空きビル松本は、まだまだビル余り。駅前の長野銀行の支店の跡は、ご覧のとおりです。銀行が出た場所は次の利用が難しいと言われてはいますが、松本駅から徒歩1分ほど、国道沿いの四つ角という立地でこの状態ですから、あとは推して知るべしです。私は地方の不動産は、まだ下がると感じました。

株の配当を受け取りに近所の郵便局に行くと、投信のパンフレットが置いてあります。「こんな人が郵便局で投資信託を買っています!」というページを見ると、「60歳以上80歳未満」が半数以上と書いてあります。購入金額は、「10万円未満」という人が半数。職業別では主婦を含む「無職」が、年収では「200万円〜500万円」の人が半数ですから、退職後に少しの蓄えを投入している人が多いことが分かります。今月は近所の八十二銀行のビルに「アルプス証券」という看板が登場しましたが、あれは個別銘柄を売るための受け皿なのでしょう。もはや「株への投資=金持ち」というイメージを振りまくのは時代遅れだし、有害にもなりかねないのです。「株は危ない」だとか、「手を出すのは金持ちだ」とか言うのであれば、投資に代る中高年のための備えに言及すべきです。もしも、それがあるとすれば…の話ですが。

日銀による年内の利上げがないとの見方が広がって、1USDが117円まで円安に戻っています。私は1ドルが115円のあたりでユナイテッド・ワールド証券の口座に入金をしました。以前から書いてきたとおり、円が香港ドルに対して高くなった頃を見計らったのです。日銀の利上げは、07年の1月か2月でしょうか。そのときは為替が円高に振れると思いますので、そこでコーヒーの先物を買うことになそうです。いったん利上げが行われた後は、次の利上げまでは時間がかかると見る意見が広がるので、再び円安へのゆり戻しが起きるかも。よくテレビ番組で紹介される投資は、パソコンの画面を並べて「売った、買った」を繰り返す光景ですが、あれを鵜呑みにしていたら投資に対するイメージを歪めてしまいます。ふだんから中長期で買う対象に目星をつけておいて、為替の流れを見ながら、タイミングを考えて買ったりする。あるいは近所の街の風景に目を留めて、その意味を考えてみる。そういう地道な話なのです。これは私の場合ですけど。

官房長官の頃にはゼロ金利の解除に異論を唱えていた安倍晋三さんですが、いまは日銀の「専権事項」と語り、判断を委ねる態度です。これは海外への配慮でしょう。もしも総理大臣が利上げを抑えるような発言をすれば、それは自国の通貨を安く抑えるための発言として受け取られてしまいます。ユーロ高やアジア通貨高が進む中で、日本ほどの輸出大国が、そんなことはできない。日本銀行を取材している本石町日記さんが、利上げに対して積極的な日銀を「関東軍」に例えていますが、私は逆で「国際協調派」という風に受け止めています。欧州やアジアに通貨に対して円安の流れは明らかだし、しかも金利の動向に市場の関心が集まりやすい場面ですから、福井総裁も世界各国との協調を意識しているのではないでしょうか。

謝企華来年は、人民元への注目が強まるでしょう。中国が話題になるたびにウンザリしてしまうのは、すぐに「一党独裁だ」とか、「バブルだ」とか、表面的なイメージを喋って何かを語ったような雰囲気にしようとする人が多いことです。最近は日本の新聞にもハイアールや上海宝鋼集団公司の女性経営者が登場するようになりました。大切なのは、地理や歴史をふまえつつ、企業や通貨の変化を見てゆくことだと思うし、ひとまとめに中国を大雑把に理解しようとしたところに、日本の軍隊の失敗があったようにも思えるのです。

私の場合はアタマの中に描いた理屈ではなく、実際にあれこれ見聞しないと納得できない古いタイプの人間なので、中国人の女性が働くパブなどに行き、投資対象をより身近に感じたいとも思うのですが、なかなか近所にそういうお店がないのが悩み。来年もマスコミを鵜呑みにせず、街や大衆文化の中に投資のヒントを探し続けたいと考えています。だからこそ、空きビルが増える街の変化が気にかかるのです。