猫の欠伸研究室(アーカイブ)

~淡々と飽きもせず……~ チベット・ラサの僧侶曰く、「人の生涯は猫の欠伸のようなものだ」

2006年08月

 8月もいよいよ最終日です.このあたりの小・中・高校は,明日から新学期ですが,大学は,まだまだ夏休みが続きます.とはいえ,教員は,休んでいるわけではありません.誤解のなきよう,念のため申し添えます.9月は,授業はありませんが,定例会議は開催されます.

 さて,出勤しましたら,メールボックスに図書館から,「研究用貸し出し図書の準備ができましたので,取りに来てください」という連絡が入っていました.個人研究費で購入した図書は,図書館で,蔵書の登録をしたのちに,研究室へ長期貸し出しというかたちになります.アポを1つ済ませてから,図書館に行ってきました.受け取りには,連絡票と印鑑が必要です.図書館のカウンターで司書さんから本を受け取り,貸出票に捺印します.朱肉をつけてから,印鑑の上下がよく見えなかったので,まじまじと見ていたら,司書さんは,「先生,どこに押していただいても構いませんよ」といって下さったのです.が,しかし,近眼用の眼鏡をかけていたので,単純に印鑑の上下の確認ができなかっただけなのです.「いやぁ,済みません.この頃,細かいものが見えなくて,ハンコの上下が分からなかったのです」といって,2人で大笑いしてきました.

 我らながら情けないのですが,これも老化現象のひとつということで,致し方ありません.3,4年前に大学基準協会の評価委員になり,膨大な書類を読まされた時から,一気に老眼が進んだように思います.こういう不便になるのは,ご免被りたいところですが,自然現象には抗えませんね(苦笑).

 アポイントの方は,予定通りでしたが,それ以外に,学部長から,「ちょっと教えてもらいたいことがある」と呼ばれたのが1件でした.これは,話の内容自体は,単純でした.

 今日のアポその他では,う~ん,頭が飽和状態という感じに陥ってしまいました.脳を酷使した訳ではありませんが,研究計画書や修論原稿の添削で,かなりハードでした.アカデミックな文章(レポートや論文の文章)を書き慣れていない人が,十分推敲しないで書いたものを読むのは,なかなか大変です.まぁ,それが仕事といってしまえばそうなのですが,それ相応の苦労もあります.このように書くと,院生諸氏その他関係者の皆さんが,また,ドキドキしたり,恐縮したりするかも知れませんが,実際,そうなのです.

 Wordで作成した文書で,本文が5,6ページであったとしても,コメントを書き込んだり,加筆修正を行うと,それらのコメント・加筆修正分を含めて印刷しますと,だいたい本文の倍くらいの分量になります.それもスムーズに添削ができればよいのですが,行きつ戻りつして,あれやこれやと考えないといけなかったりしますと,本当に苦労します.時には,何といいましょうか,何かしら,難行・苦行とでも呼べるような苦労をしているように思えるときもあります.

 文部科学省は,大学院の学校化を推進していますが(大学院でもコースワークと呼ばれる授業をきちんとやるようにとか,研究指導もきちんとやるだけでなく,公平性・客観性が保証できる手続きを導入しろということです),卒業論文を書いたことがないとか,卒業研究をしたことがないという看護学系の院生の場合,書き方には本当に苦労するようです.たとえていえば,頭の使い方や,働き方をかなり変更するか,あるいは,頭の中身をすべて紙面に書き出して,そこでどういう話をするか,また,どういう順序で話をし,情報を提示するかという,議論を目に見えるかたちで書き出して,検討することが必要でしょう.

 ちょっとだけ暴露話を書きますと,しゃべらせると結構話ができるのに,書かせるとまるで駄目,ということもよく経験します.聞くことや話すことも,本当は難しいのですが,文章に書くということもそれ以上に難しいことです.極論を言ってしまうと,書いた当人の頭の中身が,文面に表れしまうのです.したがって,ある程度しっかり考えてから書いたのか,書きながら考えたのかということや,本人もよく分かってないことを書いているなということは,ほぼたちどころに分かってしまいます.恐ろしいことです.

 ということで,あっという間に,明日からは9月です.M2の皆さんには,修論締切まで,あと4ヶ月ほどということになりますし,大学院志願者の方にとっては,9月末が出願期間で,10月下旬に入学試験ということになります.昔,漢文か何かで,“歳月人を待たず”とか,“光陰矢のごとし“というのを習いましたが,その通りです.現実を直視して,なおかつ焦らず,きちんと,急がば回れの精神でやってもらいたいと思っています.

