Espresso Diary@信州松本

エスプレッソ・ダイアリー。信州松本のコーヒー屋の手記。 RSS feed meter for http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/

2008年11月

MUMBAI ATTACK

sensex 日本の国内で営業を担当していた会社員が出張先で殺害されたところに、この事件の怖さがあります。86年には三井物産マニラ支店長が誘拐され、96年には在ペルー大使館で人質事件が起きましたが、巻き込まれるのは長く海外にいた人たちが多かった。2008年の現在は、バンコクの空港が占拠されて影響を受けている日本人も多い状態ですから、揺らぐ新興国を呑気に、そして単純に見下していられた時代も終わりです。いまは地方の高校を卒業したあと、地元の企業に就職した人が、アジアで数ヶ月を過ごすことも珍しくはありません。「インドは中国とは違い、世界最大の民主主義国だ」といった話も揺らいだでしょう。幸いインドのSENSEX指数は、プラスで終わっています。続きを読む

官僚への不信は終わっていない。

サマーズ バラク・オバマの経済チームの登場で株価は上昇。28歳でハーバード大学の教授に就任し、90年代には財政赤字を改善したローレンス・サマーズが、市場には頼もしく見えたのでしょうか。次期大統領は、景気の刺激策によって250万人の雇用を生みだす点を繰り返していました。アメリカは州レベルでも、○○人の雇用を生むというスピーチが当たり前のようになっています。

バラク・オバマは、not only〜but also〜という言い方をよく使います。 昨日は「ウォール・ストリートのためだけでなく、メイン・ストリートのためにも」と言ってました。企業を救済することへの批判を意識しているのでしょうが、白人と黒人のような対立を政治によってまとめあげるという意識が常に貫かれているようにも見えます。質問のために手を挙げる記者を指名するときに、いちいち名前や社名を言うところにも、良いコミュニケーションを創り出そうとする姿勢がにじみ出ています。

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非政治的なテロ。

原油 原油は、50ドルまで下落。07年1月の水準まで戻りました。松本あたりのスタンドには「セルフ121円」という表示がありますが、「ぼくは会員で118円」という人もいますから、価格の叩き合いが進んでいる気配。ゴールドは820ドルですから、原油に比べるとかなり安定しているといえます。

先日は、知り合いの方の運転で国道19号線を塩尻方面に向かっていたんですが、手持ちの現金が少ないことに気づき、セブンイレブンに寄ろうと思ったところ、これがなかなか現れない。ローソンやファミリーマートはあるんですが、セブン銀行が見つかったのは塩尻市の郊外でした。ふと思い出したのは、高速道路を無料化する話。高速の料金が大きく下がったり、無料になったりすれば、全国のあちこちでロードサイド店の衰退が進むことになりそうです。安曇野市に住んでいる人は、「四つ角にあったコンビニが、どんどん無くなっている」と話しています。かつては便利で目立つ場所にあった店舗が、クルマの出入りの不自由な場所へと変わってきているようです。

軽井沢のアウトレットは、店舗を増設。県内では入間などと競合していると報道されています。少し前まで、長野県の商業施設が埼玉県の店舗と客を奪い合うニュースなど考えられませんでした。松本の駅前の飲食店では、「人が多いときもあるんだけど、いないときは全然いない」という声が強まっています。時間的にも空間的にも、ヒト、モノ、カネの流れる範囲が狭くなっていて、流れの粗密や地域による濃淡が強くなっていることが、生活の中でも実感されるようになってきました。

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水村美苗の「日本語が亡びるとき」。

日本語が亡びるときこれは、12歳で日本を離れ米国で育った女性が書いた熱烈なラヴレター。日本の近代文学、とりわけ夏目漱石に対する愛着の深さが、並大抵ではありません。私は遠いブラジルの地で日本を想い続けた日系人の歴史を思い出し、また同時に、新たな漱石論が出現したようにも感じました。さまざまな漱石論に親しんできた読者ならば、この本が柄谷行人の著作を踏まえていることに気づくでしょう。

