August 2011

August 19, 2011
結局、ドラマ『謎解きはディナーのあとで』の主演は櫻井翔だった件
「2011年本屋大賞」の大賞受賞作・東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』が、嵐の大野智か櫻井翔の主演でドラマ化との噂がずーーっと流れていた。
どっちが主演なんだろうかと思っていたら、どうやら櫻井翔が正解だったようだ。
お嬢様刑事役は北川景子。
うーん、櫻井翔かあ。。。
もっと冷たいイメージの俳優を使った方がいいと思うのだが。

主演は大野智? 櫻井翔? ドラマ『謎解きはディナーのあとで』


taisuke777777 at 12:44コメント(0)トラックバック(0) 
コラム・その他 
August 14, 2011
書評『サヴァイヴ』 近藤史恵


自転車のロードレースは不思議なスポーツである。基本的には個人競技で、表彰も個人に対して行われる。それなのに、各チームはたった一人のエースを勝たせるために役割分担がしっかり決まっていて、さながら団体競技だ。アシスト役の選手は、エースのために風よけになり、他チームを牽制し、エースの自転車が故障したときには自らの自転車さえ差し出す。
賞金は、チーム内でエースもアシストも平等に分配されることが多いらしいのだが、それでもエースの座を巡って、チーム内でも人間関係の渦が巻き起こる。
そんな自転車のロードレースの世界を舞台に、ミステリーを描き続けているのが近藤史恵氏だ。『サクリファイス』に始まるシリーズでは、ロードレースチームの内部の独特な人間関係を、見事にミステリーに仕立てている。『サヴァイヴ』はこのシリーズの最新刊である。

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。

本作は連作短編集。これまでのシリーズ2作品が、白石誓という選手を主人公に据えてきたのに対し、本作で白石が主人公になっているのは始めと終わりの一編目ずつだけである。他の短編では、白石がかつて日本のチームで活動していた時代(『サクリファイス』の時代)のチームメイトが描かれている。特に注目なのが、『サクリファイス』時代のエース石尾とベテラン選手赤城の関係を描いた3篇。『サクリファイス』を読んだことがある人なら、この二人の名前にも見覚えがあるだろう。特に石尾は『サクリファイス』のキーマン的存在だ。彼らの現役時代の姿を、ふたたび目にすることができるのだから、このシリーズのファンにはそれだけで堪えられない作品だ。
チームのエースというのは独特の雰囲気を持っているものだ。独裁者のような雰囲気を持つエースもいれば、人を寄せ付けない孤高のエースもいる。どんなに嫌われているエースでも、アシストは彼を勝たせるために、自分の身を犠牲にしなければならない。本作では、あの石尾が、どのようにエースに上り詰めていったかが、アシストである赤城の目を通して描かれている。
若く、そして人付き合いも苦手な石尾が、エースになっていく過程には、さまざまなドラマが生まれる。かつてのエースとの確執、チームメイトの妬み。それでもアシストはエースのために犠牲になり、エースはペダルをこぎ続ける。
ロードレーサー以外には、理解できないこの独特な世界。だが、そこに生まれるドラマは、どこか人生の縮図のようだ。だからこそ、世界中の人々がこの競技に熱狂するのかもしれない。
自分がもしも「アシスト」だったら、「エース」だったらと立場を置き換えて読んでみてほしい。そして人生において、自分は「アシスト」になりたいのか、「エース」を目指したいのか。あらためて考えさせられる作品だ。

書評『サクリファイス』 近藤史恵

書評『エデン』 近藤史恵




taisuke777777 at 11:25コメント(0)トラックバック(0) 
近藤史恵 
August 04, 2011
書評『グッバイ・ヒーロー』 横関大


私は宅配のピザが嫌いだ。特にあの周りの分厚い生地の部分。さすがに子供みたいにミミだけ残したりはしないが、あそこを食べるのはもはや苦痛でしかない。だからここ何年も、宅配ピザを注文したことがない。
と、思っていたら、そこに具材やチーズを詰め込んだピザもあるらしい。さらには、宅配とは思えないほど本格的な美味しいピザを宅配してくれる業者も。これは一度頼んでみなければ。
と、いうようなことを考えたのも、この本を読んでしまったから。
横関大の『グッバイ・ヒーロー』である。

「困っている人がいたら助けなければいけない。それが俺のルールなんだ」―ピザと音楽を愛する人気配達人“亮太”と、立てこもり事件の人質“おっさん”が運び届ける、謎と絆の物語。

著者の横関大は、『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞している。なんだか相撲に関係ありそうな名前であるが、元力士ではない。
主人公の亮太は、ピザ配達のバイトをしながら、デビューをめざしてバンド活動に明け暮れる日々を過ごしていた。配達先でトラブルに巻き込まれることもしばしば。そんなある日、立てこもり事件の現場にピザを届けるハメに。そこで人質の「おっさん」と出会い、さらに大きなトラブルに巻き込まれていく。
本作はあくまでエンターテイメント作品である。だから、あまり細かい矛盾は指摘してはいけない。突っ込んでいてはキリがないのだ。
そもそも、事件に巻き込まれるきっかけからして無理がある。ピザを配達した先で、いきなり警察に拉致され、立てこもり事件の現場にピザを届けることを強要される。そんなことが現実であるわけがないのだが、こんなところで引っかかっていては物語は進まない。その先も、無理のある現実味のない展開のオンパレードなので、寛大な心で読み進める。
そうして、いろいろな強引さや矛盾に目をつぶって読み続けた人だけが、このラストにたどり着ける。そう、今まで悪いところばかり書いてきたこの作品、ラストはなかなかのものなのだ。ラストまで読んでみると、まあこの強引な展開も仕方ないのかな?と思えてくるから不思議だ。
そして、この作品のなによりの長所は、読むものを温かい気持ちにさせてくれるところ。あったかいピザを注文して、寛大な心でゆっくり読むべし。


江戸川乱歩賞受賞作品一覧

taisuke777777 at 22:40コメント(0)トラックバック(0) 
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