 その9月最初の日,アポは,2つです.1つは,夕方のMn院生の論文指導と,午後,小児看護学の助手の先生の原稿確認が残っています.“推敲に推敲を重ねてもってきてくれるでしょうか?”.私などは,ヒヤヒヤドキドキの連鎖でした.まぁ,いずれにしても,ボチボチやる以外に道はありませんので,その方針で前に進む必要があると思われました.

 日中は,まだまだ残暑が厳しいですが,朝夕に吹く風は,だいぶ秋めいてきました.今日は,自宅研修日でしたが,午後からは,市内のJ小学校の特別支援教育に関する研修会に出かけてきました.教育研究所のHy先生とHt先生も同行してくださいました.2時から5時までの3時間,みっちりでした.J小学校は,市の特別支援教育のモデル校になっています.先方からの依頼は,1)支援計画の必要性・意義,2)WISC-�VやK式発達検査などのデータの簡単な把握方法,数値や結果を学校現場でどのように活かすか,3)J小学校の計画の書式などについての助言,ということでした.

 先生方は,この夏休み期間中,今日を含めて4回の研修会を開催しておられるそうです.しかも,今日は,職員会議,運営委員会を午前中に行われた後ということで,小学校の先生方も結構大変です.しかし,校長先生以下,20数名の先生方が熱心に聞いて下さり,感謝しています. 

 依頼を受けた内容を中心に,パワーポイントで50枚あまりのプレゼン資料をつくって行ったのですが,先生方の頭の中は,少々混乱状態のようでした.まずは,“個別の教育支援計画”と,“個別の指導計画”の概念的な区別と,実際に作る上での計画案の区別で混乱されたようです.上位概念は,個別の教育支援計画”で,“個別の指導計画”は,それに含まれるものです.市の教育研究所からは,“個別の教育支援計画”のひな形が出されていますので,学校としてはそれに沿ったものを作ろうとされていたようです.個別の教育支援計画は,障害のある子どものニーズを把握し,教育の視点から適切に対応するため,保護者,教育・医療・福祉スタッフが連携し,長期的視点で一貫した支援を提供するためのものです.“個別の指導計画”は,その中で,とくに学校における教育課程に絡んだ,目標,指導内容,評価の視点を具体的に示したものなのです.

 私は,最初に概念的な区別をお話しし,個別の指導計画という観点から,その後の話を展開したのですが,そのあたりで混乱されたようです.“教育支援計画”から入っても,“個別指導計画”から入っても構わないと思うのですが,どうも先生方はそのあたりもきっちり区別をしたいと思っておられるようでした.

 また,Plan-do-seeサイクルということや,実態把握にもとづいて,目標を設定し,具体的な指導計画を立て,指導を展開し,評価を行うということはご理解のようでしたが,主訴や課題を絞って,指導を行うという点や,評価を行うということについては,ずいぶん慎重な態度をお持ちのようでした.また,目標や評価を,具体的な行動レベルに還元して行うということや,可能であれば数量的な目標を用いるという点も,頭では分かっても,十分腑に落ちた訳ではないようでした.

 これまでの,とくに普通教育の価値観や視点,発想からすれば,かなりドラスティックな変化を成し遂げないといけませんので,そういった点から,慎重になってしまわれるようでした.集団での一斉授業というところから,一人ひとりの子どものニーズに応じて,という視点の転換がなかなか困難なのかも知れません.私の発想では,とにかくやってみて,上手くいかなければ修正すればいい,と考えるのですが,異なった行動原理をお持ちのようです.このあたりは,事の是非という問題ではなく,価値観,発想の問題だろうと思いますので,時間をかけて修正していくことが必要なのでしょう.

 さて,午前中は,プリンタのインクがなくなっていましたので,エイデンに出かけ,入手してきました.早速,娘の自由研究の様子を撮影したデジカメ映像をプリントしてやりました.これで,夏休みの宿題も完成と思われます(全部済ませたか?などと聞こうものなら,逆に叱られますので,恐ろしくて聞けません).

