金総書記の秘密資金の調査求める日本人

342850057725503428加藤健氏「北朝鮮住民が飢え死にしているのに」

 日本には金もうけとは関係なく、一つのテーマに没頭する人たちが多い。このような人たちは「オタク」と呼ばれるが、漫画やゲームだけではなく、北朝鮮に関するオタクもいる。通信販売業を営む加藤健氏(40)は北朝鮮の人権問題、特に、金正日(キム・ジョンイル)総書記が海外に隠している秘密資金を公論化することに熱中している。「稼業に使う時間より秘密資金問題に使う時間の方が多い」という。

 

 加藤氏は、ルクセンブルクにあると言われている金総書記の秘密資金を徹底的に調査し、解明してほしいという英文の手紙とメールを、昨年から各国政府や国会議員に送っている。その手紙は数千通に達するという。2006年1月2日付の時事週刊誌『アエラ(AERA)』に掲載された韓国情報機関元幹部のインタビュー内容が事の発端だった。スイスにあった4億ドル(約361億円)規模の金総書記の秘密資金が、ルクセンブルクに移されたという内容だった。

 

 「国連によると、北朝鮮住民900万人以上が飢えているそうです。200万人以上が餓死したといいます。金がなくてそのような状況にあるなら理解できます。核兵器を作る金、秘密資金として隠し持つ金があるのに、国民が飢え死にするなんて信じられますか」

 

 個人的なメールだったが、これまでカナダやイギリス、オーストラリア、ルクセンブルク政府から公式に手紙が返信された。「徹底的に調査する」との内容だった。国会で取り上げられるケースもあった。特に、秘密資金が移動したと報じられたルクセンブルク政府は、「数年間、北朝鮮の違法行為、特にルクセンブルクの金融機関を利用した北朝鮮による違法行為を感知、防止しようという国際的努力に積極的に関与してきた」という具体的な返信を受け取った。加藤氏は先月25日、この手紙を受け取った直後、金総書記の秘密資金問題の公論化を求める記者会見を、東京で開いた。

 

 昨年5月には、シンガポールで運営われていた北朝鮮ファンドの徹底調査を要求する手紙を、シンガポール当局に送った。「その直後に、北朝鮮ファンドはシンガポールから香港に移されました。北朝鮮の違法資金は国際的な警戒対象のため、誰かが関心を持って公論化する努力をすれば、当局が動きます。誰も関心を持たなければ、そのまま放置され、金正日政権を助けることになります」

 

 7年前から中国・チベット問題など国際人権活動を行ってきた加藤氏は、北朝鮮に関心を持つようになったきっかけについて、「日本人を拉致した危険な国だから」と答えた。「英語の実力が他人より優れているから手紙を書いているわけではありません。韓国は日本より英語の実力があるので、一緒に手紙を送るのはどうですか。歴史が変わるかもしれません」

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
http://www.chosunonline.com/news/20100224000032

【コメント】
加藤さんの活動に敬意を表したいと思います。
私たちの会も加藤さんの活動を支援していきたいと
思います。
独裁者の秘密口座は北朝鮮以外にも
ハイチの独裁者の口座など各地で問題に
なっています。圧制で得た資産を
機密管理がされるプライベートバンクでの
個人口座にする姿勢に対して国際的な
取締りの取り組みが必要ですね。

誰のもの?ハイチの元独裁者、スイスの銀行に巨額預金

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

2010年2月21日23時44分

【パリ=国末憲人】ハイチのかつての独裁者ジャンクロード・デュバリエ元大統領(58)がスイスの銀行に持つ資金をめぐり、スイス国内が揺れている。ハイチに返還されれば大地震からの復興に役立つはずだが、裁判所は元大統領側に帰属すると判断。政府は対応に苦慮している。

 スイス政府によると、元大統領の資金は約570万ドル(約5億2千万円)。独裁崩壊後のハイチ政権の求めに応じ、スイスの司法当局は昨年、これを「犯罪行為に基づく資金」と認定して返還を決定した。だが、連邦裁判所は逆に元大統領側の訴えを認め、460万ドルを家族に渡すよう命じる判決を下したことを今月3日に明らかにした。

 スイスの内閣にあたる連邦会議は判決に抵抗し、大統領側に渡らないよう資金を凍結する措置をとった。「スイスの銀行が犯罪組織の資金の逃げ場となってはならない」と説明しており、国際的な批判を避けたい意向があるとみられる。連邦会議は、この種の資金の没収を認める新法の制定も視野に入れて対策を検討している。

 ハイチでは、1957年に就任したフランソワ・デュバリエ大統領が全土に秘密警察網を張り巡らせる恐怖政治を敷いた。ジャンクロード氏はその息子で、71年の父の死去を受けて19歳で大統領に就任したが86年に失脚。現在はパリ近郊に住んでいるといわれる。

http://www.asahi.com/international/update/0216/TKY201002160383.html