柄谷行人は、『日本近代文学の起源』で次のように書いています。

近代文学を扱う文学史家は、「近代的自己」なるものが、ただ頭の中で成立するかのような考え方をしている。しかし、すでにいったように、自己(セルフ)が自己として存在しはじめるには、もっとべつの条件が必要なのだ。たとえばフロイトは、ニーチェと同様に、「意識」をはじめからあるのではなく「内面化」による派生物としてみる視点をとっている。(中略)

フロイトの説においてもっとも重要なのは、「内部」が存在し始めるのは、「抽象的思考言語がつくりあげられてはじめて」可能だといっていることである。われわれの文脈において、「抽象的思考言語」とはなにか。おそらく「言文一致」がそれだといってよい。言文一致は、明治20年前後の近代的諸制度の確立が言語のレベルであらわれたものである。いうまでもないが、言文一致は、言を文に一致させることでもなければ、文に言を一致させることでもなく、新たな言=文の創出なのである。

日本が西洋という外部との緊張に晒されることで、日本という「内部」が意識されるようになった。そこで必要とされたのが、日本語という名の抽象的思考言語としての国語である、と言い換えてみても良さそう。つまり、国民という意識は、頭の中で成立するものでも、はじめから存在するものでなく、国民的な言語空間(国語)の成立なくしては在り得ないものなのだと思います。

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変わる国籍法。進む日本の開国。

ワシントンD.Cは、デトロイトを救うのか。アメリカでは政治と経済との綱引きが続いていますが、後景ではG20が浮上していますから、時間が経つにつれて世界の政治と市場との綱引きがテーマになってゆきそう。ブルームバーグの報道を見ると、新興国が存在感を示そうとしている動きが伝わってきます。

ブラジルのルラ大統領は記者団に対し、「G20の参加国を除いて政治的、経済的な決定を下しても意味がない」と語った。インドのシン首相もG8は「もはや時代の要求を満たすには十分ではない」との見解を示した。

また、ロシアのメドベージェフ大統領は国際金融システムの改革ではG20 を主な調整役とする一方、世界の安全保障問題では引き継きG8を議論の中心とするよう提案した。

麻生総理と中川大臣は、不良債権を処理した経験を踏まえてリーダーシップを発揮するとか言ってましたが、CNBCやBBCの報道を見ると、そうなっているようには思えません。発言が注目されているのは、フランスやブラジルやロシアの指導者たち。さすがにCNBCは経済専門チャンネルなので、為替が円高に振れたときには榊原英資の名前が出たり、トヨタや任天堂の業績がニュースになったりもします。しかし、BBCのワールド・ニュースには、日本の話題が出てくることからして珍しい。貿易の問題といえば日本という時代は遥か遠い過去になり、日本の埋没が現実味をおびてきたように思えます。

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内需の拡大を妨げる「モノづくり」の呪縛。

サミット いよいよ金融サミット。見どころは、もりだくさん。20ヶ国は信用不安に対して団結できるのか?為替についての言及はあるのか?新興国と先進国との関係はどうなるのか?お金の流れを監視&規制する新しい仕組みはできるのか?日経の一面には「ドル機軸維持へ努力」という麻生総理の方針が載っていますが、同時にフランス大統領の「米ドルはもはや唯一の基軸通貨ではない」という発言も出ていますから、合意は簡単ではなさそう。おそらく今回のサミットだけで市場を安心させるまでの合意は達成されず、合意を形成する論議の始まりという形になるのではないか、と私は想像しています。続きを読む

埋没してしまうリスク。

犬について語るバラク・オバマは、おそらくフランクリン・D・ルーズベルトを意識しているのだと思います。デイヴィッド・ハルバースタムは、メディアの権力〈1〉 (朝日文庫)に、次のように記しています。

ルーズヴェルトは、自分の妻や子から飼犬のことまで話した。それから30年。トルーマンやアイゼンハワー、ケネディの飼犬の名を忘れた驚くほど多くのアメリカ人が、ルーズヴェルトの犬の名前を覚えていた。彼が愛犬ファラについて話したからだ。私のかわいいファラ――私のファラが、共和党の批判を聞いてカッカと怒っているのです、などというわけだ。

