トルコ軍がシリア越境作戦開始、クルド人勢力に攻撃−リラ下落

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Selcan Hacaoglu

  • トルコ軍部隊が2カ所からシリア領内に侵攻

  • クルド人勢力壊滅なら私はトルコ経済を壊滅させるとトランプ大統領

トルコのエルドアン大統領は9日、シリア北東部への軍事作戦の開始を正式に表明した。トランプ米大統領は3日前のエルドアン大統領との電話会談で、同作戦を妨げない方針を伝えていた。

  エルドアン大統領は「平和の泉」と名付けた同作戦について、クルド人武装勢力を国境付近から排除するほか、過激派組織「イスラム国(IS)」を掃討すると説明した。

  トルコ当局者が匿名で明らかにしたところでは、この日、トルコ軍の小規模前衛部隊がシリアの町、タルアブヤドとラスアルアインに近い2カ所からシリア領内に入った。
  
  トルコ軍によれば、同軍事作戦は現地時間9日午後4時(日本時間同10時)に始まった。

  トランプ大統領と親しく、これまで大統領の政策を支持してきた上院のリンゼー・グラム議員(共和)らはトルコの侵攻を批判。トルコ政府に制裁を科すと警告した。

  エルドアン大統領は、自分はロシアのプーチン大統領と話したが、トルコ軍が侵攻準備をするに当たってプーチン大統領は非常に「建設的」な態度だったと語った。

トルコ・リラ下落

  CNNトルコなどのテレビ局は、タルアブヤド周辺のクルド人勢力が掌握する地域にトルコ軍機が空爆し、地上からは榴弾(りゅうだん)砲で砲撃している様子を伝えた。

  トルコ・リラは同作戦開始後、対ドルで一時0.7%安となった。

Turkey’s Frontline

Erdogan wants to force Kurdish militia away from the border

Sources: Conflict Monitor by IHS Markit, areas of control as of Sept. 30, 2019; Office of the Turkish President

  トルコがシリア侵攻を決めた背景には、米国が今週に入り劇的に政策を転換させたことがある。トランプ大統領は6日、トルコのエルドアン大統領と電話会談し、ISとの戦いでクルド人勢力と緊密に協力してきた米軍部隊を撤収させる方針を表明し、事実上トルコ軍の侵攻に道を開いた。  

  トランプ大統領は9日、米国は中東に「決して展開するべきではなかった」し、「史上最悪の決断だった」とツイート。さまざまなグループが「数百年間も争い続けている」と指摘、「ばかげた終わりのない戦争は、われわれにとっては終わる」と述べ、トルコ侵攻を許した自らの決定を釈明した。

  一方、トランプ大統領は声明で、米国としてトルコのシリア侵攻を支持せず、侵攻は「悪いアイデア」であることを「明確にしてきた」と主張した。

トルコ経済を壊滅させる

  トランプ大統領はまた、ホワイトハウスで記者団からエルドアン大統領がクルド人勢力を壊滅させたらどうするかと問われ、「そのようなことが起これば、私はトルコ経済を壊滅させるだろう」と発言。エルドアン大統領が「理性的に行動する」ことを望むとも述べた。

  米当局者は9日、シリア北部の米軍はトルコ軍が侵攻する中、安全な場所に避難したと語った。これは米軍が対IS作戦も停止したことを意味する。同当局者はシリア北部のクルドの民間人がトルコ軍との戦闘に動員されている兆候があると述べた。

原題:

(トランプ大統領のコメントなどを追加して更新します.)