任天堂ACCESS(4813)が30万円近くまで下げました。とほほ。iPhoneが出て、ブラックベリーが上陸し、「もう日本のケータイはダメだろ」という意見が強くなっているのだと思います。英国"O2"も豪州の"テルストラ"もiモードから手を引きますから、ドコモの海外戦略は再び暗礁に乗り上げたと言える。きょうの日経には「民放テレビ局 業績悪化」と出てますが、ケータイに限らず、総務省が主導している情報通信の政策が行き詰まっているのだと思います。私は地方にいるので分かりませんが、都会の街角でワンセグのテレビ放送を見ている人って、どのくらいいるのでしょう?京都にある任天堂の株価が5.53%と上昇しているのを見ると、行政の指導が強い業界ほど低迷しているようにも感じます。iPodやiPhoneのような製品を創り出すために、スティーブ・ジョブスがワシントンの商務省を頻繁に訪れるような光景は、ちょっと想像することができません。池田信夫ブログは、次のように書いています。

先週、ある企業の幹部から「こういう会議に当社もおつきあいすることになったんですけど…」といって「ICT国際競争力会議」と題した冊子を見せられた。そこに並んでいるメンバーは、松下電器、KDDI、シャープ、富士通、ソフトバンク、ソニー、東芝、NHK、テレビ朝日、日立製作所、NEC、NTTなどの社長や会長で、議長は総務相だ。「こんな財界のコンセンサスで何かできると、役所はまだ思ってるんですかねぇ」と彼は溜息をついた。

総務省は、まるで「遅れてきた通産省」のようです。国立大学の卒業者を集めたエリート官庁が業界の幹部を集めて指針を決めてゆくのでは新興国の経済の姿だし、まして変化の激しい情報通信の世界で、いつまでも護送船団のようなことを繰り返していたら、日本は取り残されてしまうでしょう。もう日本ほどの成熟国になれば、役所は安全や健康にかかわる基準を決めたり、国民の最低限の生活を守ることが主な仕事で、民間の企業がどの分野にどんな風に出てゆくのか?なんてことは、それぞれの企業が決めてゆくのが当たり前だと思うんですが、どうも日本の常識は違うようです。松下電器はプラズマ・テレビ、シャープは液晶、東芝は資源と、それぞれの企業の強みを意識した選択が重要になっていることは既に明らかです。

参議院選挙は、自民党が負けると思います。それでも衆議院では自民と公明が多数派ですから、法案を通すために手間と時間がかかることになります。したがって半年ぐらいは、日本の混迷が深まってゆくと予想します。そんなことをしている間にも高齢化は着実に進みますから、さっさと自分のお金を外に出して、ほかの先進国の高い金利を得たり、あるいは成長力の強い新興国に投資をして利回りを得ようとする人は増えるばかりだと思います。

私は、もう「日本は、こうすべきだ」という意見に対して関心が薄くなってきました。それよりも、「どんな状況になっているのか?」「それは、どう変化してゆくのか?」と考えて、「自分にできることをやってゆくより他にない」と思う気持ちが強くなってきました。すでに知事選など地元の選挙に関わり、政党、組合、業界団体、市民運動などの動きは見てきましたし、それらの世界では金融と経済に対する意識が弱いことも痛感してきました。いつも書いているように、ひとつの政策を実施するためには、たとえ地方レベルであっても途方もない時間とエネルギーが必要ですから、ちょっとした思いつきや空想がブログに書かれていても、「それでは説得力が乏しいだろう…」と感じてしまうのです。放送局も、IT企業も、官庁も、内へ内へと意識を強めるのであれば、多少のコストはかかったとしても、外を知ろうとする少数派でいた方が良いと考えています。