2012年12月10日

自己顕示行動の心理背景

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それはふつう[自己愛]という概念で捉えられます。
これは対人恐怖や友人関係とも深く関連し、単なるナルシズムよりも幅広い意味を含む概念です。

しかし、この件については、より適切なタイトルの付け方がありますね

[動画投稿サイトにおける投稿の動機と、自己愛傾向]
そういう論文があってもおかしくなさそうですが、まだ、無さそうですよ




青年期における自己愛の構造と発達的変化の検討
中山留美子 名古屋大学大学院
中谷素之 三重大学
教育心理学研究 54(2), 2006

問題と目的

.....この枠組みによれば、「誇大型」の自己愛は、他者によらず、自己価値、自己評価を肯定的に維持する機能に関連し、「過敏型」の自己愛は、他者によって低められるような証拠がないことを確認することで、自己価値や自己評価を肯定的に維持する機能に関連していると考えられる。
..............
Narcissistic1


2.「誇大性」「評価過敏性」による自己愛の類型化と各群の特徴

.....各群の特徴としては、まず、「誇大型」「混合型」>「過敏型」の順で注目欲求が高いことが示された。
Gabbardは「誇大型」において注目欲求が高いこと、逆に「過敏型」の青年は注目されることを避ける傾向にあることを指摘しており、この結果は理論的指摘に一致するものであると考えられる。

また、対人恐怖に関しては、「過敏型」>「混合型」>「誇大型」の順で高くなっており、この結果もGabbardの指摘と合致していた。
特に「誇大型」は4群のうちで最も対人恐怖が弱く、この群の青年が「他人の目」を気にしない傾向が示唆された。

.....この「低自己愛群」に分類された青年の比率は、中2、中3、高1、高2、高3、の順に少なくなっており、この結果から中2以降、自己愛の強い青年が増加する可能性が示唆された。大学生ではこの「低自己愛群」が再び増加しており、この時期に自己愛を再び低下させる人が増えることも示唆された。


と、いうわけで中学二年から、...    ...というのは、正しそうですよ。



そもそも、コミュニケーションの形態が変わったというのみで...
習慣的利用による強化理論という意味では、20世紀からそのようなことはあったのです。
携帯メールから,SNS利用,...CMCがそのままメディアを変えて推移してるという認識の方が正しそうな気がするのですが


青年の自己愛傾向と自尊感情、友人関係のあり方との関連
小塩真司 名古屋大学大学
教育心理学研究 46(3), 1998


自己愛人格目録(Narcissistic Personality Inventory;NPI)

男女別で因子分析を行った結果、多少の項目の移動は見られたものの、各因子の指標となる項目の移動は見られず、ほぼ同様の因子構造が見られた。従って、この3因子は男女共通のものであると見なしてもよいであろう。

第1因子を「優越感 有能感」因子と命名した。

第2因子を「注目 賞賛欲求」因子と命名した。
しかしこの因子は、単に注目されたい、賞賛されたいという欲求のみではなく、他者を支配したい、権威を持ちたいといった権力志向的な意味合いを含んでいる

第3因子を「自己主張性」因子と命名した。


......................

3.友人関係による四類型と他尺度との関係

「広く浅い付き合い方」は、みんなと一緒に楽しく付き合っているが、同時に自分の本音を出さず表面的で互いに気遣い合うといった友人関係のあり方である。
このような友人関係を営んでいる者は、自己愛傾向、特に「注目・賞賛欲求」が強く、自尊感情は低い傾向にある

......................
考察
2.自己愛・自尊感情と友人関係との関連について

結果から、「広く」友人関係を報告する青年ほど自己愛傾向が強く、「深い」友人関係を自己報告する青年ほど自尊感情が高い傾向にあることが分かった。
また特に、本研究で見出された「広く浅い付き合い方」は、現代青年の特徴として多くの著作、研究で触れられてきている友人関係のあり方である。
そしてこのような友人関係を自己報告するものは、自己愛傾向のうち特に「注目・賞賛欲求」を高く報告した


現代において増えていると考えられている広く浅い友人関係を持ってる人は、「注目・賞賛欲求」を満たすための行動をするでしょう

それが、そもそもなぜ、
身体性(肉声も含む)を伴ったものであるのか、その方が好まれるのか?



舞踊における“感情昇華”の機能に関する考察
原田,純子 大阪女学院大学
大阪女学院大学紀要 3, 2006



筆者はこの「感情のはけ口」としての舞踊の機能に注目し、先行研究(外に向けて拓かれていく身体と心―創造的身体表現活動の価値を考える―)
において具体的な事例を挙げ、その意義に根ざす舞踊の価値を論じた。
その際、「感情のはけ口」としての機能を、舞踊の「内的感情の昇華」と呼び、「自己の内側に生じた様々な感情を、自己の外に創造的な形として出す(表現する)こと」と定義した。さらに、自己の身体にミズカラはたらきかけ、内的感情を昇華させて変化していく身心を「外に向けて拓かれていく身体と心」とし、実際の舞踊学習の中で授業受講者の身心が拓かれてゆく経緯を捉えながら、創造的身体表現活動=舞踊の今日的価値について考察した。


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............................