 夕方は,例によって,総構堀周辺をブラブラと散歩してきました.まだ,アブラゼミなどが鳴いています.しかし,はじめにも書いたように,風は,確実に秋の風でした.子どもたちの夏休みは明日で終了です.しかし,桑名市の小・中学校は,2期制に移行していますので,9月1日からいきなり授業です.聞くところによれば,市内の中学校の中には,9月4日から,前期の期末試験というところもあるようです.

 明日,木曜日は,午前中に博士前期課程志望のKさんの面接,午後は,M2のLさんとの面接,S研究員さんの英語と研究指導,夕方からは,M2のS院生の研究の統計部分のコンサルテーションです.うちのM2のFj院生の,文献検討部分のチェック・コメントもまだのこりがありますので,明日くらいには仕上げて,メールで送りたいと思っています.

Wais3_s  今日のタイトルは,お分かりになる方は分かっていただけると思いますが,ほとんどの方には?でしょう.大人用の知能検査の名称です.しばらく前から,標準化に,オーガナイザーとして協力してきたWechsler Adult Intelligence Scale-3rd. editionが,今年の6月に発売になったのです.オーガナイザーとして協力した場合には,検査器具が1セットずついただけるということで,昨日は,マニュアルと記録用紙が,今日は,検査器具が届きました.写真のようにかなり格好良い検査に仕上がっています.

 16歳から89歳まで使えるもので,日本文化科学社から発行されています.とはいえ,健康に暮らしている,普通の方は買うことも,見ることも,検査を受けることもないと思います.器具が,1セット\117,600,検査用紙(20名分)が\8,400,検査マニュアル(2刷セット)が\10,500です.したがって,合計で,\136,500のものをいただいたことになります.

 さて,今日のアポイントは予定通りでした.Iさんには,午前中に来てもらって,秘書の仕事についてお話しし,来週から来てもらうことにしました.9月中は,月曜日に,ということでお願いしてあります.Iさんは,現在,某国立大学の医学系研究科の院生です.英語の論文に苦労しているといっていましたし,医学系研究科は,学校であって,学校ではないようで,看護学研究科などとは大違いのようです.何がか,というと,授業があるかないかです.医学系研究科では,カリキュラムはもちろんあるのでしょうが,きちんとした授業は開講されておらず,それぞれの研究室のプロジェクトに組み込まれ,その中で研究手法を学び,プロジェクトの一部を担いつつ,自分のデータを得る,ということのようです.

 Mn院生は,午前中から来て,図書館や,研究室で文献渉猟を行い,かなりの分量のコピーをとっていきました.文献検討のところから書き始めるようです.文献検討といえば,昨日,指導であったFj院生から,メールに添付して,修正版が届きましたが,まだちょっと私の要求水準には到達していませんでしたので,かなり真っ赤っかに添削しつつあります.また,ギョッとするか,ドキドキして,研究室に来なければならないかも知れませんが,やむを得ません.きちんと書くには,相当量のインプットが必要ですし,論文やレポートは,何気なく書くものではなく,アウトラインを考え,推敲を重ねて書かねばなりませんから.

 ところで,昨日,I助手からは,大分のお土産として,カボスの入ったお菓子と,カボス2個をもらいました.お菓子は,皆さんで美味しくいただき,残りわずかになってしまっています.彼女は,夏休み中,自分の研究で,精神障害者の作業所に聞き取り調査に歩いています.今日は,2軒廻ってくるといって出かけていきました.実り多いデータが得られていることを祈っています.

 午後からは,看護学の実習の授業評価についてのワーキング会議でした.そもそも実習では,自己評価をつけさせたり,最近では,看護技術の経験や,習得度についての評価もされるようで,それらとの概念的,理論的,実際的な区別をどうするかが,大きな課題の1つでした.また,実習が終わるごとに大量の評価をしてもらうのも,評価結果の信頼性を低めるように作用しそうですので,もろもろのことをさらに考慮して,作業を進めて行かなくてはなりません.これは,なかなか手強そうな仕事です.若い講師の,Kw先生とSw先生にご協力をお願いしています.

 明日は,自宅研修日ですが,午後からは,市立J小学校での研修会の講師です.約3時間の研修時間ですので,昨日考えたように,演習などを入れていこうと思います.3時間,ひたすら座学というのも大変でしょうし,話を聞いていただいてから,自分たちの学校の特別支援の在り方を考えていただくというのもよいのではないかということです.

