証券優遇税制がいよいよ2013年末に廃止され、元の税率に戻ります。
これによって、株や債券等で得た利益にかかる税率は20%になります。

さて、これについてはどう捉えて、どう対処すべきなのかを考えなければ
なりません。最近の株高のおかげで利益を上げている人も多いと思いま
すので、この問題は贅沢にも悩ましい問題として、年末にかけてフォーカ
スされていくはずです(マネー雑誌で特集を組まれるかも知れません)
またその後に、日本版ISA※1という証券非課税制度も始まるようですの
で、その制度との絡みも出てきます。

※1 日本版ISA
新規投資額で100万円を上限に5年分(通産500万円分)を最長10年に
わたって、配当や譲渡益を非課税にする制度


合理的な投資家であれば、どのように考えるのでしょうか?
因みに私は最初、次のように考えました。

税率が20%に上がる前(10%のうち)に一旦売却(利益確定)して、
その後、日本版ISAを利用して買い戻すことで税金を回避する。

或いは日本版ISAを利用できる期間の前に買い戻したとしても、その
後に発生する利益から20%が控除されるだけだから、やはり税率の
低いうちに売却しておいたほうが良いはずである。

一見、正しい投資行為に思えますが、果たしてどうなのでしょうか?

確かに利益が100万円ある場合、今年中に売却すれば税金は10万
円ですみますが、来年以降に売却すると20万円取られる事になりま
す。差引き10万円もの差があるわけですから、早めに利益を確定し
て、安い税率を享受したほうが良いのかも知れません。
実際に、そのようにすべきと言う意見もネット上でちらほら見かけます。
ブログを運営している方然り、著名なFPの方でもです。
参考としたソースを1つだけ載せておきます。

証券優遇税制打ち切り対策は?
http://www.nikkei.com/money/features/21.aspx?g=DGXZZO49470
25012122012000000



考え方としては上記で間違ってないのかも知れません。
ただ、結論を先に言うと自分は上記の方針を取らないことに決めました。
利益の確定もしないし、売却もしません。つまり現状維持とします。

そもそも何故、投資をしているのか?を見つめなおしてみました。

それについては資産運用規則の第1条に、「家計あるいは日本国がいか
なる経済状況に陥った場合でも、
健全な生活レベルを維持できうる資産
を形成する」
為、とはっきり謳っています。あくまで目的は長期的な資産価
値の最大化であって、短期的に利益を上げることではありません。


バイブルとしている投資本の1つ『投資戦略の発想法2010』の中で著者の
木村剛氏は、投資のリターンを真剣に考えるようになると、税金の話を避
けて通るわけにはいかなくなる。そして、うまく
いけばいくほど税金が気に
なってくる
と述べています。まさに言いえて妙。今、こういう心情に陥ってい
る個人投資家は、私を含めて多いのではないかと想像します。

その後のくだりで著者は次のようにも述べています。

・税制を見ながら、投資を考えること、投資戦略を変えることは邪道である

・株式市場の値動きの激しさに比べてれば、税制のメリットは小さすぎる

そして、「税制の変更があったからといって売買のタイミングを変えるような
ことはせず、投資戦略の王道を歩まなければなりません」
とまとめています。

投資戦略の王道については次のような説明があります。

「投資戦略の王道においては、長期保有が前提となりますから、短期的な税
制の改正に振り回されるものでもありません」

これは私なりの要約ですが、

税制変更の影響など、市場の荒波に比べれば影響を無視できるほど小
さいものであるから、長期投資を決めているのであればガタガタ言わず
に1度買った株は黙って持ち続ける胆力を見せろ!

…と言うことなのではと思います。

またバンガード創設者のJCボーグルも自身の著作の中で、税金繰り延べの
驚くべき価値を次のように述べています。

売却益にかかる税金を繰り延べることがもたらす大きな価値は、一般
的にはほとんど無視されているようであるが、繰り延べられた税金は、
政府が繰り延べ期間と同じ期間、投資家に無利子で貸し付けてくれて
いるのと同じ価値がある(中略)税金が繰り延べられれば、投資家が
ファンドの保有期間を延ばせば伸ばすほどリターンは大きく増加する

できるだけ税金を繰り延べ、元本を減らさずに、複利効果を最大限利用す
べし!ということです。

考えても見てください。
最終的な基準価格が買付け単価と同じで、例えば損益がプラスマイナス
0円だった場合、税金繰り述べ組みは当然利益を出していないので非課
税ですが、今年時点での利益確定組みは10%を先に支払っているわけ
です。最終的に払わなくてもいい可能性があるものに対して、先に確定的
に支払ってしまうことは、果たして合理的なのでしょうか?ということです。
また、売却と買付けにはそれなりの手間もかかりますし、購入手数料はノ
ーロード投信で回避できたとしても、解約時に信託財産留保額がかかって
くるケースも充分に考えられます。

自分の中の結論として、短期的な勝負をする方や、それこそ元本の何倍
もの莫大な利益を抱えている方については、優遇税制中に利益を確定し
たほうが良いかもしれませんが、長期投資や積立投資に徹するのであれ
ば税制に振り回さずに複利効果を信じたほうが、筋が通った投資になると
考えます。

これで自分の考え方は固まりました。
今年は税制変更など気にせずどっしりと構えて、いままでどおり黙々と積立
投資。日本版ISAが始まったら、非課税枠の上限に達することを目標に投
資活動をする
…という流れで行きたいと思います。
ですので、リバランスやリレー投資のためにファンドを売却することはあって
も、税制変更対策のために売却することはありません。

年末にかけて、税制変更対策のために年末にかけて個人投資家が一斉に
利益確定に走るかもしれません。売りの規模にもよりますが、その影響で株
価に下落圧力がかかるでしょう。
でも、結局年初からISAを当て込んで戻ってくるんじゃない?という感じです。

一時的に下がったときに、ごっそりと買い込んで口数を稼いでやろう!という
ぐらいの大きな気持ちで、2013年後半の相場を眺めたいと思います。

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