アセットマネジメントOne(AMOne)と言えばクオンツ運用に定評のある運用会社です。
実はあまり知られていませんが、みずほ銀行のiDeCoには低コストなインデックスファンドをラインナップする中で
「投資のソムリエ<DC年金>」「投資のソムリエ<DC年金>リスク抑制型」があります。

DCではない一般用に販売されている物だと信託報酬は年率1.512%かかります。
これだけを見ると「ぼったくりじゃん」なんて言われそうです。
でも、何故みずほ銀行DCで低コストなインデックスファンドを中心にラインナップしながらも「投資のソムリエ<DC年金>」と言うアクティブ型バランスファンドを販売をするのかをデータで見てみます。

なお「投資のソムリエ<DC年金>」の信託報酬は年1.188%、
「投資のソムリエ<DC年金>リスク抑制型」の信託報酬は年0.6372%です。
DCの方が信託報酬が安いんです。

少なくともそんじょそこらにあるアクティブファンドとは違うんです。
クオンツ運用に強みのあるアセットマネジメントOneがやるのだから、みんなが仰天するような運用方針なんです。
投資のソムリエ特設ページ

価格変動要因を3つに分けで各アセットクラスへ分散投資をします。
a:世界の経済成長
b:金利水準
c:為替変動
この3つの価格変動要因の分散から最適な資産配分の比率を決定し、リスクの目標値が年率4%程度になるようにアセットアロケーションをしていきます。
なんとなくマルチファクターモデルっぽいですが、マルチファクターモデルの場合は各ファクター毎にリスクプレミアムが付きますが、ここでは単純に価格変動要因としているようです。

でも、相場下落の可能性が高い時には基本配分比率を変更し組み入れ資産を安定資産や現金へ入れ替えると言う「神技」までやってのけます。
それによって安定的なリターンを目指す(=高いシャープレシオを目指す)と言う投資信託です。
説明はここまでで、次は本当に実力があるのかどうかをデータで見てみます。

データで比べてみる

前提条件
各データはデータの最後を2017年03月として1年間、2年間、3年間、4年間、4年5ヵ月(スタートは2012年11月)でリスク、リターン、シャープレシオで見てみます。
各アセットクラスはインデックスファンドはeMAXISシリーズで国内、先進国、新興国の各株式、債券の6本+国内REIT、先進国REITの合計8本と、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(以下セゾンVGBF)と見比べてみます。
無リスク金利は1年は年-0.04533%、2年は年0.0089%、3年は年0.028513%、4年は年0.039633%、4年5ヵ月は年0.043742%として計算します。
リターンは幾何平均として計算しています。
ここでは、1ヵ月の日数要因は考えません、2月も8月も1ヵ月としています。

投資のソムリエ1年間
まずは1年間の運用期間で見てみましょう。
投資のソムリエではシャープレシオで見ると、国内債券インデックス、セゾンVGBFに対して圧勝です。

投資のソムリエ2年間
次は2年間の運用期間で見てみましょう。
投資のソムリエでは国内債券インデックスに負けています。
注意点は投資のソムリエではセゾンVGBFに比べてリスクは低くリターンは高くなっています。
でも、シャープレシオは投資のソムリエの方が低く計算されています。
シャープレシオがマイナスの場合は注意が必要です。

投資のソムリエ3年間
次は3年間の運用期間で見てみましょう。
シャープレシオで見てみます。
投資のソムリエでは国内債券インデックスに負けています。
でも、セゾンVGBFに圧勝です。

投資のソムリエ4年間
次は4年間の運用成績で見てみます。
シャープレシオでは、国内債券インデックス、セゾンVGBFに負けています。

投資のソムリエ4年5ヵ月間
最後の4年5ヵ月の運用成績で見てみます。
シャープレシオでは国内債券インデックスとほぼ同じですが、セゾンVGBFに負けています。

既に気が付いているとは思いますが、投資のソムリエでは信託報酬を約1.5%も払っています。
ですから、コストがもう少し安ければ国内債券インデックスに勝ててしまいます。
ただ、eMAXISシリーズは国内債券インデックスとしては既にコストは高めです。
それを割り引いても、投資のソムリエの方がコストを下げる余地がより大きいと考えられます。

通期ではセゾンVGBFに負けていますが、それでも大差を付けられている訳ではありません。

最後に

投資のソムリエではコスト面では改善の余地が大きいと思われます。
もう一つは、ある特定のリスクをコントロールして出来る限り安定的なリターンを目論むアイデアは、まだまだ発展途上だと思われます。
リスクをコントロールするやり方は個人レベルではセクター戦略や高配当戦略などがあります。

リスクをコントロールするアクティブ運用はひふみ投信が有名ですが、アセットマネジメントOneも得意とする分野であり、例えばたわらノーロードplusシリーズがその良い例です。
投資のソムリエの登場によってはっきりして来たのは、単純にベンチマークに対するアウトパフォームではなくて、シャープレシオが重要視されるアクティブファンドが登場している事です。

投資のソムリエの場合は、バランスファンドをベンチマークにしてしまうと取っているリスクが違うのに、リターンの高さだけで運用成績が決められてしまう恐れが出てきます。
実際、投資のソムリエとセゾンVGBFは取っているリスクが違います。

将来的には、ベンチマークに対してアウトパフォームを狙うアクティブファンドのみならず、シャープレシオの向上を狙ったアクティブファンドも登場して来ると思います。