2014年09月21日

映画『NO』感想

映画『NO』を観た。
広告業界で働く人は必見だと思った。


舞台は1988年チリ。
ピノチェト独裁政権の是非を問う国民投票で、反対派のキャンペーン活動を任された広告屋の奮闘が描かれる。

主人公はコカ・コーラやMTVみたいなノリの政権反対CMをプレゼンして激怒される。無理もない。クライアント、またその家族や友人たちの多くが、独裁下で拷問や行方不明という被害にあっているのだから。それほど事態は深刻なのだ。

それでも主人公は、そのポップなCMスタイルを貫き通す。“正しいこと”より“楽しいこと”を選択するのが人間の性だということを職業上、嫌っていうほど解っているから。

どんなに忙しくても、どんなに敵側陣営の嫌がらせにあおうとも、家庭崩壊の危機にあおうとも、主人公は街に出て、スケボーを滑らせながら、市井の人たちが生きる雑踏に身を置く時間を絶やさない。その徹底した洞察力が人を動かし、世論を動かし、歴史を動かすクリエイティブを生み出していく。

「広告のチカラってすごいなー」とか「プロだなー」とか「明日から頑張ろー」とか素直に思える熱い映画だけれど、この映画のいちばんの魅力は主人公を演じたガエル・ガルシア・ベルナルの物憂げな表情だ。闘志に燃える一方で、バカバカしいほど大衆向けに作り上げたCMを冷静に客観視する彼の目には仄かな虚しさが浮かび上がってくる。広告屋は芸術家じゃない。人を動かす職人でなければならない。広告を生業にしている人ほど、そんな哀愁に満ちた決意を彼の演技から過剰に感じ取ってしまうと思うのです。




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2012年12月30日

2012年映画ランキング

久しぶりの更新。一年もあけてしまった。。

2012年映画ランキングです。
今年は豊作だったなー。

1位 桐島、部活やめるってよ
2位 ポエトリー アグネスの詩
3位 この空の花 長岡花火物語
4位 隣る人
5位 SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
6位 プロメテウス
7位 ミッドナイト・イン・パリ
8位 DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
9位 ヤング≒アダルト
10位 演劇1 演劇2


追記:「メランコリア」を忘れてた!傑作だったとじわじわ思いなおしてる。

taiyonoto at 17:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)映画 

2011年12月31日

2011年映画ランキング

今年は、誰にとっても忘れられない年になってしまったと思うし、
書いておきたいことがたくさんありすぎます。

とりあえず、今年観た映画ベストテン。
これだけは今年のうちに。

映画として良く出来てるかではなく、
個人的な想い入れや好み、
観た時のシチュエーションも考慮に入れちゃってます。




1位    その街のこども 劇場版
2位    ブンミおじさんの森 
3位    エッセンシャルキリング
4位    スーパー!    
5位    サウダーヂ
6位    ブラックスワン 
7位    ブルーバレンタイン   
8位    冷たい熱帯魚 
9位     X-MENファーストジェネレーション  
10位  マイバックページ


この他には、『塔の上のラプンツェル』『恋の罪』『メアリー&マックス』も良かった。

taiyonoto at 16:22|PermalinkComments(1)TrackBack(0)映画 

2011年11月24日

俺のなんでもない休日

昨日は、休日。
「今日は外に出ないぞ」と決意して、
髪はボサボサ、髭もそらずのまま、
食料は前日に買いこんで、
部屋に籠もって漫画を描いていた。


昼ぐらいの時間だったかな?
インターホンが鳴って、女性の声で宅急便のお知らせ。
頼んでいたアマゾンの荷物が届いたのだ。

集合玄関のオートロックを解除して、
部屋のチャイムが鳴るのを待つ。

しかし、一向に来ない。

「おかしいな」と思って、ドアを開けて外を見てみると、
いかにも新米風情の宅急便の女の子が、
一度にたくさんの荷物を欲張って両手に抱えてしまった結果、
にっちもさっちもいかなくなっているご様子。
そりゃチャイムも押せないわな。なんだか、かわいい。

そこから自分宛の荷物を探して取ってあげたが、
それでもまだ彼女の手はふさがっている。

その子は「お願いします!」と言って、胸をつきだした。
胸ポケットにさしているボールペンを取って、サインを書けという仕草。

ちょっとドキっとするではないか!

