Espresso Diary@信州松本

エスプレッソ・ダイアリー。信州松本のコーヒー屋の手記。 RSS feed meter for http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/

2006年10月

「香港大富豪のお金儲け 7つの鉄則」。

香港大富豪投資をしない人にとっても、読みやすい一冊だと思います。『香港大富豪のお金儲け 7つの鉄則』。著者の林和人(42歳)は、バブル全盛の時代に岡三証券に就職し、勤務先の香港で大富豪たちと知り合い、やがてユナイテッド・ワールド証券を買い取ることになる日本人。私は香港の大富豪たちの考え方を知りたいと思って買ったんですが、ひとりの若い日本人サラリーマンがビジネスを通じて成長してゆく陰影のある物語としての魅力が充分にあります。マスコミやブログでは有名な金融マンがN.Yでの体験をウリにしている例が多いのですが、ここまで東アジアの成長が明らかになってくると、中国人に揉まれてきた人の体験談に耳を傾けてみたくなる人も多いはず。この本から、ひとつだけキーワードを拾うとしたら、"Reasonable(経済的合理性)"でしょうか。つまりは「理にかなったお金の使い方をしなさい」ということですね。続きを読む

「世界史」の学びをめぐって。

世界史県立の進学高も、文部省の方針に従わなくなったんですね。「受験を取るか?指導要領を取るか?」という選択は、簡単にいえば「本音か?建前か?」という話です。いまは父母も生徒も切実に受験の実績を求めますから、これは起こるべくして起きた現象。理想は受験という本音とカリキュラムという建前を一致させることですが、まあ無理でしょうね。今は進学高ばかりが話題になってますが、底辺校といわれるところでは、とうの昔から指導要領に沿った授業などは不可能だったはず。いまさらのようにマスコミが大騒ぎしていることが、私にはよく理解できません。

私の高校時代の担任は、京大の数学科を卒業したあと都立の定時制で教え、信州に戻ってきた20代の男性でした。前の学校での体験談を尋ねたときには、こんな答えが返ってきました。「ここに来る前は、両国高校の夜間で教えてたんだよ。場所がら中卒の相撲取りなんかも来てて、中学レベルの分数計算なんかを繰り返し何度も教えるんだよ。生徒には自分より年上のオジサンもいたから、一緒に酒を飲んで、いろいろ教えてもらうことも多かった」。それで錦糸町の馬券売り場に行くことを覚えてしまった、ということでした。京大を出た新卒の教師が、逆に生徒から競馬を教わっていたエピソードが、いまでも強く印象に残っています。

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地元力で考える日信工業への投資。

リース八ヶ岳山ろくの「ぶるうぐらす」からリースを取り寄せてみました。私のお店は松本城の近くなので、あちこちから来るお客さんに信州の秋らしさをお伝えしようと思いつきました。最近は、名古屋の好景気を反映してか、愛知県や岐阜県からの観光バスが目立ちます。松本城は、徳川家の近くに仕えた譜代の大名が転勤族のようにやってきたお城なので、それで街中には遠江の国に由来する「遠」とか、三河にちなんだ「三」という文字の入った老舗が多いんだとか。松本市も観光を考えるのであれば、有名人や大きなイベント、それに豪華な施設に頼るのばかりではなく、中京方面から来たお客さんが松本との繋がりをたどれるような催しや展示を、たとえ小さくても良いから継続的に試みた方が効果が上がるような気がします。続きを読む

佐藤栄佐久の逮捕と業界のもたれあい。

佐藤栄佐久福島県の談合は、前知事の佐藤栄佐久が逮捕される段階に進みました。東京地検が賄賂だと言っているのは、弟がもっていた土地を高く買ってもらった事実。土地という資産が値下がりを続ける中で、さらに公共事業に依存する道を選択していたところに、今の地方が置かれている苦しさを感じます。「不動産を高く買ってもらえれば、何とかなるのに…」。「大きな公共事業があれば、昔のようになるのに…」。いまだに、そう考えている地方のオジサンは、結構いるもの。だから、今回の福島県の談合は、特殊な人たちが起こした特殊な事件という気がしません。

これまで通りにマスコミに浸っている人なら、「談合は、けしからんっ!」「福島県はエリを正して出直せ!」と批判して溜飲を下げる場面だと思いますが、もう、ありがちな批判を繰り返してみたところで地域が豊かになれるわけでもありません。経済の流れを読みながら、自分たちの取るべきポジションを現実的に選んでゆかざるを得ないのが、これからの地方の道なのです。債券を発行して資金を調達しなければ、これまでの医療や福祉だって維持できませんから、県庁の職員だって債券市場の利回りには目を配らないといけません。もしも地域が転換できないのであれば、地縁や血縁の群れから距離を置き、自分なりの選択をしてゆくしかないのです。

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中国人が米国株を買っているのでは?

