高橋大河 両手を縛った釣りの話

ソルトワールドの元編集長・高橋大河が、釣りを中心とした日々の話題を等身大でお届けします。

『島根県で、営巣中のコウノトリのメスが死亡。オス一羽では子育ては困難と判断してヒナ4羽を保護』。

『御蔵島ではオオミズナギドリが野ネコに襲われ、この10年で個体数が9割も減少』。

この2か月シジュウカラの子育てを見てきたせいか、こんなニュースが身につまされる今日この頃です。

今朝は雨でしたが、仕事前の空き時間を利用して雨中の散歩へ行ってきました。ボクの散歩コースも、いまはいろいろな生き物の繁殖期。みんな頑張ってます。


川の中では、ニゴイの産卵行動がまだ続いています。

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その水辺では、カルガモがヒナを連れてぞろぞろと歩いて?います。

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これまでの経験では、カルガモの親がこのエリアに子供を連れてくるのはある程度成長してから。すでに自分からあちこちに動いてしまうようで、親はまとめるのにてんてこ舞い・・・しているように見えました。

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ホントはもう少しふわふわの状態で見たかったけど、今年はシジュウカラでそれどころじゃなかったから(笑)

そのシジュウカラですが、散歩コースでヒナの鳴き声が聞こえたのでそっちに行ってみると、巣だったばかりと思える幼鳥が何羽かいました。

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まだ色も薄く、全体にコロコロしていて可愛いですね。

うちの周りでも時々ヒナが鳴く声が聞こえますが、高橋家的には全部、

『あれはうちのシジュウカラ』

ということになります(笑)

「元気に育ってるみたいだね、良かった」と勝手に胸をなでおろしたりして。

散歩コースではオオヨシキリもそろそろ繁殖の季節。雨のなか、盛んに鳴いていました。

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カワセミも、スズメも、どことなく幼い個体をよく見かけます。

みんな頑張ってます。

今朝のニュースで見たのですが、デジタルカメラの売り上げが世界規模で?落ち込んでいるそうです。

おもにコンパクトデジカメ、いわゆるコンデジだそうですが、デジタル一眼も低迷傾向にあるとか。その原因は、スマホのクォリティが上がったことという分析でした。

たしかに、スマホのカメラ機能は結構すごくて、ヘタなデジカメよりきれいに撮れることも少なくない。ボクたち雑誌編集者も、記事中の小さなカットには、釣り人から提供してもらったスマホ画像を掲載することがしばしばありますし、ましてやSNSでシーンを共有したり、デジタル環境の中でほかの人に見せる分には、十分すぎる画質です。

ニュースによれば、最近では新聞の取材等でもスマホで撮影する記者が増えているそうですが、軽くて、コンパクトで、通信にも撮影にも使えるのだから、それも時代の流れと言えるのかもしれませんね。

ただ、ボクが取材に行く際は、やはり一眼レフを持っていきます。

それは、レンズや撮影モードの工夫でいろいろなアレンジができることや、大きなカットで使う場合の粒子の細かさ、何枚でも撮って保存しておけるメモリ容量などの理由。

そして何より、撮影される側のテンションを下げないためでもあります。

考えても見てください。

「何月何日に〇〇丸で取材をします」と言ってアングラーを集めておいて、当日来たカメラマンがスマホしか持ってなかったらガッカリすると思いませんか? おそらく、釣り人も、船長も、モチベーションダダ下がりだと思うのです。「この取材はその程度の扱いかよ」と。

もちろん、一眼レフだからいい写真が撮れるとは限りませんが、少なくともそのつもりで来ているというこちらの本気度がみんなに伝われば、いい魚を呼んでくれる確率も高くなると思うのです。

そんなことから、ボクが現場に持ち込むのは一眼レフが基本。ストラップが肩に食い込むほど重くても、やはり一眼です。

大会レポートやインタビュー記事のように、写真がメインではない取材ではコンデジを使うこともありますが、古い人間としては、スマホのみということにはまだ抵抗があります(※あくまでも個人の感想。スマホじゃダメ、ということではありません)

