3a8ab6d1.jpg

米 ぶれる人権外交

2009年3月12日 朝刊

 【ワシントン=岩田仲弘】クリントン米国務長官の人権外交が批判を浴びつつある。国務省は先に公表した年次報告書で、各国の人権状況を厳しく批判しているものの、実際の交渉現場では改善を強く迫ることはなく、方針がぶれている印象を与えているためだ。

 国務省のウッド報道官代行は、チベット動乱から五十年となる十日、「チベットにおける人権状況を深く懸念している」と、中国政府に文化、宗教の抑圧政策を見直すよう求める声明を発表した。同省は年次報告書でも、中国政府の人権対応を「お粗末で悪化している」と非難した。

 一方で、クリントン国務長官は先の訪中で「人権問題が世界経済危機や安全保障協議の妨げになってはならない」と深入りを避けた。

 十日付のワシントン・ポストは論説で、こうしたクリントン長官の外交姿勢は同省にとって「あだ」となり、「米国の人権外交の伝統をおとしめる」と強く批判した。

 ウッド報道官代行は「批判は不当で不正確だ」と強く反発。クリントン長官が中国でエイズ禍の告発者らと会談したことなどを例に、人権改善に向けた「より効果的な方法」を模索していることを強調した。

 背景には、交渉相手に直接改善を迫るだけでは何ら効果が期待できない、との判断がある。ブッシュ前政権との違いを鮮明に打ち出すことで、交渉の間口を広げる狙いもある。

 しかし、このままぶれた印象を与え続ければ、相手に「くみしやすい」と思わせるだけでなく、「二重基準」の批判も免れなくなる可能性がある。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009031202000094.html


【コメント】
アメリカの新政権の人権外交の方針が決まらないようですね。
しっかりした方針を持ってほしいと思います。さもないと
中国政府等から足元を見られますね。