 実は,今日の午後,ブログ開始以来,累計で3万アクセスを越えました.御礼申し上げます.@niftyのcocologは,最近,アクセス解析のシステムが新しくなりました.この累計3万アクセスというのは,このブログのすべてのサイトを対象にした,延べ総アクセス数です.平均では,1日99アクセス以上となっています(しかし,未だ,100アクセスは越えそうで,越えていません).

 カウント方法が変わりましたので,従来の延長線上で単純に比較はできませんが,それにしても,想定外の量のアクセスをしていただいています.新解析システムでは,アクセスしてくださる方の地域や,ブラウザ,リンクなのか,検索した結果なのか,など実にいろいろなことが分かるようにしてあり,感心してしまいました.

 いずれにしても,読んでいて下さるかたがのおかげで,このように続いていると思っています.改めて感謝申し上げたいと思います.アクセス数を単純に増加させるのがよいとは思いませんが,それでもやはり,アクセス数が多いということは,ある一定程度の方々には内容を読むメリットが,多少ともあるとみなしていただいている訳ですから,それを糧に,さらに日々更新を心がけることにします.

 8月もいよいよ最終週です.子どもたちの宿題はできたでしょうか?私の宿題(J小学校での研修資料)は,昨晩完成し,今朝,確認した上で,桑名市の教育研究所まで提出してきました(笑).今朝9時前,教育研究所の担当のH先生に電話をしてから,届けてきました.これで,一安心です.あとは,水曜日に,ちゃんと講師として出かけるだけです.

 教育研究所に届けた後,おもむろに出勤しました.今日のアポは,院生指導が2件と思っていたのでしたが,実は,臨時教授会もありました.学校に到着してから思い出しました.追試験願の取扱についてでしたが,追試の要件を満たさないということで,願を受領せず,という結論になりました.私見では,当然のことと思います.本人や,担当教員の心情は十分理解するものですが,規則の拡大解釈は避けなければなりませんから.

 その院生指導ですが,Fj院生は,文献検討を書いてきたのですが,1枚目の半分も行かないうちに,ダメ出しでした.論文やレポートを本格的に書いた経験のある方は,教員からいわれたことがあるかも知れませんが,「それで?」ということでした.アメリカなどでもあるようで,その場合には,“And so?”だそうです(記憶に間違いがなければ).要するに,調べたことが並列してあり,内容にしたがった整理や,その上での筆者としてのコメント,意見がありませんでしたので,そうなりました.教授会で指導が40分ほど中断したのですが,その間に自分の書いたものを読み返して,「言われたことがよく分かりました.何度も,同じことをいわれていたのに,ようやく気づきました」ということでした.次回に期待したいと思います.

 引き続き,Fk院生の指導でした.こちらへ来る直前にmailで送ったようです.今日も,とてもドキドキしながら来たようですが,原稿も,来週の中間発表用のプレゼン資料も,合格!でした.前回のコメントがよほど身にしみたようです.このラインで書きましょうといったら,「早く帰って,忘れないうちに,やります」と,サッサと帰って行ってしまいました.まぁ,それも良いでしょう.彼女も,次回に期待です.

 2人とも,次回は,来週の月曜ですが,来週はすでに9月4日です.中間発表は,9月7日.修論締切までは,ほぼ4ヶ月ですので,気合いを入れて,やってもらいたいところです.

 ところで,I助手は,無事に発表を終えて帰ってきていました.大分名物のカボスと,カボスのお菓子を買ってきてくれました(感謝!).発表は,お客さんが4名だったそうです(ポスターセッションで,発表内容を掲示し,その前でお客さんならぬ,聞き手が来るのを待っているのです).学会は,人とのネットワークづくりが主たる目的のひとつだから,来てくださった方には,メールでも入れておきなさいと,指示しておきました.結局,何をするにしろ,人とのネットワークがかなり重要になってきます.これは,おそらくどの世界でも同じでしょう.

 さて,明日からは,また残暑が戻ってくるという予報です.暑いのは,もう十分なのですが,致し方ありません.午前中に,教え子でもあるIさんに来てもらい,非常勤秘書をお願いする話をします.午後は,授業評価に関してのワーキング・グループ会議を予定しています.実習の評価なので,私がやるのは適切ではありませんが,一通りの方向性を出してから,交替してもらおうと,密かにねらっています.そのほか,Mn院生が,文献探しに来る予定です.

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