2022年12月29日

一つの銀河だけから宇宙論導出

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これが物理学研究のように見えて、機械学習の側面を持っているのです。
銀河を一つだけ観察するだけで、宇宙全体に影響を及ぼす物理的パラメータが推測出来るようだ、と...





Cosmology with one galaxy?
Francisco Villaescusa-Navarro, Jupiter Ding, Shy Genel, Stephanie Tonnesen, Valentina La Torre, David N. Spergel, Romain Teyssier, Yin Li, Caroline Heneka, Pablo Lemos, Daniel Angles-Alcazar, Daisuke Nagai, Mark Vogelsberger
The Astrophysical Journal 929.2 (2022): 132.

CAMELS プロジェクトの、流体力学シミュレーションから得た数十万の銀河でニューラルネットワークを学習し、宇宙論的、天体物理学パラメーターの値に対して尤度のない推論を実行しました。
単一の銀河の内部特性を知ることで、モデルは約±10% でΩmを推測出来ます。
この結果は、銀河の特性を作る低次元多様体が、宇宙論と天体物理学の間の緊密な関係を提供する事を示唆しています。

2.2. Galaxy Properties
ここでは、銀河を 20 を超える星の粒子を含むサブハローとして定義します。
全てのシミュレーションの全ての銀河は、14 特性によって特徴付けられます。
1. 銀河をホストするサブハローのガス質量含有量で、銀河系周辺媒体からの寄与を含みます。
2. 銀河内のブラックホールの総質量。
3. 銀河の星の質量。
4. 銀河をホストするサブハローの総質量、つまり、サブハロー内の暗黒物質、ガス、星、およびブラック ホールの質量の合計。
5. 銀河をホストするサブハローの最大円速度
6. 銀河のサブハローに含まれるすべての粒子の質量加重速度分散。
7。 銀河の質量加重ガス金属量。
8. 質量で重み付けされた銀河の星の金属量。
9. 銀河の星形成率。
10. 銀河のサブハロー スピンベクトルのモジュラス。
11. 銀河のサブハロー固有速度の係数。
12. 銀河の恒星質量の半分を含む半径。
13. 銀河のサブハローの総質量の半分を含む半径。
14. Rmaxの半径
IllustrisTNG シミュレーションの銀河については、次の 3 つの追加プロパティも考慮します。
15. Uバンドの銀河等級。
16. Kバンドの銀河等級。
17. gバンドの銀河等級。




2.3. Machine-learning Algorithms
1 Gradient Boosting Trees : この方法は決定木に基づいているため、計算効率が高くなります。XGB パッケージを使用しました。
2 ニューラル ネットワーク: ここで検討するタスクに適しているため、完全接続層を使用しました。

...................
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4. Interpretation
銀河の特性とΩmの間に相関関係があるかを調べます。
銀河の特性それぞれの間には強い相関がありましたが、Ωmとの相関は緩やかでした。これは、単純に線形回帰では推測出来ない事を示します。


4.2. Properties Ranking
特徴量を削除することで、精度悪化を測定し、変化が最も少ない変数を削除して行きます。
最も重要な 2 つの特徴は 3.銀河の星の質量。 5.銀河をホストするサブハローの最大円速度 である事が分かりました。

モデル精度の大部分を担う変数の最小セットは、 これに加えて、
1.銀河をホストするサブハローのガス質量含有量で、銀河系周辺媒体からの寄与を含みます。7.銀河の質量加重ガス金属量。16.Kバンドの銀河等級。


4.4. Physical Interpretation
この結果は、天体物理学的効果によって、模倣出来ない銀河の特性またはそのサブセットに影響を与える事を示しています。
恒星の質量が固定されている場合、最大円速度は Ω m で単調に増加する事が分かります。これは、Ωmのより大きい値を考慮に入れる事で説明出来ます。

以下に示すようにこの研究は、天体物理パラメータの値を完全に知っていても、パラメータの固定セットを持つ任意のモデル内の異なる銀河間の散乱のために、あまり役に立たない事を示唆しています .
Ωm は銀河の特性が存在する多様体を変化させる可能性があり、その変化は天体運動フィードバックの変化によって引き起こされるものとは異なると考える事が出来ます。


多様体の変化の背後にある物理学は、Ωmが銀河のダークマターの内容に影響を与える事であると私たちは考えています。
これらの多様体を見つけて Ωm値を推測するよう機械学習を訓練する事が出来ます。


5.3. Numerical Effects
本研究の驚くべき結果を考えると、次の事を自問する必要があります: 情報はどこから来るのか? 言い換えれば、ネットワークは物理的または数値的な効果から情報を抽出しているのか?





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この研究ではΩmの値は高精度で推定出来たのですが他の値については全然予測出来ていません。
σs ASN1 ASB2 AAGN1 AAGN2 等の値まで予測出来た方が良いのではないでしょうか?




tak_tak0 at 11:31コメント(0)研究  | resource この記事をクリップ!

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