ヒトラーが妻エヴァとともに自殺するまでの、最期の12日間を描いたドラマ。Fuhrerbunker つまり総統地下壕と、ソビエト軍が迫り破壊され行くベルリンの街が舞台で、ナチの高官や軍人、そして名もなき市井のひとが主役である。
酒におぼれ続ける将官(よくあれだけワインの在庫があったものだ。輜重軽視の日本旧軍とはえらい違いだ)、ヒトラーの自殺に殉じ続くもの、そして逃げ出すもの。モラルの低下と狂信的個人崇拝の両極端だが、国家あるいは集団の末期の際には、人間はそれぞれの本質を見せるものらしい。
ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツもそうだし、ヒムラーやシュペーアもそうなのだが、恐ろしいほど実物に似ている。生き写しとはこのことか。映画がまるでドキュメンタリーにしか見えない。素晴らしい。
演説しているヒトラーを撮ったフィルムは豊富に存在するが、普段の話しぶりを記録したものはほとんどないそうだ。そのわずかな資料を基に、ブルーノ・ガンツは練習を重ねたらしい。
Posted by takahashiakira at
12:59
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