台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)BLOG

日本の得がたい友邦にして生命共同体である台湾との関係強化や、中国拡張主義への対抗を訴える言論活動を展開する台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)の主張、活動情報などを伝える。

評論

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野球、サッカーの日台戦で「台湾は台湾!チャイニーズタイペイではない!」

台湾の台中では八月三十一日、野球U18(十八歳以下)アジア選手権の日本・チャイニーズタイペイ戦が行われた。

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台湾での野球日台戦では大学生らが掲げた横断幕。「台湾就是台湾」(台湾は台湾だ)とあ
るが、これが主催者によって強奪される事件が


この「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)とは言うまでもなく、中国の圧力に屈した国際オリンピック委員会(IOC)が台湾選手に対し、国名代わりとして使用を強要する呼称である。IOC公認の国際競技連盟傘下にある各国の国内競技連盟(NF)も、この所謂IOC方式に従い、今回のようにたとえ台湾国内での試合であっても、この虚構の名称を用いなければならないのだ。

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「侍ジャパン」のサイトも台湾を「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)と呼んでいる

しかし「中国領台北」は、いくらな何でもひどすぎる。そこで台湾国内の台湾独立運動勢力は、試合会場で「台湾就是台湾」(台湾は台湾の意)、「TAIWAN IS NOT CHINESE TAIPEI」などと書かれた横断幕を広げ、観戦を行う活動を続けている。

「台湾」の名で自国選手を応援しながら、あわせて「台湾は台湾だ」との真実を、テレビ中継を通じて内外に伝えるというわけだ。そしてこの日も横断幕が掲げられたのだが、ここで異変が起った。

試合開始前に大学生らが、大会を主催するチャイニーズ・タイペイ野球協会(CTBA)のスタッフにより、掲げ持つ横断幕を強奪された上、会場から排除されたのである。

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会場スタッフに没収された横断幕

CTBAの言い分は「IOCが政治的スローガンを掲げるのを禁じている」。しかしその乱暴な措置に批判が集まり、CTBAは謝罪を余儀なくされた。

このように、「チャイニーズタイペイの名を台湾に」と訴える台湾の人々の前に先ず立ちはだかるのはIOCや中国ではなく、台湾のNFなのである。

この国のNFの多くは、中国に迎合して「一つの中国」原則を掲げる国民党の影響下に置かれている。CTBAの理事長も国民党の前立法委員だ。「チャイニーズタイペイ」の名に痛痒など感じていないばかりか、むしろ「台湾」よりマシと思っているところではないか。

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台湾の国内競技連盟(NF)のトップの多くは国民党員。「チャイニーズタイペイ」の名に痛痒など感じていない
はず


このように、こうした壁を打ち破ることが、この運動の課題となっているところだが、しかしすでに「前進」は見られる。翌九月一日に台北で行われたチャイニ―ズタイペイサッカー協会(CTFA)主催の日台交流戦でのことだ。

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サッカー日台戦での活動呼び掛け

この日、CTFAは「今日の試合は中華民国旗、日本国旗、チャイニ―ズタイペイ五輪委員会旗以外の旗の持ち込みを禁じる」との緊急ルールを作り上げ、スタッフが会場入口前で横断幕の持ち込もうとする群衆の入場阻止を試みた。

実はCTFAは六月、高雄で行われたアジアサッカー連盟(AFC)主催の試合で、台湾独立派が用いる緑の台湾旗が観客席に持ち込まれたのを阻止しなかったというだけで、AFCから罰金を命じられた経緯がある(AFCには中国の圧力が働いたのではないか)。そこでここまで過剰な反応を見せたのではないか。

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これらの旗以外は持ち込み禁止だとする規則まで作る過剰警備ぶり

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「この競技場には戒厳令が敷かれているのか」と過剰警備を批判する横断幕も

「CTFAはそんなに台湾の名が嫌いなのか」。そう叫びながら人々が入場を強行突破。これでCTFAも抵抗を諦めた。おそらく全国から批判を浴びるのを恐れ、自己保身に出たのだろう。

