の研究会で「ラマルキズム(獲得形質が遺伝すると主張する立場)を肯定しているわけではないですよ」という発言を聞いたことがありますが、そう言わないといけない状況があったわけです。
しかし、トランスポゾンが発見され、逆転写酵素が見つかったことにより、状況は動き始めました。
RNAからDNAへの情報の流れが可能であることが分かったのです。
自己組織化的な生物観を阻む巨大な壁であったセントラルドグマが、揺らぎ始めたのです。
(続く)
自己組織化する生命と細胞性粘菌
僕は、大学院時代に自己組織化現象というものを研究していました。
自己組織化というのは、一様で均質な状態が不安定化し、自ら対称性を破って構造化していく現象のことです。
このような構造化はいたるところに見られます。
・結晶の成長
・相転移
・都市の形成
・貨幣の誕生
・生物の形態
・生態系
これらには、フラクタル的な構造が見られること、べき乗の統計則が見られることなどの共通点があります。
このような共通点があることは、これらの現象の背後には「自己組織化の原理」ともいうべき仕組みがあることを示唆しています。
物理学の原理が、「モノ」の原理であるのに対して、自己組織化の原理は、「関係性」の原理です。
それを構成しているモノが何であれ、「●●のような関係性があれば、必ず○○となる」というような原理です。
僕は、学生時代に、分野を超えて存在する原理というもののスケールの大きさに惹かれて、このテーマを選びました。
一般的には、僕が研究していたようなことは、「複雑系」という名前で呼ばれています。
複雑系に興味がある方は、こちらがおすすめ。
↓とりあえず全体像をつかみたい人向け
↓自己組織化と生命、進化との関係について興味のある方向け
研究するときには、具体的に何か素材を選らばなくてはなりません。
卒業論文を書くときには、物性物理の研究室にいたので「結晶のフラクタル成長」をテーマに選びました。
卒業論文を書きながら、あれこれと考えているうちに、
「宇宙が自己組織化している存在であり、単純な構造から複雑な構造が生み出されていると考えたときに、その複雑化が最も進んでいるものが生命なんだ!」
と考えるようになり、大学院に入ってからは、生命現象の自己組織化をテーマにしました。
具体的には、細胞性粘菌の形態形成を数理モデルを作って研究していました。
細胞性粘菌というのは、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、単細胞生物と多細胞生物のちょうど中間に位置する生物で、細胞がどのように情報交換して多細胞体というシステムを作り上げるのかということを研究するのに適しているため、生物を研究している人の間では、結構、メジャーな生物なんです。
この生き物は、胞子から発芽したときには、単細胞アメーバとしてバクテリアを食べて生活しているのですが、飢餓状態になるとcAMPというシグナル伝達物質を分泌し始めます。
各アメーバは、興奮性を持っていて、シグナルを受け取って刺激を受けると、自分もシグナルを出すため、シグナルはどんどんリレーされていきます。さらに、シグナルがやってきた方向へ移動するという走化性という性質を持っているので、信号を発信している上流のほうへアメーバは集まってきます。
その結果、細胞集団の間にらせん状の時空間パターンが出来上がり、らせんが回転しながら細胞がらせんの中心に向けて集まってきます。
集まってきた細胞は、ドリルのように回転をしながら、植物が発芽するかのように上に向かって盛り上がっていきます。そして、ある程度のところまでいくと、パタっと倒れて、一匹のナメクジのような生き物になり、光が当たっている方向へ向けて進み始めるのです。
その後、細胞は胞子になる細胞と柄になる細胞とに分化し、子実体というものを作ります。これは、茎と胞子とからなり、上に伸びた茎の上に胞子の丸い塊がついているような形をしています。
そこから、胞子が飛び散り、ライフサイクルの最初に戻ります。
言葉で説明すると、ややこしいですが、映像で見るとすごいインパクトがあります。
単細胞アメーバが集合するまでの動画です。
有名な研究者、Bonner博士のところの動画です。ライフサイクルがすべて見れます。
9分22秒の長い動画ですが、cAMPのスパイラルパターンや、多細胞体が回転運動をしながら進んでいるという貴重な映像(たぶん京大が作ったもの)もあり、すごい映像です。
