松本では元旦も営業する飲食店が増えています。駐車禁止や飲酒運転の取り締まりによって、こんなにも街がガラガラになると1年前に予想できた人は少なかった。成人の日が過ぎて道が凍れば、さらに人の姿が減ることは分かりきっていますから、稼げるときに稼いでおきたいという人が増えているのです。昨日の日経の一面トップには、10〜11月の銀行の融資残高が減っているという話が載っていました。やはり自動車やファンドへの貸し出しが伸びていて、小売や飲食業への貸し出しが減っているんですね。もしも1月か2月に日銀の利上げがあれば、地銀や信金の営業マンたちは取引先に金利を上げる通告の電話をするでしょう。ただでさえ廃業が多い地方の小さな商売は、さらに淘汰が進むのです。

先日、松本市役所の商工課の人にお会いしたときには、思わずネットの重要性を強調してしまいました。もう役所だのみ、税金だのみの商売ではダメだ。今までどおりに商業団体の行事を続けていても、成果は上がらないし、潰れる店も増えるばかり。ケータイやネットの活用を広げてゆくしかない。そういう話をしました。地元のローカル紙も、懐古趣味を強調するのもいい加減にしないとダメですね。地道に地域に貢献して勲章を貰った人がいる。昔の商店の記憶をたどって記録にまとめた人がいる。そんな記事を読むたびに私は、「分かった。もう分かったから。それが間違っているわけじゃないけど、いま紹介しなきゃいけないのは、別のことでしょう」と言いたくなってしまいます。

町内会や商工団体のオジサンたちが会合を開くのは、夕方の6時や7時から。その時間に実際に街にお客さんを集めているのは、立ったまま仕事をしている美容師であったり、あるいはケータイでメールを書いているキャバ嬢だったりするわけです。もう、この時点で世代間のギャップが露になってしまっている。オジサンたちの集まりで出てくるのは、「田中県政を検証する必要があるっ!」とか、「まずは大きなグランド・デザインを描くことが大事だ」という、大変ご立派で勇ましいお話なんですけど、私は心の中で「そんなことより、まずはメール書きましょうよ」と考え、ついタメ息が出てしまう。そんなことが何度も積み重なって、もう出席することが空しく苦痛になってしまいました。だから最近では「すいません。年金を払うために仕事をしますから…」と、なるべく出席を断るようにしています。

隣の町内でバーをやっているHOSHIさんがブログを始めてから、まだ2ヶ月ですが、グーグルで「信州 バーテンダー」と検索するとHOSHIさんのブログがトップに出ます。「信州 バー」だと5番目ですね。ちなみに「信州 松本」で検索すると、私のブログが3番目に出る。最近はバーの街、松本というサイトもありますし、ラーメンに関しては以前にもご紹介した信州松本ラーメン情報が傑出しています。サマンサタバサの社長が「相手に合わせるのではなく、まずは相手に認めてもらうことが大事だ」と語っていますが、これだけ地方の街のリアルな世界が閑散としてくれば、お客さんたちが部屋にいてネットに接する時間も増えるのですから、自分たちの存在を認識してもらうためにも、待ち受ける準備をしておかなくちゃいけません。団体を作って行政からお金が来るのを待つような手法は、もう古いのです。

長野県のSNS「N」が事務局による招待の受付を止めたようですので、もしもメンバーとして登録しておきたいという方がいらしたら、espresso@avis.ne.jpまで、ぜひご連絡ください。商工会議所、青年会議所、市役所、県庁、信濃毎日新聞、松本市民タイムス、信州大学、その他多くの団体の皆さん。ブログや地方のSNSは、動きを見ておいた方が良いと思います。来年は、ITと地域経済との関係が重要なテーマにならざるを得ませんから。

ITの技術に詳しくない地方のコーヒー屋の私に、こんな手探りができるのも、毎日のようにアクセスし、お読みいただいている皆様のおかげです。信州を離れ、都会や海外で活躍されている皆さんも、地元のブログにアクセスするだけで、故郷に貢献していることになると言えるでしょう。いまや日本人だけのニッポンでないように、信州人だけの長野県ではない時代に入ったと思います。06年中は、ありがとうございました。07年も、よろしくお願いします。