これは一つの勝利、前進である。近年における台湾を愛する国民の声の高まりには、国民党勢力もいまや為す術を失っているところだ。

しかし、敵もさるもの。そもそも自己保身に汲々とする者は、しばしば姑息な悪知恵を働かすものである。横断幕がテレビ中継で映し出されないよう、この人々をテレビカメラの附近に誘導し、座らせたのだった。

もっとも彼らの活動はメディア各社によって報じられ、その憂国の活動はさらに全国の人々の知るところとなり、感動、共鳴の声もさらに高まったはずである。

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「台湾はチャイニーズタイペイではない」。このスローガンに多くの台湾国民は感動しているはず。そして
それだけに、台湾人の覚醒を恐れる中国を慌てさせているはずだ


さて、日本でもJOCやNFが台湾を「チャイニーズタイペイ」と呼称することにこだわるが、それはIOCのルールに忠実であるという日本人の真面目精神の発露だけではないと思う。

私はこれまで彼らに対して、何度も台湾の呼称問題を提起して来たが、聞く耳を持たないというか、思考を停止してしまっているというか・・・。とにかくこちらも保身心理が強烈に働いているのだ。「チャイニーズタイペイ」という名を押し付けられる台湾の人々に対する同情心など、ほんの一かけらも感じさせなかった。

政治問題に関わりたくないと言わんばかりだったが、ここではっきりと言いたいのは、「台湾」は政治スローガンなどではない。「チャイニーズタイペイ」こそが中国の政治宣伝の生み出した政治用語なのであるということだ。スポーツの政治的利用に反対する日本人は全員がこの呼称の使用に反対しなければならない。

なお最後に、今回台湾では二日連続で運動が行われた訳だが、いずれも日台戦の会場においてだった。彼らは「台湾は台湾だ」との声を日本にも送り届けようともした訳だが、その時はおそらく「日本人なら我々の思いを理解するはずだ」との期待が抱かれていたと思う。なぜなら、台湾人とは日本を信頼する傾向が強い民族だから。

日本民族の名誉のため、その期待を裏切ることだけはしたくない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

ネット署名「チャイニーズタイペイを台湾に」 
http://chn.ge/1Q4zVg4

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台湾紙で慰安婦の真実を訴えた

ブログ「台湾は日本の生命線」より転載

台湾紙で慰安婦の真実を訴えた 

2015/06/08/Mon
■台湾教科書問題―大中国史観から派生する抗日史観

国民党の馬英九政権下の台湾では、かつての同党独裁時代さながらに、中国人化の洗脳教育を復活させるべく、大中国史観に基づく高校用歴史教科書が今年九月の新学期から使用される見通しだ。

昨年突如として歴史教科書の学習指導要領(課綱)の大幅改定が密室作業で行われた結果である。台湾は中国の領土の一部だとの虚構宣伝を生徒に刷り込むため、台湾史を強引に中国史の一環と位置付けるわけだ。むろんそこには、数々の歴史捏造が伴うことになる。

ちなみに、すでに日本でもたびたび報道されているように、課綱は日本時代に関しても、批判的な記述に切り替えるよう指導している。大中国史観からは当然の如く、抗日史観も派生するのだ。

たとえば従来の教科書は史実重視で、当時を台湾の近代化建設の時代とも位置付け、公正な評価を行って来たのだが、課綱はそれを改め、台湾人に対する圧迫、搾取の時代と強調したり、戦時中についても「大東亜共栄圏の構想」を「大東亜共栄圏の侵略構想」に、そして「慰安婦」を「婦女子を慰安婦にする強制」などと書き換えるよう求めている。

■台湾の「強制連行」否定論者を「皇民」と罵る中華民族主義者

現在、こうした時代逆行の動きに対し、野党をはじめ、全国の教員、そして高校生までもが反対の声を上げているが、そうした中の六月三日、野党の台湾団結連盟(台連)が驚くべき事実を暴露した。