とうもろこしとうもろこしや小麦の価格が上昇しています。あるときは原油、あるときはゴールド。そして、またあるときは穀物というように、資金が循環しながら全体が競りあがっていく状態になっています。こうなるとコーヒー豆の値段が急に上がったとしても、おかしくはありません。商品市況が大きな活況を迎えるときは、まるで大きな螺旋階段を上がっていくような感じなんですね。短期的には目の前の風景がグルグル変わっていくんですが、いつのまにか自分の立っている場所がグーッと高くなっていることに気づくのです。長く商品の価格を見てきた人に、「もう商品価格は下落だよ」な〜んて思っている人は少ないと思います。

私も為替王さんと同じように、アメリカが利下げに転じる可能性を低く見ています。円高を予想する人には、アメリカ経済の減速が進んで利下げを呼び、そこに日本の利上げが組み合わさって、日米の金利差が小さくなるだろうから円高…と流れを考えている人も多いようです。たしかにアメリカの利上げは、ずーっと続いてきて停止している状態ですから、その方向の転換に思いが向かう気持ちも分からなくはありません。しかし私は、連邦準備制度理事会のベン・バーナンキ議長のインフレに対する意識は、かなり強いと見ています。景気の落ち込みに対して機敏に行動して神話を築いたアラン・グリーンスパンの時代は、そのまま商品の価格が低迷し続けた時代に重なりますが、いまは、そういう時代ではありません。日銀の福井総裁が最近の記者会見で、「米国経済について、やはりアップサイドリスクということも考えておかなければいけない」と繰り返しているんですが、これはインフレ懸念のこと。福井総裁も、さすがに他国のインフレについては回りくどい言い方になっていますが、アメリカ経済に関して言えば、物価あるいは賃金の上昇に注意を払うことが大事だと思います。

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円キャリートレード。

「マーケットに評価していただく」。地方債について質問された県知事の村井仁さんが、NHK長野放送局の番組で答えました。私は、この一言を聞いてホッとしました。マスコミに評価してもらうことばかりを考えていた田中知事には、市場からの評価を受ける意識がありませんでした。知事は4年ごとに行われる選挙だけでなく、常に市場から評価を受けるのですから、これは有権者にとって歓迎すべき状態です。もしも村井県政が不透明で財政を危うくするような政策を進めれば、そのときは市場が声を上げてくれるでしょう。高い金利という表現によって。続きを読む

学校に行かないことを選べる社会。

「日本の小学校は、素晴らしい。しかし、中学ではイジメで自殺する子供もいる。オレは、自分の子供をつれて国に帰ることにしたよ」。私は、こう語って帰国したブラジル人とアイルランド人を知っています。彼らは「苛められるタイプは、みんなと違っている子供なんだね」と話し、警戒心を隠しませんでした。小学校に対する評価が高いのは、彼らにとって苦手な漢字を、子供たちが次々と覚えてゆくのを目の当たりにしたせいもあったのかも。日本は、宗教や民族の対立は意識されないほど小さいですが、同じときに同じように振舞ったり行動しないといけないプレッシャーが強く、それで微細な違いが大きく意識されがちな社会だと思います。続きを読む

『サラリーマンは2度破産する』。

サラリーマンは2度破産する『家庭の医学』という本がありましたが、これは『家計の経済学』と副題を付けたくなる本です。『サラリーマンは2度破産する』というタイトルは、中流の家計が回らなくなる2つの原因を暗示しています。ひとつは子供の教育費。もうひとつは、老後の生活費。書いた人は、1万以上の世帯から家計に関する相談を受けている人なので、なかなか説得力があります。もしも私がサラリーマンの男性と付き合っている女性だったら、カレにこの本をプレゼントすることでしょう。教育費、保険の見直し、クルマ、そして住宅ローンと、日本の実情に沿った話が金額を伴って書かれているので、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん』シリーズより身近な感じがします。

日本人の中だけにいると気づきませんが、日本の中流家庭を出入りするお金は、世界の水準を考えれば大きいといえます。入ってくるお金と出て行くお金の量が大きければ、それに見合うだけの意識を持っていないとリスクが大きい。しかし、日本のマスコミに流れている中流家庭のイメージは「家計をマネイジメントする」という感覚からは遠く、豪邸を拝見しては驚き、ワーキング・プアーと呼ばれる人が出てくれば同情し…という情緒的な映像が毎日のようにばら撒かれている状態ですから、まず前提として、日本のマスコミから距離を置くことが大事だと思います。

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行天豊雄の3つの教訓。

円安が意識された1週間でした。北朝鮮が核実験を発表して円が売られたんですが、それでも、せいぜい116円から119円までの動きです。この数年のドル円相場を振り返ると、やはり変動の幅が小さい。もう極東アジアで実際の紛争でも起きない限り、大きなドル円の変動はないのでは…と思えるほどです。今は1USD=110円という水準が、とても遠くに見えます。数年前までは、極端な円高や極端な円安をタイトルにした単行本が書店に並んでいましたが、そういう刺激的なタイトルも、あまり見かけなくなりました。

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いざなぎ景気と談合は、表裏一体の関係だったのでは?

