September 02, 2009
書評『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月


最近のワイドショー。
酒井法子、押尾学ばっかりですね。
どこを見ても酒井か押尾。
押尾か酒井。

でも、まだ凄惨な事件じゃないだけましかなと。
虐待だのいじめだのサツジンだの、
そこに悪意しか存在しないかのような
凄惨な事件は聞いてるだけで精神的なダメージを受けます。
ましてや、子供がそんな事件を目の当たりにしてしまったら。


忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。
「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。
大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、
ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。
笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、
うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。
「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは。



この本がすごいところは、
しっかりストーリーが面白いことに加え、
読者に深く深く考えさせるところ。
主人公の男の子と一緒に、
人間が人間を裁くということについて、
読者もいつの間にか頭を悩ませます。

今、裁判員制度について賛否両論あるように、
この問題には明確な答えなんか無いんでしょう。
でも、罪がある限りは、
やっぱり罰は必要。
そして罰を与えるためには誰かが裁かなければ。
じゃあ、いったい誰に裁く権利があるの?
なんてことを延々考えてると、
頭がぷすぷすっと音をたて始めますが、
そんな難問にほんのちょっとだけヒントをくれるのがこの作品。
裁判員に選ばれる前に読んでおきましょう。


あ、ちなみに。
メジャースプーンっていうのはいわゆる計量スプーンのこと。
で、ちょっと駄洒落みたいになっちゃうけど、
昔アメリカにジョン・ウィザースプーンっていう牧師・教育師がいて、
その人の教え子から、37人の判事が育ち、その中の3人は最高裁の判事になったそうです。
まめ知識。

書評『鍵のない夢を見る』 辻村深月  祝・第147回直木賞受賞 登場人物のリンクは? 相関図へのリンクあり




taisuke777777 at 17:00コメント(0)トラックバック(1) 
辻村深月 

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1. 人の罪を人が測る:ぼくのメジャースプーン  [ 本読みの記録 ]   September 27, 2009 23:20
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)作者: 辻村 深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/04/15メディア: 文庫 辻村深月の作品を読むのは初めてだったが、本書は読み応え十分。 これだけの作品を作る作者なら、他の本も読んでみたいと強く思わせる力を持った一冊。

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