まあ、一眼の世界は画素数のアップ、フルサイズ機の普及とますますハイエンド向けが充実し、手軽に撮影したいという需要とは、住み分けができていくのだと思いますが、いずれにしてもデジタルの世界の商品サイクルは劇的に短いですね。

ボクが人生のなかで出会ってきたもののなかには、何十年経っても使い続ける道具がいくらでもありますが、今後はそういうライフタイムギャランティのような価値観は生まれにくくなるのかもしれませんね。

玄関に巣を作っていたシジュウカラのヒナが、今日巣立っていきました。

親鳥の声を頼りに、不安そうに巣から顔を出し、飛び立つ機会をうかがうヒナたち。

巣立ち①

人やクルマが通るたびに顔を引っ込め、また顔を出すという繰り返し。ようやく飛び立っても道路に落ちてしまったり、かろうじて自転車やクルマの屋根に乗ったり。

巣立ち④
巣立ち⑤

飛び立ったヒナの元にはすぐに親鳥が駆けつけ、鳴き声で励ましながら安全な場所へと誘導します。

なかには巣の下に落ちてしまい、ネコ除けに張っておいた網に潜り込んでしまうヒナも・・・

巣立ち②

自然の営みに人間が手を出してはいけないことは承知していますが、野山ならともかく、さすがに自分の家の庭先で、猫がうろうろしているのを知って見殺しにするなんて無理。

この一羽のみ手を貸し、網から出して巣に戻しました。

巣立ち③

こうして、3月23日に当ブログで巣作りをご報告してから約2か月。ようやくひとつの区切りがつきました。

ただ、手放しでは喜べないことも。

実は、5月10日の未明に、母鳥が猫に襲われてしまったのです。朝起きて巣の周りが荒らされているのを見て外に出ると、むしられた羽根が散乱していました。

あと少しで子供たちを育て上げるというときに、どれだけ無念だったか。ボクは散らばっている羽根を一枚残らず拾って紙にくるみ、巣が一番よく見える窓辺に置いて、巣立ちの日を一緒に待つことにしました。

自分のパートナーが猫に襲われたことはオスも知っているはず。危険を感じて巣を放棄してしまうのではないか?・・・という心配もしましたが、その後もオスは一人でエサを運び続け、自らの役割を全うしました。本当に、子を守る親の気持ちに人も鳥もありません。

また、ヒナが全部で何羽いたのかは分かりませんが、3羽は巣立つことが出来ず、巣の中で死んでいました。ピイピイとうるさいほど鳴いていただけに信じられませんでしたが、これも厳しい自然界の現実です。

母鳥の羽根は巣に戻し、死んでしまったヒナと一緒に寝かせました。しばらくしたら、庭に埋めるつもりです。育ったヒナや、パートナーのオスがエサを取りに来れば、また会えるでしょう。

すべてを終えて、小枝にたたずむオス。宙を見つめて何を思うのでしょうか。

巣立ち⑥

自らの危険も顧みず、命がけで子供を育てた2か月、本当にお疲れ様でした。君のパートナーは庭にいるから、落ち着いたら会いにおいで。


追記

不幸にも母鳥は猫に襲われてしまいましたが、猫は猫で己の本能に従って生きているのみ。今回は『庭に巣を作った可愛い小鳥』に対して、それを狙う『悪』のような構図になってしまいましたが、それは人間のエゴ。

もしもあの猫がカラスやネズミを狙っていたら、人間にとって『善』だったかもしれないし、可愛いシジュウカラが盛んにとってくる虫類だって親であり、子でもあり、食われることで一生を終えています。

かくいうボクだって日頃から、湖に落ちたセミをブラックバスが食うとか、産卵に集まったワカサギをマスが食い漁るという弱肉強食に一喜一憂しているのだから、偉そうなことは言えません・・・というより、ほかの何よりも罪深い存在です。

そんなことを承知したうえでなお、自然の生き物が命を全うし、子孫を残していくということの厳しさと尊さを、改めて教えてもらった2か月でした。

俺はあの小鳥たちのように、命がけで生きているか? そう思うたびに、自分が情けなくなる2か月でもありました。

年甲斐もなくセンチメンタルな文章でスイマセン。

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