July 25, 2009
書評「廃墟に乞う」 佐々木譲
若干酔ってます。
が、
26時間テレビもつまんないのでブログ更新。
続いて佐々木譲さんの最新作「廃墟に乞う」を。
13年前に札幌で起きた娼婦殺害事件と、
同じ手口で風俗嬢が殺された。
心の痛手を癒すため休職中の仙道は、
犯人の故郷である北海道の旧炭鉱町へ向かう。
犯人と捜査員、二人の傷ついた心が響きあう、そのとき…。
いやいやいや、この作家さんは凄みをましてきましたね。
すごい完成度です。
連作短編なんですが、どの短編をとっても面白い!
しかも、どんでん返しやトリックに頼っていません。
人間ドラマが、
しっかりと描かれているんです。
そして、このリアリティ。
リアリティを持たせるのが本当にうまい。
例えば、最終話の「復帰する朝」という短編のなかで、
主人公の仙道が、ある女性と知り合った時期を説明する一文。
単に「19○○年の秋のことだった」とだけ書けば事足りるところ、
「ちょうど日本ハム・ファイターズが日本シリーズで優勝した年の秋ことだ」と表現されています。
これによって、読者は瞬時に、
「ああ、そんなこともあったなあ。あの頃か」と、
自分の思い出と重ね合わせ、
物語を身近に、リアルに感じることができるんです。
気付けばすっかり物語のなかにどっぷりと浸かり、
ページをめくるのを止められなくなっています。
絶対おすすめの一冊。
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1. 「廃墟に乞う」 [ COCO2のバスタイム読書 ] September 11, 2009 01:30
山本は苦しげに息を吐いてから言った。「そうだ。はずみだ」仙道は、不意に自分の肩