「驚きべき」とは言っても、国民党の中国化政策が、中共の意向に沿ったものであることを思えば決して不思議ではないのだが、要するに学習指導要領の改変を主導した学者たちの多くが、中共に繋がる中国統一団体の関係者、つまり偏執的中華民族主義の活動家たちであることが明らかになったのだ。

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高校用歴史教科書の中国化を主導するのは中共に繋がる在台中国人たちだった。
この事実を説明する台連の黄昆輝主席


そのリーダー格に王暁波という学者がいるが、自由時報によると、これが台連に激しく反撥した。

「(慰安婦問題は)強制だったと改めたことに反対なら公開討論に応じよ。私は自分の首を賭けるから、台連も武士道精神に基づき切腹覚悟で応じよ。果たしてそれができるか」と。

この挑発は、台連が昨年、課綱の改定を非難する中で、「慰安婦が一〇〇パーセント、強制だったとする証拠があるのか」などと批判したことを受けてのものだろう。

「武士道」云々は、台連を日本に媚びる狗と位置付けた上での茶化しだ。もちろん台連は
日本に媚びているのではなく、史実を追及しているだけなのであるが、中華民族主義にかかれば、日本の台湾統治を全面否定しない者は「親日」「媚日」「皇民」「殖民地美化」の漢奸となるわけだ。

■日本人として歴史の真相を伝えなくてはならない

ちなみに王暁波は、中国統一派の政論雑誌「海峡評論」の創始人、編集者にして、同派の連合組織である中華両岸和平発展連合会の創始人。台湾が中国の一部であることと強調するためなら歴史の歪曲、捏造も厭わない大学教授だ。七〇年代初め、国民党が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのを受け、政治活動に目覚めたという激越な中華民族主義者である。

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王暁波。過激な中華民族主義者だ

慰安婦の歴史に関しても、正しいのは王暁波ではなく、台連であることは言うまでもない。

だが台湾国民は、それをどこまで理解できるだろう。自由時報の読者の中にも、自信満々で公開討論を呼び掛ける王暁波の主調こそ正確だと誤解する人々は数え切れまい。

そこで私は、日本の官憲による強制連行はなかったとの史実を台湾国民に伝えねばとの思いから、自由時報の読者投書欄に投稿することにした。

もっとも台湾でも、強制的に慰安婦とされたと証言する女性たちがおり、多くの国民が彼女たちに同情を寄せている。果たしてこのような物議を呼びかねない文章を自由時報は採用するだろうか。

また仮に掲載されても、多くの読者が私を誤解する恐れもある。つまり自国の歴史を美化したいだけの見苦しい日本人だと。

だがすでに台湾人が歴史の真相を訴えているのだ。私も日本人としてそれをやるべきだと考え、六日に一文を認め、投稿した。そして翌七日、果たしてそれが掲載された。

■史実を史実と理解した台湾のメディアに感動味わう

以下がその日本語訳だ。タイトルの「吉田清治 王暁波」は、自由時報が付けた。


吉田清治 王暁波  

◎永山英樹

日本にはかつて慰安婦という悲哀の歴史があるが、日本人として言うべきことは言わなくてはならない。
自由時報の六月四日の報道によれば、課綱審査グループの主任である王暁波は「もし台連が、我々が慰安婦について『志願』から『強制』としたことに不同意なら、私は全責任を負い、自分の首を賭けて公開討論を行う。台連も武士道の切腹精神に基づき、それに応じてほしいのだが、果たして台連にそれができるか」と強調した。
日本の政府、軍隊が慰安婦を強制連行したという問題は、朝日新聞が一九九一年以降、強制連行に関わったと自称する吉田清治の八〇年代の証言(吉田証言)を散布し、韓国国内で様々な風説が広がって惹き起されたものだ。
その後の一九九五年、吉田は自分の証言が彼の「創作」(捏造)であることを認め、朝日新聞も昨年ついに誤りを認め、謝罪した。
また、一九九三年の河野洋平内閣官房長官が発表した談話(河野談話)が、日本による韓国での慰安婦の強制連行を認め、謝罪した問題もある。現在日本政府は韓国や中国との関係悪化を懸念し、この談話を放棄していないが、河野の行為が何ら根拠もない、韓国政府に迎合しただけの政治的作文であることはすでに実証されている。
そのため、日本国民の中にも大勢の「王暁波」(理性を欠いた反日学者、知識人)はいるが、彼らですら慰安婦は「強制」だったと主張、宣伝することはできなくなっている。
もし台連に暇があれば、どうぞ公開討論に応じ、王暁波に首を差し出させて下さい。
(台湾研究フォーラム会長)