一様な単細胞アメーバが、どのようにして自ら対称性を破り、時空間パターンをつくり、分化していくのかというところに自己組織化の原理が関係していると確信し、研究を進めていました。
このような見方で生物を見ると、生物進化における種の分化も、一様均質な種が対称性を破り、2種類の種に分かれていく現象のように見えてきます。
細胞分化も種の分化も、現象の階層が異なるだけで、メカニズムとしては同じなのではないか・・・と思えてくるのです。
そして、その考えを支えるのが、生物の体にフラクタル的な構造が見られるのと同じように、生態系の種の分布にもフラクタル的な構造やべき則が見られるという事実です。
生物の体に現れるべき則→アロメトリー則
生態系に現れるべき則→ジップ則
そして、そのような事が起こるためには、生物が環境と密接に相互作用していることが必要で、生物の体が環境に対してある程度早く応答することが必要になります。
自己組織化的な生物観には、環境から情報がDNAに移動し、それが遺伝する・・つまり、なんらかの方法で獲得形質が遺伝することが必須条件なんです。
というわけで、自己組織化的な生命観を持つ僕にとっては、獲得形質が何かしらの方法で遺伝するはずだという信念みたいなものが出来上がってきたのです。
ところが、獲得形質の遺伝は、ラマルクが動物哲学で主張し、その後、生物学において否定された考え方です。
しかし、自己組織化的な生命観からすると、生物は、もっとすばやく環境に応答しないとおかしいのです。
(次へ)
自己組織化というのは、一様で均質な状態が不安定化し、自ら対称性を破って構造化していく現象のことです。
このような構造化はいたるところに見られます。
・結晶の成長
・相転移
・都市の形成
・貨幣の誕生
・生物の形態
・生態系
これらには、フラクタル的な構造が見られること、べき乗の統計則が見られることなどの共通点があります。
このような共通点があることは、これらの現象の背後には「自己組織化の原理」ともいうべき仕組みがあることを示唆しています。
物理学の原理が、「モノ」の原理であるのに対して、自己組織化の原理は、「関係性」の原理です。
それを構成しているモノが何であれ、「●●のような関係性があれば、必ず○○となる」というような原理です。
僕は、学生時代に、分野を超えて存在する原理というもののスケールの大きさに惹かれて、このテーマを選びました。
一般的には、僕が研究していたようなことは、「複雑系」という名前で呼ばれています。
複雑系に興味がある方は、こちらがおすすめ。
↓とりあえず全体像をつかみたい人向け
↓自己組織化と生命、進化との関係について興味のある方向け
研究するときには、具体的に何か素材を選らばなくてはなりません。
卒業論文を書くときには、物性物理の研究室にいたので「結晶のフラクタル成長」をテーマに選びました。
卒業論文を書きながら、あれこれと考えているうちに、
「宇宙が自己組織化している存在であり、単純な構造から複雑な構造が生み出されていると考えたときに、その複雑化が最も進んでいるものが生命なんだ!」
と考えるようになり、大学院に入ってからは、生命現象の自己組織化をテーマにしました。
具体的には、細胞性粘菌の形態形成を数理モデルを作って研究していました。
細胞性粘菌というのは、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、単細胞生物と多細胞生物のちょうど中間に位置する生物で、細胞がどのように情報交換して多細胞体というシステムを作り上げるのかということを研究するのに適しているため、生物を研究している人の間では、結構、メジャーな生物なんです。
この生き物は、胞子から発芽したときには、単細胞アメーバとしてバクテリアを食べて生活しているのですが、飢餓状態になるとcAMPというシグナル伝達物質を分泌し始めます。
各アメーバは、興奮性を持っていて、シグナルを受け取って刺激を受けると、自分もシグナルを出すため、シグナルはどんどんリレーされていきます。さらに、シグナルがやってきた方向へ移動するという走化性という性質を持っているので、信号を発信している上流のほうへアメーバは集まってきます。
その結果、細胞集団の間にらせん状の時空間パターンが出来上がり、らせんが回転しながら細胞がらせんの中心に向けて集まってきます。
集まってきた細胞は、ドリルのように回転をしながら、植物が発芽するかのように上に向かって盛り上がっていきます。そして、ある程度のところまでいくと、パタっと倒れて、一匹のナメクジのような生き物になり、光が当たっている方向へ向けて進み始めるのです。
