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今回、ダイヤモンドオンラインにアップされた森永康平さんの記事が反響を呼んでいます。
折角ですから、中身を引用しながら私の感想を書きたいと思います。


大雑把にはインデックス型ファンドの積立が最良と裏付ける2つの理由が本当に妥当なのかに書かれており、1つ目はアクティブファンド、2つ目はCAPMとAPTについて書かれています。
最後に、サテライトで市場インデックスに対するアウトパフォームについてです。
引用
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が年に2回公表している
「SPIVA (S&P Indices Versus Active)」によれば、
2017年末時点で日本の大型株式ファンドの場合は55.96%、
中小型株式ファンドの場合は63.52%のファンドがインデックスに負けている。


ただし裏を返せば、インデックスに勝っているアクティブ型ファンドは実在するし、
1年ごとに見れば、インデックスに勝っているアクティブ型ファンドは意外に多い。
事実、前述のデータも期間を1年で見てみれば、
インデックスに負けた大型株式ファンドは15.28%、
中小型株式ファンドは13.07%と数字は一気に改善される。
引用終わり

コストの高いアクティブファンドよりは、インデックスファンドの方が良いのではないか?

私の意見としては、これだったらわざわざアクティブファンドを使う理由もないと見ています。
その理由ですが、1年ごとに見て配当込みS&P500に勝てるアクティブファンドは大型株で84.72%、中小型株式ファンドで86.93%ですが、10年以上に渡って勝てる大型株は44.04%、中小型株式ファンドでは36.48%です。

インデックス運用は長期投資が基本なので1年ごとには見ないで長期で見る方が有益だと考えられます。
勿論、ご自身でアクティブ運用をやる場合はコストはかかりませんから、もっと勝率は高くなる事が想像できますが、1銘柄当たりの比率の集中による非システマティックリスクが無視できない状況になりやすいです。

そう考えるとアクティブファンドの場合は、コストが高い事から長期的に負け組の多い事で投資をする理由に乏しいです。

APTの場合は話が変わります

ただし、APTになると話は変わってきます。
APTと言うのはステファン・ロスさんがマルチファクターモデルを前提に「十分発達した市場にフリーランチは無い」の理屈で作られた理論です。
CAPMを市場均衡理論APTは無裁定理論と言われます。

世界で最初に登場したマルチファクターモデルは「マクロファクターモデル」ですが、今では色々なマルチファクターモデルが開発されています。
2013年にファーマ=フレンチの5ファクターモデルが登場しています。

マルチファクターモデルでは、どのファクターがリスクプレミアムが付くのか?ですから、その理由が求められます。
私が使っているCarhartの4ファクターモデルでは、サイズ、バリュー、モメンタム、マーケットの4つがあります。
では、なんで小型株はリスクプレミアムが付くの?って言う理由では、有力な回答としては流動性が悪いからだとされています。

そこで流動性の悪い株式を集められたETFであるVFLQのようなETFも登場しています。
私の場合はVFLQにも投資しています。
まだ期間は短いですが、長期的には面白そうだと考えています。

VFLQ
出所:ストック・チャートより作成

これは意見有り!

引用
たとえば、コア・サテライト運用のように、投資に回す資産の8割はインデックス型ファンドの積み立て運用のままでいいが、残りの2割はインデックスに勝つべく、個別銘柄やテーマ型投信に投資をしてみてはいかがだろうか。


筆者は投資の果実はお金だけだとは考えていない。
市場を上回るリターンを出すべく、本を読んで勉強し、市場を観察し、個別企業の財務分析や業界・産業情報を足を使って稼ぎ、時には各国の経済指標から世界経済の動向を予測する。


このような日々の努力によって、マーケット脳は育てられていく。
リーマンショックから10年が経ち、日本株式市場は右肩上がりを続けてきた。この数年で相場の世界に入ってきた投資家達は下落相場を知らないだろう。


そうした観点からも歴史を学ぶことは重要だ。
下落が続く相場においては、積立投資も累積リターンを削っていくだけである。
その場合は一部益出しをしたり、キャッシュポジションを多めにとるなどの対策が必要になることも知っておくべきだろう。
引用終わり
これは人によってで良いのではないかと思います。
例えば、私の場合は、仕事で2日間家に帰れない事だってあります。
そんな状況下では、投資の事なんて考えていられません。

そんな時は仮にリーマンショック級の長期下落トレンドが続いた場合であっても仕事優先で投資は積立の仕組みをセットして終わりです。
もう一点はサテライトの場合は必ずしも市場インデックスをアウトパフォームする事がベストとは考えていません。
例えば、最小分散ポートフォリオなどでリスクを低減し、シャープレシオベースで市場インデックスよりも高ければ、それでも良いとも言えそうです。

円高に弱い立場がいれば、円安に弱い立場もいます。
例えば、製造業の派遣労働者とイカ釣り漁船の人ではリスクファクターが異なります。

そこでサテライトポートフォリオでヘッジポートフォリオを考えます。
例えばイカ釣り漁船の人ならばXLEをサテライトに組み入れてヘッジポジションを作っても良いぐらいです。

これは市場インデックスをアウトパフォームする意味合いではなくてイカ釣り漁船が出航できないぐらい燃料高になった場合のリスクヘッジです。

ですから、サテライトの目的が必ずしも市場インデックスをアウトパフォームする必要はなく、例えばリスクをヘッジしたり、シャープレシオを上げる目的でも良い筈です。

私の場合は純粋リスクをヘッジする目的でITA(iShares US Aerospace&Defence ETF)をサテライトで保有しています。
これは北朝鮮のミサイルが日本に必ず落ちる事が保証されてい前提で考えているからで、これは火災保険や地震保険ではヘッジできないリスクをヘッジする目的です。

これは賛否両論はありますが、私ならばこんな感じで考えています。

応援よろしくお願いします。

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