この一文が掲載され、私はやはり台湾の人々は史実を史実として理解できるということに、改めて感動したのだった。

■大中国史観の横行は台湾国民にも迷惑

この拙文は投書欄のページの一番上に飾られた。しかも見出しの文字はページ中最大。この短文のテーマ、内容は重視されたように思える。

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周辺国のメディアが慰安婦の真相を訴える投書を採用、掲載したことは特筆に値する

自由時報は台湾の朝刊中、発行部数はダントツ一位。多くの読者の目に止まったと思うが、問題はその反応だ。同紙電子版にはコメント欄があり、内容に理解を示すものもあれば、批判もあった。批判文は台連を「日本皇民党」と罵るなどしており、おそらく中華民族主義者が書いたと思われる。

フェイスブックでも二人の台湾人が拙文をシェアしているのを見かけた。一人は歴史研究家で、「よく書いてくれた。これでさらに王暁波を批判できる」とのコメントを添えていた。

さて馬英九総統は三日、台湾発の慰安婦記念館を開設する意向を明らかにしたが、これもまた大中国史観に基づく抗日史観拡散の動きなのだ。

これを受け菅義偉官房長官は五日の記者会見で、「そうした動きが本格化するようであれば、さまざまなルートを使ってわが国の立場を説明し、(設置を)取りやめるよう詰めていきたい」と述べた。

台湾に対するこうした努力は有効である。こうした行動の積み重ねによって台湾国民の内、歴史の真相を理解できる者は理解することになるからだ。

逆に拱手傍観すれば、馬英九をはじめとする中華民族主義者たちは今後も歴史捏造を恣にすることだろう。

それは台湾国民にとっても迷惑な話だ。逆に日台分断、台湾併呑を目指す中共は大喜びする訳だが。


【過去の関連記事】

「反日」捏造が再び―台湾の歴史教科書が危機!(上) 14/01/30
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日本統治の不法化は中国人化教育―台湾の歴史教科書が危機!(中)14/02/02
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洗脳教育は台湾抹殺の前奏曲―台湾の歴史教科書が危機!(下)/附・「台湾チャンネル」関連解説動画
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戦う台湾の高校生!歴史教科書問題で国民党政権(中華民族主義)に立ち向かう 15/06/06
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2575.html

台湾人と中国人の異なる歴史観―なぜ台北市長は台湾総統の握手を拒否したか

「台湾は日本の生命線」より転載。


■産経が報じた二・二八虐殺事件の追悼式

産経新聞は二月二十八日、「台湾2・28事件式典で台北市長、馬総統と握手拒否」と題する記事を配信した(紙面掲載は三月一日)。

次のような内容だ。

―――中国国民党政権が台湾住民を弾圧した1947年の「2・28事件」から68年の28日、台北市内で追悼式典が開かれ、遺族代表として初参加した台北市の柯文哲市長が、国民党の馬英九総統との握手を拒否する場面があった。

―――柯市長は祖父が事件の犠牲者で、式典には父母も参加。あいさつでは涙を流し、「(事件は)今日まで社会の分裂をもたらし、柯家3代や多くの被害者家族の苦しみを生んだ」と何度も言葉を詰まらせた。

―――馬総統は「事件の教訓は忘れない。台北市には中央と協力して社会の和解を進めてほしい」と訴え、柯市長のあいさつの後と式典後の2度、握手を求めたがいずれも拒まれた。

