NTT(9432)とスカパー(4753)が提携。一本の光ファイバーでBSとCSと地上波が見られるなら便利です。これは、TBS(9401)と楽天(4755)の提携よりも現実味がある話。株価はスカパーが+9.40%の急騰。楽天は、きょうも売られて−3.49%で終わってる。気がつけば楽天が孤立している感じです。私は楽天の株を買おうと思ったことがありません。米国のアマゾンにヒントを得たと言われる楽天ですが、お金と時間をかけて流通のインフラを整えてきたアマゾンと違い、楽天はネット上のショッピング・センターのような会社です。だから「楽天ならでは」の独自の技術や発想は何だろう?と考えてしまうんですね。あのビジネス・モデルは参入障壁が低くそうに見えるし、そのうえ「日本語」とか「日本」という枠の中に留まっているイメージが強い。

大西宏さんがトラフィックという「数」で楽天とライブドアを比較していますが、この2つのIT企業はアクセスする人の「質」にも違いがあると思います。ネット通販で先行した楽天ユーザーには「消費者」としての性格が強く、後から買収で追い上げてきたライブドアには「投資家」タイプが多いような気がする。私は「賃金」に消費が左右される時代から、「資産」に消費が左右される時代に変化すると考えているので、ライブドアに期待できるかも・・・と考えています。ライブドアには、自ら積極的にリスクを取って、しかも打たれ強いブログが多い印象もある。

いまの楽天は、幅広い消費者の支持がありながら株価が下落している状態なんですが、似たようなことは、これまでもありました。ソニーがプレステ2を発売したITバブルのピーク時には、掲示板で多くのソニー・ファンの期待と失望の声が交錯していました。日本マクドナルドスターバックスも、幅広い消費者の期待が集まって株価は高く始まりましたが、その後は長く下落を続けることになりました。フリースが爆発的にヒットした頃のファーストリテイリング(ユニクロ)も、似たような歩みをたどりました。株式投資は、よく「美人投票」に例えられます。2000年のソニー、2001年のマクドナルドやスタバに教訓があるとすれば、人気をかぶった目先の美人ではなく、たとえ地味に見えても、近い将来、美しくなりそうな人こそ注目に値する、ということだと思います。

株式を考えるとき、私は「将来のテーマの広がり」を意識します。いまは内需関連の株が強いんですが、日本は少子高齢化が進んでおり、地方の隅々にまで一流の電化製品が浸透している先進国です。だから、日本の外でもやっていける企業という視点が重要になる。日信工業は、ホンダ系のブレーキを作っている長野県の会社で、四輪(クルマ)だけでなく二輪(バイク)にも強みがあります。財務や業績が良く、割安に評価されている自動車部品の会社は他にもあるんですが、系列を超えた取引がある点も日信工業の特徴。地元の企業なので信濃毎日新聞や日経の地方面で記事を見かけることも多く、関係者の話も伝わってきます。しかし、日信工業が東京のマスコミで大きく騒がれることは少ない。つまり、ローカルで見ても、グローバルに見ても魅力があり、かつ東京のマスコミではマイナーな存在というのが、この銘柄の特徴なんですね。

東京のマスコミだけを中心にして社会を見る癖が強いと、投資で高値づかみをするリスクが高いと思います。ソニー、日本マクドナルド、スタバ、ユニクロ・・・を高値でつかんだ人々の共通点は、そこにあるのではないか。いま楽天の三木谷さんが厳しい局面に陥っているのも、余りにも東京のマスコミを中心に社会を見て、投資を傾けているところに原因がありそうです。ソフトバンクの孫正義やホリエモンからは福岡の匂いが、村上ファンドの村上世彰からは大阪の匂いが伝わってきます。しかし、三木谷浩史という人は、地元の神戸にサッカークラブを持っているにも関わらず、なぜかローカルな雰囲気が漂ってきません。これが不思議なところです。