下落相場についてはリーマンショックなどを参考にするのは問題は無いのですが、下落相場は姿かたちを変えてやって来るのでリーマンショックのような暴落はやって来る事は考えにくくリスクの性質を変えてやって来るのが一般的です。
ただ、株式の期待リターンは長期金利+リスクプレミアムになるので、長期投資では有利な筈です。
そこで今回は過去のデータからリスクを検証してみましょう。
前提条件
株式のデータは1987年12月末~2022年07月末までとします。
データは以下の通りです。
MSCI-ACWI(以下:ACWI)
MSCI-KOKUSAI(以下:KOKUSAI)
MSCI-Emerging Markets(以下:EM)
MSCI-JAPAN(以下:JAPAN)
MSCI-USA(以下:USA)
出所は株価データはMSCI、為替レートは日本ヤフーファイナンス、Pasific Exchange Rate Serviceから
新興国は1987年12月末以前のデータが無い為、今回は1987年12月末からとします。
データは多少の誤差が入り込んでいる可能性がある為、参考程度でお願いします。
株式のデータは1987年12月末~2022年07月末までとします。
データは以下の通りです。
MSCI-ACWI(以下:ACWI)
MSCI-KOKUSAI(以下:KOKUSAI)
MSCI-Emerging Markets(以下:EM)
MSCI-JAPAN(以下:JAPAN)
MSCI-USA(以下:USA)
出所は株価データはMSCI、為替レートは日本ヤフーファイナンス、Pasific Exchange Rate Serviceから
新興国は1987年12月末以前のデータが無い為、今回は1987年12月末からとします。
データは多少の誤差が入り込んでいる可能性がある為、参考程度でお願いします。
🐣まずは基準価額のデータから見てみましょう
1987年12月末を10000円とした場合ですが2022年07月末では・・・
ACWI:154516円
KOKUSAI:274516円
EM:270048円
JAPAN:18964円
USA:396477円
でした、日本はバブル崩壊とは言え、各インデックスに対しては大きく差を付けられています。
日本単体で投資をすればこのようなリスクもあります。
🐣1年間運用してみたらどうなったのか?
1年間運用した時のパフォーマンスです。
データ数は404個あります。
新興国は+90%以上、-60%未満もありますね。
最高リターン:+95.42%(1989年02月末から新興国で1年間運用)
最低リターン:-62.56%(2007年11月末から新興国で1年間運用)
1年間の運用ではリターンのばらつきが大きい事が分かります。
元本割れの確率は・・・
ACWI:30.94%
KOKUSAI:28.47%
EM:33.42%
JAPAN:46.04%
USA:25.50%
でした。
🐣3年間運用してみたらどうなったのか?
3年間運用した時のパフォーマンスです。
データ数は380個あります。
最高リターン:+55.29%(1995年06月末から米国で3年間運用)
最低リターン:-22.44%(1989年07月末から日本で3年間運用)
3年間の運用ではリターンのばらつきは1年間の運用に比べて小さくなりましたが、それでもばらつきが大きい事が分かります。
元本割れの確率は・・・
ACWI:27.374%
KOKUSAI:25.26%
EM:26.32%
JAPAN:43.16%
USA:25.00%
でした。
🐣5年間運用してみたらどうなったのか?
5年間運用した時のパフォーマンスです。
データ数は356個あります。
最高リターン:+38.64%(2002年10月末から新興国で5年間運用)
最低リターン:-15.18%(2007年05月末から日本で5年間運用)
5年間の運用ではリターンのばらつきは3年間の運用に比べて小さくなりましたが、それでもばらつきが大きい事が分かります。
元本割れの確率は・・・
ACWI:26.12%
KOKUSAI:23.03%
EM:20.51%
JAPAN:50.56%
USA:25.28%
でした。
🐣10年間運用してみたらどうなったのか?
10年間運用した時のパフォーマンスです。
データ数は296個あります。
最高リターン:+21.44%(2011年12月末から米国で10年間運用)
最低リターン:-6.24%(1989年01月末から日本で10年間運用)
10年間の運用ではリターンのばらつきは小さくなって来たのでグラフは5%刻みで表示しています。
元本割れの確率は・・・
ACWI:8.11%
KOKUSAI:11.15%
EM:0.68%
JAPAN:48.99%
USA:15.54%
でした。
🐣15年間運用してみたらどうなったのか?
15年間運用した時のパフォーマンスです。
データ数は236個あります。
最高リターン:+12.62%(2003年01月末から新興国で15年間運用)
最低リターン:-5.68%(1988年04月末から日本で15年間運用)
15年間の運用ではリターンのばらつきは更に小さくなって来ています。
元本割れの確率は・・・
ACWI:0.00%
KOKUSAI:0.00%
EM:0.00%
JAPAN:38.56%
USA:0.00%
でした。
🐣20年間運用してみたらどうなったのか?
20年間運用した時のパフォーマンスです。
データ数は176個あります。
最高リターン:+15.85%(1987年12月末から新興国で20年間運用)
最低リターン:-4.69%(1989年02月末から日本で20年間運用)
20年間の運用では15年間の運用に比べて最高リターンと最低リターンの両方が上がりました。
こう言う事もあるんですね。
元本割れの確率は・・・
ACWI:0.00%
KOKUSAI:0.00%
EM:0.00%
JAPAN:41.48%
USA:0.00%
でした。
🐣元本割れの確率は?
年数/地域 | ACWI | KOKUSAI | EM | JAPAN | USA |
---|---|---|---|---|---|
1年間運用 | 30.94% | 28.47% | 33.42% | 46.04% | 25.50% |
3年間運用 | 27.37% | 25.26% | 26.32% | 43.16% | 25.00% |
5年間運用 | 26.12% | 23.03% | 20.51% | 50.56% | 25.28% |
10年間運用 | 8.11% | 11.15% | 0.68% | 48.99% | 15.54% |
15年間運用 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 38.56% | 0.00% |
20年間運用 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 41.48% | 0.00% |
日本単体の場合でも1987年12月末に運用をすれば、2022年07月末時点では元本割れしてはいません。
データを見てみると分かりますが10年間運用では国際分散投資型のACWI、KOKUSAI、EMはUSAに比べて元本割れが少ない特徴があります。
単純に運用年数を増やして行けば元本割れが減るとは言えませんが、大局的には長期、分散、低コストを守っていれば、元本割れの確率を下げる事ができると思われます。
リスクを考える上では大局的には短期運用では年率換算のリターンのばらつきが大きく、元本割れの確率が高いと言えますが、長期運用では年率換算のリターンのばらつきは小さくなり、元本割れの確率は下がると思われます。
下落相場では心構えも大事ですが、データの裏付けを理解しておけば、長期的には年率リターンの安定と元本割れは少なくなると思われます。
応援よろしくお願いします。
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