馬英九氏はこれまでも懸命に「和解」を求め続けてきたが、それではなぜ柯文哲氏は握手を拒否したのか。本人は後に「手が汗をかいていたから」と説明したが。

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■二・二八事件―なぜ台湾人は中国人に反抗したか

まず二・二八事件とは何かだが、記事はこう説明する。

―――事件は47年2月28日から台湾全島で起きた国民党統治への抗議行動。行政院(内閣に相当)は92年、武力弾圧などによる犠牲者を1万8千~2万8千人とする推計を公表した。

もう少し詳しく解説しよう。

当時なぜ抗議が起こったかと言えば終戦後、一年以上に及んだ「国民党統治」が戦争勝者の略奪支配だったからだ。日本統治下の合理的な法治社会は不条理な人治社会へと一変し、前近代的な思想、習俗を持つ中国人が近代文化を持つ台湾人を抑圧したため、起こるべくして起こった全島的な反乱だった。

台湾人の指導者層はただちに事態の収拾に掛り、台湾人の自治を要求。国民党はそれに受け入れるふりをして蒋介石に精鋭部隊の急派を要請。かくして中国軍が上陸し、無差別虐殺、清郷(シラミ潰しの住民検挙)を行った。人々は虫けらのように扱われ、何人が犠牲になったかも記録されなかった。「1万8千~2万8千人」という数値はあくまで事件前後十年の人口統計から割り出された。

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事件は国民党によってタブーとされ、同党の残虐さを目の当たりにした住民は、民主化時代が到来するまで、それを口にすることもできなった。

■社会の分裂に言及した台北市長の涙のスピーチ

「祖父は師範学校卒業後、小学校の教師となった。事件当時は清郷を受け、知識人と言うことで逮捕され、暴行を受け、出獄後三年間は寝たきりとなり、そして亡くなった」

式典で遺族代表として挨拶に立った柯文哲氏は、嗚咽しながらこう語った。

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遺族代表として嗚咽しながらスピーチする柯文哲・台北市長

彼の祖父は事件当時、反抗には加わらず、逆に所謂「外省人」(中国系)を匿ったのだが、その者が裏切って密告したため、捕えられたのだ。

「一九四七年という悲しみの時代に、多くの台湾人は家族や友人を失い、台湾社会に恐怖心が長期間植え付けられた」と、事件後の社会状況を振り返り、「人と人との間に冷たい壁が作られ、今も社会は分裂している」とも述べている。

今も続く台湾人と外省人との、主に政治面における心理的な対立を指摘したのだろう。

「私の台北市長選への出馬に父は当初猛反対した。『私は二・二八事件で父親を亡くした。だから息子まで奪われたくない』と。この言葉を聞き、私はこうした台湾の状況を次の代に残したくないと考え、立候補を決意した」

「真相が明らかにされれば許すことができる。許すことができれば和解が生まれる。和解されれば平和が訪れる。歴史の悲劇を再来させないこと。これが我々の代の責任だ」

■中国人との「和解」を受け入れらない遺族の思い

涙のスピーチを終えた柯文哲氏に、馬英九氏(外省人)がいたわりの握手を求めた。しかし柯文哲氏はそれを拒否した。

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馬英九総統の差し出す手を握らなかった柯文哲市長

その後、馬英九氏が登壇。

「事件当時の衝突はすでに歴史となった。中華民国政府はみなさんとの努力の末、真の意味での民主政府となった。しかし私達は永遠に事件の教訓を忘れてはならない。歴史を繰り返してはならない」

こう述べた上で柯文哲氏に、「台北市は中央政府とともに社会の和解を進めてほしい」と訴えたのだ。

そしてその後、再び握手を求めたが、柯文哲氏はそれも拒否した。

「衝突はすでに歴史となった」と強調する馬英九氏の姿勢を、受け入れなかったのではないか。「和解」にはまず事件の「真相」究明からだと考えているのだから。

国民党政権はまだ、事件の真相に関する多くの資料を公開していない。事件の元凶とされる蒋介石の動きを示すものを含めてだ。

■社会分裂の原因は台湾人より外省人勢力

昨年のこの日、世新大学の王暁波教授(外省人)が事件の犠牲者数に触れ、「小さなケース」だと述べて波紋を呼んだ。この人物は馬英九政権による歴史教科書の「中国化」(大中国史観の導入)政策を受け、学習指導要領修正を指揮した人物である。

