大学納豆の製法紹介にあったコレラ菌の記述が気になり、またまた調べものにふける。
今日はかなり固いですよ。。

抗菌作用についての論述でもっとも古いのは、昭和4年の東京大学武藤氏。チフス菌と志賀菌(赤痢菌のことです)に対して有意な抗菌作用があるとの報告が「納豆の細菌学的研究」に載っています。
これに続いて、江口氏、神代氏による昭和6年の「B型パラチフス菌保有者の一治験」が続きます。掲載誌は「海軍医誌」。
海軍さんが納豆の研究をしていたんですね!

そして、昭和9年には京都大学松村氏の「納豆菌ノ拮抗作用ヲ慶用セル保菌者治療ニ関スル實験的研究」。
昭和11年に有馬氏による「納豆菌ト赤痢菌トノ拮抗作用ニ関スル實験的研究. 第一報」が「海軍軍艦界軍医会雑誌」に掲載される。
また、海軍さんです。

で、この有馬氏の報告を引用している文献を逆引きしてみたところ、倉敷芸術科学大学須見教授の「納豆の歴史と機能成分」(日本味と匂学会誌vol.14, no.2)に行き当たる。
さて、引用してみましょう。
納豆に抗菌作用があることは我が国で食されてきた長年の経験から認められたもので、江戸時代の食べ物の辞典ともいえる「本朝食鑑」にも、その効果が記載されている。またこの性質が古くは我が国の海軍を中心に納豆がコレラ、チフスの予防に利用された。

ビンゴ!


さすが、現代の納豆博士!
あとは有馬氏の論文の裏取りをすればOKです。