さっとスマートに取ればいいのだが、
みるみると顔が赤くなるのが自分で解るぐらいに緊張して取った。


まあ、それだけの話なのですが、
寝癖ぐらいなおしておけば良かったと思った。

taiyonoto at 15:09|PermalinkComments(8)TrackBack(0)

2011年11月17日

田中英生展

会社の上司の田中英生さんの個展に行ってきた。

写実性に富んだ10数点の絵。

会社の中でも最も忙しく働いている英生さん。
「いつの間に描いているのだろう?」って思って聞いてみたら、
家にいるときはずっと描いているという。
今回、飾られている絵は、ここ、わずか一年ぐらいに描いたものばかりだというから驚いた。


愛犬、知人、吸いかけのたばこ、朝食のベーコンエッグ、植物を活けたグラス、etc…

生活に身近なものたちの質感が伝わる描写はとても優しく、
その筆のタッチには、あわただしくて、理不尽なことも多い仕事の時間から離れて、
我が家のアトリエに身を置いたときのひとときの安堵感と切なさを勝手に感じてしまいました。

勝手な想像をしてしまって、すいません。。

でも、あれだけの数の絵を一気に描き続けている背景には、
人知れず、大きなものを内に抱えているのかな〜?なんてことも考えてしまったりして。。


いちばん好きなのは、この犬の絵。

inu





























何度も何度も撫でてきた手だから描ける質感だと思う。
そして、ついつい、名前を呼んで振り向かせたくなるような横顔。
愛を感じるなぁ。





この女性の絵も好きです。

woman





























音楽の広告をたくさんやってこられた方なので、
その歴史を感じるポップさがあります。




英生さんの、小磯良平大賞展の寡作をとった絵も見たかったけど、
残念ながら無かった。

haru

















これ、162.1×162.1cm っていうんだから、すごい大きさ!





創作欲って何なんだろう?

自分のことを考えると、理不尽な仕事に追い込まれる時ほど、
家に帰ってから、むっちゃくちゃに描きたくなる。

振り子のような反動で、
しなくてもいいことをせずにはいられないキモチに駆られる。

魂が均衡をのぞむ。



最近、ラジオで山田五郎が紹介していた言葉をふと思い出した。

精神科医でありながら小説やエッセイを書き続けた北杜夫が心酔した、
ドイツの作家トーマス・マンの言葉。

「芸術というのは祝福ではなく、呪いだ」


<芸術>、別名、<呪い>。
創作欲とは、<業>のようなものなのかも。

魂から込み上げてきたものを掬い取る作業は、やめられない。
呪いが解かれてしまわぬ前に。



田中英生展は、銀座「ギャラリー惣」にて、
19日の土曜日までやっています。

とても純粋で美しい世界に、静かに浸れると思います。

taiyonoto at 21:08|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2011年11月16日

駄目な生活

現在公開中の『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』の画像を見ると、

三銃士


















反射的に、ジャッキー・チェンの『天中拳』を思い出す。

天中拳




















髪型と服の感じが似てる。どうでもいいんだけど。


日本版のOP主題歌がタケカワユキヒデ作曲で、ゴダイゴ風でかっこいいです。
(歌はSHYというアーティスト。ずっとゴダイゴだと勘違いしてた。)





そんなこんなで『天中拳』が突然観たくなってTSUTAYAに行ったのだけれど、
目に入った平成『ガメラ』シリーズと、真野恵里菜主演の『新耳袋ツキモノ』『新耳袋ノゾミ』を
借りて帰ってきてしまったのです。

今週も忙しくなるわぁ。

taiyonoto at 19:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年11月01日

salyu×salyu

salyu×salyuのライブに行ってきた。

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場所は、横須賀芸術劇場。

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こんな場内なので、
melody rhythm & harmonyと掲げたライブコンセプトにぴったり。

会場に入ったとたん、
メトロノームの音が響き渡っていて、
それだけで期待感が高まった。



アルバムの曲はもちろん、
カバー曲も良かった!

