空を見上げて
トップページ » 加藤一二三実戦集を30年ぶりに並べる(1)

加藤一二三実戦集を30年ぶりに並べる(1)

加藤一二三実戦集

 自分が20代半ば頃に購入した加藤一二三実戦集【昭和52年11月3版発行、著者:加藤一二三、発行所:(株)大泉書店、価格2500円】を30年ぶりくらいに並べてみました。
 同書には、加藤一二三九段の20代初めから30代初め頃の自戦記が40局掲載されています。

2016-10-03a

 1図は、同書の5局目の将棋で、第16期王将戦の第3局です。
 初めてこの将棋を並べたのは30年以上前です。そのとき何を感じたのか忘れてしまいましたが久々に並べて新たな感動を得ました。
 1図は、後手大山康晴王将の向かい飛車に先手加藤一二三挑戦者が居飛車急戦の構えを見せたところ、後手が△3二金から△2四歩~△2四飛と飛車交換を迫り、先手が▲2五歩と飛車交換を拒否。
 その後、先手の▲4六歩に対し後手が△5四銀と上がったところです。
 1図から、▲3七桂△6五銀▲7五歩△7六銀~と進み2図となりました。

2016-10-03b

 この△5四銀からの玉頭銀は、四間飛車に居飛車が▲4五歩戦法を見せたときに推奨されている手のようです。弱いアマの対局ではほとんどの場合、居飛車側が不利になる印象があります。(△8四香、△8四飛、△5四角などと8三の地点に利きを足されたり、九段目の飛車との協力した攻めで寄せらせるパターン、など)
 向かい飛車の場合はどうなるのでしょうか。
 2図から先手は▲2六飛の横利きで△7六銀を睨みながら、3筋の歩を突き捨て、4五歩と突いていきました。△4五同歩ですと▲5五歩が銀取り(▲2六飛が△7六銀に当る)となります。
 少し進んで3図となりました。

2016-10-03c

 3図では後手の銀と金が先手玉に圧力を加えていますが、上ずっている、駒が重複していると見ることもできるかもしれません。
 先手陣は玉頭に不安はあるものの、飛車、銀、桂の攻め駒が好位置にいて、もう少しで後手陣を突破できそうですが、今、△2六歩と突かれ次の2七歩成を狙われました。
 3図で、次の先手の手は▲3四銀かなと思いましたら、もっと良さそうな手でした。
 3図から、▲2三歩△同飛▲3四銀△3五歩で4図となりました。

2016-10-03d

 4図で▲3五同飛ですと△2四角で捌かれてしまいます。


トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星