こうした事件への反省なき歴史観は外省人にしばしば見られ、そのような意識、認識の差異も「社会の分裂」の原因となしている。しかし国民党を中心とした外省人の政治勢力には、事件の「真相」究明にこだわる台湾人勢力こそが「分裂」の原因であり、「和解」を妨げていると強調する傾向がある。

報道によれば柯文哲氏の握手拒否に対し、国民党内部からは「馬英九氏は敢えて『外省人に生まれた罪』を背負っている。失礼だ」との声があるというが、それもそうした台湾人批判なのだろう。

しかしそのような状況だからこそ、馬英九氏がいかに事件に反省の意を表明しても、多くの台湾人は、その真意を疑っている。

■台湾の未来のために握手を拒否した

柯文哲氏は挨拶の中で、次のようにも語っている。

「祖父は皇民であれ国民であれ、それは自分が決めたものではなく、一人の真面目で分をわきまえた台湾人に過ぎなかった」と。

これは台北市長選挙中、ライバルの国民党候補陣営から、日本時代に教員だった祖父は「皇民」であり、柯文哲氏を「皇民の孫」と罵られたことへの回答と言えるだろう。

言うまでもなく「皇民」とは、日本時代の日本国民のことを指す。そしてその呼称には、外省人の台湾人への最大限の侮蔑、憎悪が込められている。国民党は台湾支配当初から、台湾人を日本の奴隷教育を受けて漢民族文化を忘れた者どもと看做し、侮蔑、憎悪してきた。

それには中国伝統の愚民統治しか知らない同党の、近代的な文化に染まる台湾人に対する恐怖感もあった。だからこそ同党は二・二八事件後、その原因として「共産党の煽動」とともに、「日本の奴隷化教育の影響」を挙げ、台湾人鎮圧を正当化していた。

しかし「日本教育の影響」という見方は決して誤りではない。実際に台湾人は「皇民化」(近代国民化)していたからこそ、中国人の不合理な支配に憤り、その不正を糾そうと立ち上がったのだ。もっともその「影響」のために、法治の観念から行政長官の自治実現の約束を信用し、野蛮な軍隊に蹂躙されたわけでもある。

中国人の台湾人に対する侮蔑、憎悪が改められない限り、台湾に「和解」も「平和」ももたらされない。そしてそれが改められない限り、国民党による中国への「売台」の可能性も払拭されない。

式典では「政府に公平正義があって社会に和解がもたらされ、国家の将来が保証される」とも訴えた柯文哲氏。彼には国家の未来のためにも、馬英九氏との握手を断ったのだ。

日本航空の清々しい対応―機内誌掲載の「台湾入り中国地図」の修正を約束

ブログ「台湾は日本の生命線!」より 
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2430.html



■台湾を中国の一部とした日航機内誌
 

このほど私は「頑張れ日本!全国行動委員会」の沖縄視察ツアーに参加し、九月六日に日本航空の羽田発・那覇行きに搭乗。そこで開いた機内誌「スカイワード」の記事についてだ。

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百三十から百三十一頁にかけ、「日中航空定期便路線開設40周年/その翼に、夢と希望と友情を乗せて」という記事があった。中国との間で初の定期便を開設したなど「両国の交流に大きな役割を果たしてきたJALの日中友好40周年のあゆみをご紹介」するといった内容で、最後に「日中友好の翼であり続けることーーーそれはJALの変わらぬ願いです」と結ぶあたりを見ると、中国に見てもらうために書かれたものだろうか。今時「日中友好」を自慢しても、褒めてくれる国民はあまりいない。

しかしそれはともかく問題に思ったのは、両ページにそれぞれ描かれた東アジアの地図なのだ。

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百三十頁の地図は日本と中国をジャスミン色で塗り、周辺の第三国であるロシア、南北朝鮮は無色だが、同じく第三国である台湾だけはジャスミン色が付けられている。つまり台湾を中国領土としているのだ。