選曲がまたセンスいい。














Wアンコール後の最後の曲は、
JUDEE SILLの「the kiss」をsalyuが弾き語り。



そのとき、salyuは途中から泣いていて、
「ツアーのファイナルだから感極まってしまったのかなー?」なんて思っていたのだけれど、
やっぱり気になって調べてみたら、こんなブログが。。

http://ameblo.jp/sun-u-u-moon/entry-11066388921.html
読んでいて泣いてしまったよ。


良いライブは二度泣ける。

圧倒的なショーは、
それだけで涙が出るぐらいの完成度を持っていて、

そして、完成までの努力や工夫、歴史が背景にあって、
それを想うと、また涙が出てしまうのだ。

コーネリアス関連のライブは、いつも、みんな、
割とすました顔してお洒落にスマートにこなしているように見えるけれど、
あれだけの演奏と舞台演出のシンクロ具合は、アーティスト、スタッフ、共に、
ピリピリな緊張感と、相当な猛練習を経てきているはずなのだ。




それにしても、salyu×salyuの曲では
「続きを」が神懸かっている。

歌詞は坂本慎太郎。震災前に書いたとは思えない。
予知していたのか?何かが彼に書かせたのか?

当たり前だった風景のひとつひとつが、たちまち意味を持ち出す現実。
それが悲劇でも、受け入れて、続いていく毎日。

川勝正幸が坂本慎太郎を
「生きている人と死んだ人を繋ぐ世界を言葉に紡いでしまう男」と評していた。
本当にそのとおり。”ヒアアフター”感がある。

坂本慎太郎の新譜がもうすぐ出る。どんな世界なのだろう?



もう朝 夜は あっという間 明ける
さあ まだ まだ やってみよう
今から おきる ありとあらゆる現実を
全部 見て 目に 焼き付けよう


お〜 ただの空 ただの雲 ただの見慣れた町
お〜 ただの路地 ただの角 全てがなぜかまぶしい


続きを あなたと
続きを もっと見たい
続きを 最後まで
続きを 見届けたい


涙の 日々は たった今終わる
さあ 来て 来て やってみよう
今目の 前の わけのわからぬ現実を
全部 その まま 受け入れよう


お〜 なぜか空 なぜか雲 なぜか見慣れた町
お〜 なぜか路地 なぜか角 全てが意味を持ち出す


続きを あなたと
続きを もっと見たい
続きを 最後まで
続きを 見届けたい
続きを 例えば
続きを 悲劇でも
続きを あ〜
続きを 目をそらさず


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2011年10月22日

ショーン・タン講演会

僕はサイレントの2ページ漫画を描いている。2ページなので、瞬間の世界。
ときどき、もっと、その先の物語へと主人公の男の子を連れて行ってあげたくなる。
ページをめくるたびに、「わっ」「わーっ」「わーーっ」と、めくるめく異世界へ誘い続けるような、
そんな50ページぐらいの物語を描きたいなーって夢を描いていた矢先に、
<究極の文字なし絵本>「アライバル」に出会ってしまった。


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圧倒された。

得体の知れない大きな長い尻尾の生物が襲う町。
主人公は家族を養うために、町を離れて仕事を探す旅に出る。
知らない土地や人との出会いを通して描かれる、
主人公の不安や苦悩、健気さ、ひたむきさ、家族への想い。
ページをめくるたびに、次へ次へと異世界の風景が飛び込み、
また、登場人物の佇まいや些細な行動のイラスト描写は、心の機微までを的確にとらえ、
文字では得られない、豊かな幻想体験を与えてくれる。

すっかり、この作者、ショーン・タンに夢中になってしまった。

次いで、岸本佐知子さんの訳も素敵な短編集「遠い町から来た話」で
さらに好きになった。(こちらは文章あり)

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日常から離れた場所の不安や孤独、日常の中の非日常、非日常の中の日常、
自己存在の意味を問われるような物語の数々にどっぷり魅了されてしまった。
驚きに満ちた絵は、人間の、想像する喜びを十分に感じさせてくれるし、
その絵の線の描写ひとつひとつに、生き物や光や影への愛情があり、
この世界の存在そのものを肯定してくれる優しさを持っている。