恐るべき熟練であった。スタジオにいても、家庭のラジオの周囲に坐っている人たちが見えるかのようだった。マイクに向かってしゃべるのではない。家庭へ直接話しかけるのだ。ワシントンが暑ければ、水を一杯所望する。そして聴取者に謝った。これがまたうける。なんと人間くさいことか、大統領が水を欲しがるなんて、と。

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給付金詐欺に、ご用心。

還付これから増えるんでしょうね。給付金詐欺が。政策が自民党で二転三転すれば、得をするのは犯行グループ。今ごろ彼らは、食い入るようにニュースを見ていることでしょう。近所の八十二銀行のATMには還付金詐欺に騙されないよう呼びかける注意書きが貼ってありますが、高齢者に「給付金」と「還付金」の違いが分かるようには思えない。私は知り合いの高齢者には、「給付金サギが増えるから、気をつけた方が良いですよ」と言うようになりました。続きを読む

学歴信仰バブルは崩れるか。

オバマ アメリカの大統領選挙は、長い時間と莫大なお金をかけて、アメリカ人が自画像を描いていく過程。ワールド・カップの試合が進むうちに世界の視線がひとつのボールに集まってゆくように、世界の目や耳が独りの人物へ集まってゆく。CNBCでは、ジャック・ウェルチが新しい大統領について「スリリングだ」、ドナルド・トランプが「良いコミュニケーションを創っている。多くの人々をインスパイア(鼓舞、触発)している」と、それぞれ語っていました。

おそらくアメリカと中国との関係が重要になってゆく歴史の流れは変わらないだろうと思います。日本の外務省の担当者は、「アメリカがどう対応するかというよりも、日本として主体的に何をしたいのか示していくことが大切だ」と言っていますが、求められている主体性はヒトとカネを外に出して安全保障に責任を持つことですから、いまの日本の輿論や政治状況を考えると、ちょっと難しそう。もしも変化が起きるとすれば、国会のネジレが解消して小沢一郎さんが総理大臣になり、90年代にPKOを推進したときのような豪腕を振るう可能性が考えられますが、なにしろ日本では高齢化が進んでいますから、「海外のことよりも自分たちの生活を何とかして欲しい」という感情は強まるばかりだと思います。

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ミス松本は、中国人。

ミス松本 2009年のミス松本は、留学生の官琳(21)さん。「なんでまた中国人が…」と思う人も多いかもしれませんが、地元で暮らしてきた私は、「まぁ、そういう時代なんだろうな」と感じます。ひと昔まえなら「職場の華」といわれるようなOLさんが、地方の街のミスになることが多かった。しかし、いまは派遣が多いし、また、少し容姿に自信がある女の子ならキャバクラでも稼げる時代。信州からは20代の若者が流失しているうえに、中高年の男性が好む、真面目そうでハッキリした喋りで容姿端麗…というタイプの日本人の女性は絶滅が危惧されているような状態ですから、中国人が松本の顔として選ばれても不思議ではありません。
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barackobama.com の成功。

諸葛亮 アルバイトの留学生が、iPhoneで何かを読んでいます。見れば、諸葛亮の出師表。アメリカ生まれの携帯電話に三国志の時代の文章が載っていて、それを日本にいる若い香港人が読んでいる光景は、とても現代的に見えます。

日銀&日経による利下げは、0.2%でした。再び株価が強く下げて為替が円高に振れるようなら、さらなる0.2%の利下げもありそう。下げ幅を0.25%にしなかったところに、ゼロ金利にしたくない日銀の強い意思が現れています。世界的に株や不動産などの資産価格が大きく下げているので、デフレを懸念する声も出てきました。いくら金利を下げて資金を流そうとしても、なかなか景気が強くならないデフレは、多くの日本人が身にしみて体験しています。

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livedoor プロフィール

takahashikamekichi

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斉藤久典
信州松本のコーヒー屋。1963年生まれ。自作ホームページ→ヤフー掲示板→ライブドアBlogと移動してきました。




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