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日本航空は本当に台湾を中国の一部と思っているのか。

■台湾人乗客には見せられない

百三十一頁の地図になると日本は浅い黄緑、中国は浅い緑みの黄色で、第三国は無色だが、台湾には案の定、中国と同じ色が塗られている。しかしよく目を凝すと、台湾は中国よりわずかに色は濃くなっているのがわかる。

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つまり日航は台湾と中国とを別々の国と認識しているわけだ。

しかしそれでありながら台湾を第三国として無色とはぜず、中国と同じ色を着けた。あるいは同じ色に見えるようにした…。

なぜこのようにしたかと言えば、もちろん中国に見せるためだ。「中国の主張に従っています」と伝えたいのだろう。

言い方を変えれば、中国と台湾との色分けで中国から批判されるのを恐れたのだ。

そう言えば日航は二〇〇七年、機内誌掲載の地図に尖閣諸島の魚釣島を描いた際、中国である「釣魚島」と記さなかったため、中国の税関で機内誌が没収されている。

「友好」企業の日航に対しても、このような仕打ちを加えるのが中国と言う国なのだ。その中国の不条理な圧力を恐れ、日航は台湾人を侮辱してしまったわけだ。

これら地図を見た私は乗務員に「日航は台湾便を飛ばしているか」と尋ねると「はい」と答える。そこで機内誌を開いて見せ、「このようなものを台湾人のお客さんに見せていいのか」と聞くと、何も知らないでいた乗務員はびっくりし、平謝りで「このことは必ず本社に伝える」と言っていた。

私自身も機内備え付けのコメントカードに機内誌の即時回収要求を書いて提出した。

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■予想以上の迅速な対応

中国への配慮で、こうした捏造地図を用いるのは日航だけではない。NHKを含むマスメディア各社も同様で、これまで私はそうしたものに抗議と訂正要求を繰り返してきた。だが多くは地図の誤りを認めながらも訂正を拒否したり、二度とやらないと誓いながらもやがて約束を反故にしたりするのである。要するにそれほど中国が怖いわけだ。

そのため日航も、あらゆる手で責任逃れを試みるに違いないと予測した。そこで計画したのが「JALボイコット運動」だ。日台両国民に一斉抗議を呼び掛けようと考えたのだ。

八日午前、日航機で東京へ戻る「頑張れ日本」沖縄視察ツアーのメンバーたちが早くも呼応してくれた。大勢で乗務員に抗議をしたと聞く。

さてその日の午後のことだ。他のメンバーより遅い日航機で東京へ戻る私は、水島総幹事長、三輪和雄常任幹事らとともに那覇空港に入り、搭乗手続きを終えると、日航の沖縄空港所長が待ち構え、地図の訂正を行う旨を告げてきた。詳しくは羽田で機内誌を担当する宣伝部の部長が説明するという。

そして羽田に着くと、果たして宣伝部長が機外で待っており、我々三人を空港内の一室に通した。

その人によれば地図はすでに修正の準備をしており、遅くとも二十二日には機内誌を差し替えは完了するという。予想を超えた迅速な対応だった。

■他の企業も日航を見習うべき

ちなみに、どのような修正かというと、記載されたすべての国を無色にするのだという。

案の定だった。これまでもメディアなどが同じことをやって来た。そのようにすれば台湾は中国の一部には見えなくなるし、それと同時に台湾と中国とを分離したと中国から批判されることもない。

私は宣伝部長にそう伝えながら、「やはり中国には配慮しなければならないのか」と聞くと、申し訳ないといった表情で、深く頷いた。

そこで「日航は日中友好を強調するが、何が『友好』であるかは中国が決めるものだ。そしてあの国の中国侵略政策を正当化するための『台湾は中国の一部』と言う政治宣伝を日航が受け容れることが『友好』ということになってしまう。日航はその点をよく考えてほしい」と訴えると、部長は再び大きく頷いた。