このたび、来日講演会があるというので津田ホールまで行ってきた。

短編アニメフィルム「The Lost Thing」の上映や、
作者自身が語る、生い立ちから創作までのお話、
そして、柴田元幸先生との対談まであって、充実した内容だった。

砂漠と海に挟まれたオーストラリアのバースという田舎町で、
移民系の家庭に育ったというショーン・タン。
彼の描く、何処か、大海を漂うような、よるべない日常の世界は、
そのような環境の中で育まれたことを知る。

「アライバル」の創作のために、たくさんの移民の人へインタビューした話も聞けた。
あれだけの傑作は、そうした取材があってこそなのだと解った。



柴田元幸先生は、<Belonging>がショーン・タンのテーマだとおっしゃっていた。

<Belonging=所属すべき場所が見つからない人を励ます物語>

人気ブロガーの伊藤聡さんも会場にいらしていたようで、twitterで、
「彼の新作翻訳を手がけた岸本佐知子さんの、
ミランダ・ジュライ "No one belongs here more than you" を連想しました。」
と呟いていた。なるほど。確かに。



質問コーナーも楽しかった。
「アライバル」に出てくるペットのような動物のモデルは?との問いへの回答。
それは、おたまじゃくしからカエルへ変わる途中段階の生体らしい。

ショーン・タン氏は、子供のころ、おたまじゃくしをカエルに孵すのが好きだったらしく、
特に、おたまじゃくしなのに手足が出てきている変態過程にとても興味を持っていたという。
「移民も、生まれ育った母国をひきずりながら、新しい居場所をみつけようとします。
そんな状態が手足の出たおたまじゃくしに似ています。」と語った。
属すべき場所がない者への愛が伝わるエピソード。

僕も、おたまじゃくしがカエルに変わる過程が大好きで、
実は今月号の「夢を見た」の原稿で、たまたま、その様子を描写したばかり!
音符が、本来の居場所である紙の世界を離れて、現実空間に飛び出して、自ら音を奏でる物語。
ぼく自身、広告マンとしても漫画家としても中途半端で、
所属すべき場所が見つからない気持ちでいるため、
そんな想いを2ページに込めたばかりだったから、さらにシンパシーを抱いてしまった。


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追記:
会場で柴田先生にお声をかけていただき、
自作の漫画「夢を見た」の感想をいただいたのでした!
実は、数ヶ月前に、ある仕事で先生にお会いする機会があって、
帰り際にラブレターのように、漫画をお渡ししていたのです。
「言葉を使わずに、豊かな世界を構築している」とお褒めいただきました。
(実際はもうちょっと、やわらかく、やさしい言葉でした。)
研究室のみなさんで楽しんでいただけたとのこと。
描き続けてきて、よかったー。

柴田先生の雑誌「モンキービジネス」が終わってしまうのが寂しいです。

taiyonoto at 23:59|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2011年10月19日

