ギリシャ難民キャンプに降雪 テント倒壊、低体温症も
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ロンドン(CNN) 欧州各地が強い寒波と積雪に覆われ大勢の難民や移民が窮状に陥っている。

4000人以上が身を寄せるギリシャ・レスボス島のモリア難民キャンプは6日に雪が積もり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は9日、テント暮らしをしていた男女や子どもなど120人あまりをホテルに移動させたことを明らかにした。

しかしボランティアによれば、同キャンプではまだ数千人が屋外のテント暮らしを続けている。一方、ギリシャ移民相は5日の記者会見で「寒さの中で暮らしている難民や移民はもういない」と説明。セサロニキ近郊や首都アテネに一握りのテントが残っているにすぎないと述べたという。

モリア難民キャンプでボランティアをしている住民がCNNに提供したビデオには、雪の重みで倒壊したと思われるテントが映っている。レスボス島はこの冬、15年ぶりの寒波に見舞われているといい、「まだ死者が出ていないのが不思議なくらい」と住民は言う。

人道支援団体の代表は、難民の中には冬の装備を持たない人も多く、数人が低体温症にかかっていると話し、「悪天候がかなり長い間続いている。ギリシャは常夏のビーチの国と思われているが、現実は程遠い」と指摘した。

人権団体アムネスティ・インターナショナルの欧州支部はギリシャの島に滞在する難民の現状について「過密状態、寒波、温水の欠如、憎悪に起因する襲撃に直面している」と述べ、難民を島から本土へ移動させるよう訴えている。

UNHCRの報道官も、寒波の到来が迫った6日の記者会見で、エーゲ海の島からギリシャ本土に難民を移動させる対応を急ぐ必要があると強調し、「この週末には各島で気温の低下が予想される」と危機感を示した。

UNHCRによれば、欧州連合(EU)の分担合意に基づいて1月4日までに加盟国が受け入れた難民や、受け入れを予定している難民は約7800人にとどまる。これは昨年、各国が受け入れに合意した6万6400人の約12%にすぎない。

昨年11月にUNHCRはEU援助部門から2500万ユーロ(現在のレートで約30億円)の拠出を受け、冬への備えに充てると述べていた。

しかし国境なき医師団の関係者は、この資金があれば現在のモリアキャンプのような窮状は避けられたはずだと指摘、「これ以上事態が悪化すれば、完全に防止できたはずの死者が出始めるだろう」と予想する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170110-35094755-cnn-int

【コメント】
シリアから脱出したシリア難民が周辺国での難民キャンプでの
低体温症についてアムネスティが警告しています。
やっとシリアも停戦状態になっていますがまだ難民の帰還は
難しいですね。