3.結果と考察

3. 2 舞踊における“感情昇華”機能の構造
以上、質問紙による量的な検討から、まず「自己が拓かれる」ことの上に「他者とのかかわり」が成立することが推察される。つまり自分自身への意識、すなわち自分自身の身心を「快」の状態にして活動に取り組むことが、次のステップである「他者とかかわる」ことに駒を進める鍵になっているのであろう。これら2つの関係は「自己」から「他者」への一方向ではなく、両者が双方向に影響を及ぼしあって上昇を示すものであり、自己と他者の双方向の行き来から、互いを認め合うという場が創生され、共に刺激を及ぼしあって創造活動を高めていくという全体構造を仮定することができよう
Narcissistic2


4.まとめと今後の課題
これはすなわち、創作ダンスにおける“動き”そのものの体験が、身心を外に向けて拓かせる働きを持っていることを示唆するものである。そして、動きが自己の表現となっていく学習の過程を通して、『他者』との『コミュニケーション』やそこから創生される『場』が自己の内的感情の昇華を促進し、より良い『創造』活動を目指す段階へと至ることが確認された。











○自己顕示性と中二病指標の関連


「誇大性」は、「周囲を気にかけない誇大的なナルシシズム」を強く持っていて、他者からの評価を気にしないから顕示的な逸脱行動をとるのではないかと思われるのですが、果たして、本当にそうなのか?


日本人の自己形成と世間
上田恵津子 大阪大学
大阪大学教育学年報 (1) 1996


V.おわりに

第1に、世間の眼を意識する「世間志向性」は、自己規制・自己抑制という面ばかりが注目されがちであるが、必ずしもそのような消極的・防禦的な面ばかりではない。井上(「世間体」の構造−社会心理史への試み)が指摘するように、自己顕示的行動は、世間の眼にとらわれず「世間」の常識・「世間なみ」の規準からはずれているように見えるが、実は、「世間」の常識から故意にはずれようと意識している点で、やはり「世間」の規準にとらわれているのであって、いわば〈世間体の裏がえし〉とでもいえるものである。

また、中山(「ぼかし」の心理―人見知り親和型文化と日本人)は、竹の子族のような「目立ちたがり型」や非行グループのような「ツッパリ型」の行為もまた、他者の眼を強く意識した者の補償行為であって、他者の眼に敏感でそれに過剰に配慮している点では、対人恐怖との共通性をもっている、と述べている。このように、「世間志向性」には表・裏とでもいえる両面が存在することを忘れてはならない。


と、いうわけでそれらは実はとても親和性は高い
あなたは本当にオタクですか?/オタクとサブカル、ヤンキーと体育会系





と、言うことはやはり、このタイプも周囲の目を気にしている、「評価過敏性」なのか
最も、動画投稿者にも、「誇大型」「混合型」の両方がいるとは推測できる。




高校生の自己意識が制服着装行動に与える影響について
古結亜希 松浦均  三重大学
三重大学教育学部研究紀要 63, 2012


他者から見られる自己への注意が高い者は、制服の着方に関わって自分が他者からどう見られているかという懸念が強く、
やや逸脱傾向のある着装行動をとることが示された。



一方、自己への内面への注意が高い者は、個性を活かすような生き方を志向し、
制服の着方に関する他者からの評価に対する懸念は低く、校則に従った着装行動をとることが明らかとなった。

また、対人的な不安意識が強い者は、やや逸脱傾向のある着装行動をとることが示された


他人の目を気にする者の方が、逸脱行動をとる?

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一方、近年、女子を対象とした「なんちゃって制服」といわれるようなスクールブランドの展開が顕著であり、多くの「アイテム」が用意され洋服店で市販されている。このような価値観が学校制服にも拡大されてきていることが考えられる。学校外でも制服を着装したり、校則で定められていないアイテムを取り入れたりと、
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つまり、近年みられるように、高校生が望むようなデザインを採用した制服を導入することは、学校の人気を高めるだけでなく、「逸脱」した着装行動を抑制することにも一役買っているといえよう




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コメント一覧

1. Posted by toyc   2013年01月12日 06:05
何となく自身の行動と当てはめて考えてしまうのは、ある意味自己顕示と捉えられるブログを自分も書いているからでしょうか。

大学に入ると自己愛が低くなる人がいるのは、ある程度自我の形成が済んで、自己顕示意欲が薄れていくからでしょうか。
自己愛に四つのタイプがあることは初めて知りました。対人恐怖が一つの要素として挙げられているのが興味深かったです。

また、常識を破ろうと意識すること自体が、逆に常識に囚われている、というのは目からウロコでした。

アイドルや芸能人などは、他者の自己顕示欲との共感性によって成り立っている部分もあるかと思うので、こういった分析をマーケティングの一因として考察することもできるかもしれないですね。

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