いざなぎ景気「いざなぎ」は、古事記に出てくる神さまの名前。昭和の初めは学校で神話を教えられた少年少女が多く、その人たちが戦後の経済の担い手になったので、それで「神武景気」とか「岩戸景気」みたいなニックネームが付いていたんですね。TVのニュースは「いざなぎ景気を超えた」とか言っていますが、あの頃は年に10%ぐらいの経済成長が当たり前で、いまはせいぜい1%とか2%ぐらい。もう高度成長のときのように多くの人たちが同時に、そして同じように景気の回復を実感できる時代ではなくなりました。私は、「景気」そのものが昭和の神話になったんだと考えています続きを読む

鈴木宗男と佐藤優の『北方領土 特命交渉』。

北朝鮮が核実験をしたと発表しました。いまは安倍総理が中国と韓国を訪問しているときですから、東アジアで孤立を深めるキム総書記が強く出たということでしょう。この状態を裏返して考えれば、日本と中国、日本と韓国との関係が、それぞれ冷却していたこれまでの状況の方が北朝鮮にとってプラスだった…とも言える。「反核と平和」を訴え続けてきた社民党や自治労の人たちは、今すぐにでも北朝鮮に対して強い抗議をしないと、これまでやってきたことがウソになってしまうでしょう。CNNは、昨日、一昨日あたりから、近日中に北朝鮮が核実験を行う可能性について強い調子で報道を続けていました。日本のマスコミは、どうだったか?改めて日本のメディアだけに接しているリスクを感じます。
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『若者はなぜ3年で辞めるのか?』

若者はなぜ3年で辞めるのか出るべくして出た本ですね。城繁幸の『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』。私は、梅田望夫の『ウッブ進化論』と対をなす一冊だと思います。数々の「グーグル本」が、アメリカの若い技術者たちによる世界の変革を描いているとしたら、城繁幸の本は、日本の若い世代が抱える閉塞感を描いてるといえる。いま「Web2.0」という言葉に前のめりな期待がかかっているのも、裏を返せば、それだけ日本の社会に厳然と存在する年功序列に対して変革を求める声が強いからではないかと思います。

長野県の知事選では、30代の人たちに田中康夫さんを支持する人が多かったんですが、これは分かる気がします。30代は、住宅ローンや育児の負担を抱え、これからの社会保障の負担が重くなってゆく世代です。ようやく仕事の要領も覚え、家庭も落ちつき、ふと世の中や自分の将来を考えてみると、「こりゃあ、騙されてるんじゃないか?」と感じる人が多くても不思議ではない。組織の運営という点で田中さんほどダメな政治家は珍しいですが、しかし、「オレたちに借金を残すな!」「ジジイばかりが威張っている日本で、どうする!」という声を受けとめる働きを田中さんがしたことは事実です。私も、最初に田中さんの選対に入ったときには30代でしたし、残業や育児で時間が取れない同世代の代わりに、自分が事務所や集会に出かけているという意識は持っていました。いま長野県では、来年の夏の参議院選に田中さんが出るのでは?との見方がありますが、私は田中さんが参議院議員になっても良いじゃないか…と考えています。国会議員なら、知事職と違って数多くの職員たちを追い詰めることもないでしょうから。

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ブラジル大統領選と日本。

ルーラ大統領ブラジルの大統領選は、ルーラ優勢。この人は、ずっとPT(ペーテー)という野党の党首だったんですが、私はリオ・デ・ジャネイロのホテルで党のコマーシャルを見たことを思い出します。全てのチャンネルが一斉にふだんの番組を途中で打ち切り、シンボルの赤い旗が翻る宣伝番組ばかりになってしまった。私は「クーデターが起きたんじゃないか?」と思って、窓のカーテンを開けてリオの街を見つめたほど。日本の常識では、考えられないことです。続きを読む

やっぱり買えない日本国債。

きょうは日銀の短観が良い数字で、日経平均は上昇中。私のような人間は、つくづく短期の取引に向かないですね。前回に続いて、日本国債を買いにくいと思う理由を書いてみます。
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国債は、大きな騙しのような気がしてしまう。

「消費税などの歳入の抜本的な見直しは来年になる」。政調会長の中川昭一さんが、毎日新聞のインタビューに答えています。自民党の税制調査会の会長は、財政の再建に前向きな与謝野馨さんに決まりました。成長路線と言われる安倍内閣も、消費税率のアップは避けられそうもありません。安倍総理は消費税アップの論議を、内閣ではなく党の側から始めさせようとしているのでしょう。普通の人にとって小泉内閣と安倍内閣との一番の違いは、「私の在任中は、消費税率を上げない」と言い切っているか?いないか?の違いです。でも、この点を強調している報道は少ないですね。続きを読む
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斉藤久典
信州松本のコーヒー屋。1963年生まれ。自作ホームページ→ヤフー掲示板→ライブドアBlogと移動してきました。




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