しかし我々三人は、今回の日航の対応を良しとした。誠意を精一杯見せているのが理解できたからだ。

これまで散々、中国に迎合するあまり良心すら捨てて恥じないメディアを見てきただけに、とても清々しい思いがした。

同様の地図を掲げる他の企業もまた、これに見習うべきだろう。

■追記

なお百五十六頁の「JALグループルートマップ」に載る東アジア地図では各国の国名が青字で書かれているが、台湾には国名はなく、小さな黒字で「台湾」と書かれている。これは日本政府がここを国と認めていないため、そのような「地域名」を記したものだ。しかし同じく国と認めていない北朝鮮については「朝鮮民主主義人民共和国」と国名が記されているため、台湾も同じように「中華民国」とするか、台湾と同じように北朝鮮は「北朝鮮」との地域名を小さな字で書くように求めた。

JAL機内誌5

あるいは、帰属先未定である南樺太だけは色が抜かれているため、それと同様に帰属先未定である台湾からも色を抜くべきだとも提案した。

これらについてはどう対応するのかは検討するというのみで、回答はなかった。

“東京五輪で「チャイニ―ズタイペイ」は見たくない”と台湾国民に訴えた

「台湾は日本の生命線」より

五輪では「チャイニ―ズタイペイ」の名でしか参加できない台湾代表。そのため「チャイニ―ズタイペイ」が正式な国名、地域名だとの誤解が事実として世界に広まりつつある。二〇二〇年の東京五輪でも、彼らがどんなに祖国のために奮闘しても、中国に配慮する日本のマスメディア(特にテレビ局)から「チャイニーズ」と呼ばれ、「台湾は中国の一部」との印象がますます日本国民、そして世界の人々に抱かれてしまうという、不条理な仕組みである。

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「チャイニーズタイペイ」の名でしか国際競技大会に出られない台湾代表。9月上
旬に日本で開催された女子バレー世界選手権予選でも、中継したTBSはその
名を連呼していた


そこで日本国内で「チャイニースタイペイ」追放の言論を広げていきたいと思うのだが、一番「効率的」なのは、やはり台湾国民から声を上げてもらうことである。私はそれを呼び掛けるため、台湾紙「自由時報」に投稿したところ、九月二十二日に掲載された。

以下はそれの日本語訳である。

原文(自由時報)→http://www.libertytimes.com.tw/2013/new/sep/22/today-o5.htm



自由時報投稿20130922 1234619_10200118660803341_1542225130_n
台湾人の奮起を求める一念で投稿した

東京五輪で「チャイニ―ズタイペイ」は見たくない

◎ 永山英樹

二○二○年の夏季オリンピックの開催都市が東京と正式に決定した。その時に至れば、我々台湾研究フォーラムは友邦台湾の選手への応援を広く呼び掛けるつもりだが、しかし台湾代表が「チャイニ―ズタイペイ」の名で参加するのは望まない。なぜなら多くの日本人が共産中国(※)の「台湾は中国の一部分」という宣伝を鵜呑みにするのが心配だからだ。

そこで我々は呼称を「台湾」に改めるための啓蒙運動を呼び掛ける計画である。民間の力でIOCの規則を改変することはできないが、しかしメディアを含む日本人がそれに従う義務はない。そこで五輪開幕以前の段階で、たとえば日本のテレビ局が「チャイニ―ズタイペイ」と台湾代表を呼ぶならば、それに対して訂正を要求する行動を起こしたい。

また台湾の方々にも、二度と「中華台北」(チャイニ―ズタイペイ)と自称するなとお願いしたい。国際社会でそれは、「中華民国の台北」ではなく「中華人民共和国の台北」を意味するからだ!二〇二〇は台湾が国際社会に向けて声を発する又とない機会であり、これを逃さないでほしい。もし台湾人が自ら「台湾は中国の帰属しない」と声を上げるなら、日本や国際社会に対して更に説得力や影響力が高まるはずだ。

(日本籍作家、台湾研究フォーラム会長)

※私は「中国」と書いたが、自由時報に「共産中国」に変えられた。きっと「共産」の二文字で中国の悪行を強調したのだろう。しかし私は「共産中国」が「非共産中国」に変わっても、「台湾は中国の一部」との宣伝は停止しないと思っている。
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