いたいけな秋

来月で35歳になる。
マスコミ業界では、以下のように区分する。

M1層=男性20〜34歳
M2層=男性35〜49歳
M3層=男性50歳以上

F1層=女性20〜34歳
F2層=女性35〜49歳
F3層=女性50歳以上

いよいよ「M2層」突入。中年だ。
だからといって別にどうってことないのだが、
人生の長さを3部作として分けてみると、ちょっとドキッとする。

日本の男性の平均寿命は約79歳。
日本の女性の平均寿命は約86歳。
それぞれ3分割すると以下のような区分になる。

<男性>
エピソード1=0〜26歳
エピソード2=27〜52歳
エピソード3=53歳以上

<女性>
エピソード1=0〜29歳
エピソード2=30〜57歳
エピソード3=58歳以上



エピソード1はとっくに終わっていた。

そろそろ人生の後半戦に向けて、伏線をバリバリはって、
物語の佳境へと準備をしておきたい時期。

とは言っても、この世には抗いきれない<流れ>みたいのがあって、
飲み込まれて、押し流されて、
自分の描いたシナリオどおりには進んでくれないのが人生。

そして、突然の幕切れだって十分にありえる。
本当は、もう最終章にいるのかもしれない。

しかし、<流れ>に飲み込まれた結果、
意外と、自分の望んでいたところと、
そう遠くではない場所に打ち上げられることもよくある。

今までの人生を振り返ると、
遠回りが近道だったことに気づくことが多々ある。


些細な選択肢の積み重ねで人生は成り立っているから、
ただただ馬鹿みたいに流されて、ババをひくのだけは避けたい。

「俺の人生、こんなもんだ。」と割り切った時点で、
それ以上のところへ連れて行ってくれる<流れ>は止まり、
あったとしても、見逃してしまうと思う。


年齢を経ていくごとに、選択肢は限られていく。
<やりたいこと>も大事だが、<やれること>を優先していきたい。
漠然と夢を描くのではなく、非力ながらも自分の能力を求めてくれる場所を大切にしたい。
そのへんの見極めが、将来を大きく左右する気がしてならない。


今の自分の年齢を、
『ふぞろいの林檎たち』シリーズの主人公たちの年齢に置き換えてみたら、
いちばん近いのはパート検これはちょっと焦ったよ。

『いたいけな秋』(斉藤和義 featuring Bose)を聴いたせいで、
こんな日記を書いてしまった。

中年になるほど、シリアスにロックが心に響くのは、
人生の先輩が、今も現役でロックを歌える時代になったからだと思う。






『イマジン』を書いた時 あの人はまだ30
『地獄の黙示録』の頃 巨匠は40
『未来世紀』を夢想した時 奇才は45
『アドルフに告ぐ』連載開始 先生は55

『天国への階段』を上ったのは27
『ウッドストック』でギター燃やしたのは25
『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』あのリフも25
『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド』27

『ターミネーター』は30
『タクシードライバー』が34
『E.T.』はなんと35
『無責任野郎』は36
『ナウシカ』は43
『七人のサムライ』が44
『北の国から』は46
『ふぞろい』の1が49

ブライアン・ジョーンズ、27
ジミ・ヘンドリックス、27
カート・コバーン、27
ジャニス・ジョップリン、27
ジョン・レノン、40


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2011年10月15日

二階堂和美のライブに感動!

渋谷WWWにて、二階堂和美のライブ。



7月に発売された『にじみ』を今年の夏は何度も何度も聴いていたので、
収録順に歌ってくれたのがとても嬉しかった。

アルバムの曲の多くが歌謡っぽいメロディーなので、
すーっと耳に入って、口ずさみたくなる歌ばかり。
一緒に頭の中で歌いながら(声を出すと他の客に迷惑なので)
終始、自然と笑顔がこぼれてしまう、とても気持ちのいいライブだった。

演歌、ブルース、サンバ、なんでも歌いこなすその才能と、
ときどき胡弓のように鼓膜にひびく声に圧倒された。
その声自体に涙腺が反応して、反射のように
涙がこぼれてしまう瞬間もあった。



二階堂さんは現在、広島の家族と同居し、僧侶としての実家の寺の仕事の傍ら、
時間を捻出しながら音楽活動を続けている。

すべての時間をどっぷりと音楽に注ぎ込むことが出来ない葛藤を抱えつつ、
でも、日々の暮らしを大切にしながら、その生活に直結している何かを
掬い取るように生まれた歌の数々。

それらを収録した今回のアルバムについて、
二階堂さんは著書『しゃべったり書いたり』で以下のようにも語っています。


「いろんな人や、出来事や、あらゆるすべてのものごとがにじみ合って、
自分の中からも、押さえても押さえてもにじみ出て、
それがまた、だれかへとじわっとにじんで行くような
そんなものになれたら、ほんとに嬉しい。」



死というゴールが待っている、限りある時間の中で、
人は願うことの全てを選ぶことができない。

常にしがらみがつきまとう。
その事実を受け入れていくしかない。

でも、そのどうにもならない現実があるからこそ、それを意識するからこそ、
人生のなんていうことのない瞬間を愛おしく想い、誰かを想い、
人は強くなる。

上っ面の応援歌なんかより、
生活の中の、しみったれた感情のひだを歌うほうが元気が出る。

そう説く二階堂さんの創作スタイルに、とても共感します。






アンコールにスチャダラが登場し、歌った歌はブギーバック!
イェーイ!となって、帰りに12月のクアトロのライブのチケットも買ってしまいました。

taiyonoto at 23:59|PermalinkComments(2)TrackBack(0)