その後、細胞は胞子になる細胞と柄になる細胞とに分化し、子実体というものを作ります。これは、茎と胞子とからなり、上に伸びた茎の上に胞子の丸い塊がついているような形をしています。
そこから、胞子が飛び散り、ライフサイクルの最初に戻ります。
言葉で説明すると、ややこしいですが、映像で見るとすごいインパクトがあります。
単細胞アメーバが集合するまでの動画です。
有名な研究者、Bonner博士のところの動画です。ライフサイクルがすべて見れます。
9分22秒の長い動画ですが、cAMPのスパイラルパターンや、多細胞体が回転運動をしながら進んでいるという貴重な映像(たぶん京大が作ったもの)もあり、すごい映像です。
一様な単細胞アメーバが、どのようにして自ら対称性を破り、時空間パターンをつくり、分化していくのかというところに自己組織化の原理が関係していると確信し、研究を進めていました。
このような見方で生物を見ると、生物進化における種の分化も、一様均質な種が対称性を破り、2種類の種に分かれていく現象のように見えてきます。
細胞分化も種の分化も、現象の階層が異なるだけで、メカニズムとしては同じなのではないか・・・と思えてくるのです。
そして、その考えを支えるのが、生物の体にフラクタル的な構造が見られるのと同じように、生態系の種の分布にもフラクタル的な構造やべき則が見られるという事実です。
生物の体に現れるべき則→アロメトリー則
生態系に現れるべき則→ジップ則
そして、そのような事が起こるためには、生物が環境と密接に相互作用していることが必要で、生物の体が環境に対してある程度早く応答することが必要になります。
自己組織化的な生物観には、環境から情報がDNAに移動し、それが遺伝する・・つまり、なんらかの方法で獲得形質が遺伝することが必須条件なんです。
というわけで、自己組織化的な生命観を持つ僕にとっては、獲得形質が何かしらの方法で遺伝するはずだという信念みたいなものが出来上がってきたのです。
ところが、獲得形質の遺伝は、ラマルクが動物哲学で主張し、その後、生物学において否定された考え方です。
しかし、自己組織化的な生命観からすると、生物は、もっとすばやく環境に応答しないとおかしいのです。
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2010年06月26日
【物理】なにがなんだか、さっぱりわからない。
yotuyaさん
----- 物理で困っていること -----
なにがなんだか、さっぱりわからない。
物理ネット予備校の田原です。
高校時代に、一通り物理を勉強したけど、大学に入ったら分からないということですか?
それとも、物理を最初から勉強しているという状況ですか?
高校→大学の壁については、「数式の解釈」が問題になることが多いです。
初めて学ぶときには、「物理って何?」というストーリーを理解していると学びやすいです。
自著『物理をこれから学びたい人のための科学史/数学』は、これから学ぶ人が、物理ってどんな営みなのかを興味をもって理解できるように書きました。
----- 物理で困っていること -----
なにがなんだか、さっぱりわからない。
物理ネット予備校の田原です。
高校時代に、一通り物理を勉強したけど、大学に入ったら分からないということですか?
それとも、物理を最初から勉強しているという状況ですか?
高校→大学の壁については、「数式の解釈」が問題になることが多いです。
初めて学ぶときには、「物理って何?」というストーリーを理解していると学びやすいです。
自著『物理をこれから学びたい人のための科学史/数学』は、これから学ぶ人が、物理ってどんな営みなのかを興味をもって理解できるように書きました。
2010年04月13日
『ギリシャ数学のあけぼの』
『物理をこれから学びたい人のための科学史/数学』を執筆するために、たくさんの参考文献を読みました。
あらためて、ピタゴラスが現在に与える影響の大きさに驚きました。
これも、もとをたどるとピタゴラスなのか!と思うことが何度もありました。
上垣渉さんの本は、分かりやすいだけでなく、面白いです。
おすすめです。
あらためて、ピタゴラスが現在に与える影響の大きさに驚きました。
これも、もとをたどるとピタゴラスなのか!と思うことが何度もありました。
上垣渉さんの本は、分かりやすいだけでなく、面白いです。
おすすめです。


