ドル1USD=111JPYと、円安に振れています。原油など資源の価格が下がっているので、カナダや豪州のような資源国の通貨も弱い。 あるときは原油、あるときは農産物、またあるときは株式…という風にお金が回っています。ここから株が上がり続けてくれるかどうか?が当面の焦点ですが、大きく見れば、やはりインフレ傾向なのだと思います。

新聞には、冬の「個人むけ国債」の広告が出ています。このところ債券市場にお金が流れていたので、5年の固定が0.94%、10年の変動でも0.68%なんて金利になってる。ここから税金を引いたら、それぞれ0.752%と0.544%にしかなりません。ガソリンや食品の値上がりを考えると、以前にも増して頼りない利息。それでも多くの日本人は、国債を買い続けるのでしょうか?国債は、ほんとうに安全で確実なのでしょうか?

先日は、「三軒茶屋の食料品店では、時給が1,250円」だと取引先の人に教えてもらいました。いよいよ賃金も上がり始めたようです。松本では介護の資格を持っていても、時給は800円に届きません。私は、さらに多くの若い人たちが都会へ流失してゆくと思いました。よくよく考えてみれば、1,200円以上の時給で都会で暮らす方が、クルマを維持しながら800円の時給で働くよりも楽です。ただでさえ若年層の人口は減っていますから、地方のアパートの家賃などは更に安くなりそう。となると生活が苦しくなるのは、金利もつかず、家賃収入も期待できず、しかし老後は長い地方の中産階級ということになります。

報道では、社員になれないフリーターやパートタイマーの待遇が問題になっていますが、たとえ社員であったとしてもサービス残業が多ければ、それは事実上の低賃金。いくら社会保険などがシッカリしていても、10〜20年先も職場が同じようにあるとは限らないし、実際に輸出関連の企業では海外で仕事をする人も増えています。とくに住宅ローンを組んでいる人には、社員が多い。これからは、「地方の正社員よりも、都会のアルバイト」という時代になるかもしれません。

つまり「遠い将来の確かさよりも、目先の現金の方が大事」という外国人労働者のような判断をする日本人が増える可能性がある。さらに団塊の世代が退職してゆけば、親は退職して収入が減り、その子供はローンと育児の負担が大きく、30歳以下の働き手は都会へと流失、元気の良いのは年寄りばかりで、まるで時間が止まったように「道路を造れ!」と叫び続ける偉そうな人たちが残る…といった風景が地方に広がってゆくことになりそうです。

若い人が都会に出るメリットは、他にもあります。地方の自治体では財政が厳しいから、国保や税金の負担は重くなってゆく。冠婚葬祭の付き合いも、現役世代には負担です。私は、もう葬儀などには、よくよくの理由がない限り行きません。出かけることが、同世代に対して無言の圧力になったりはしないか?と考えるからです。きょうは上田市の国立長野病院が、出産を断る判断を出しました。県内の看護学校に通う女性によると、いまは都会から病院の人が来て「学費は、こちらで負担するから、ぜひ来てください」という状態なのだそうです。

フジサンケイ・ビジネスアイでは、『綾ちゃんの北京通信』という連載が始まりました。

「中国の商習慣は極めて欧米的」と誰もが口をそろえる。欧米系企業の特徴は、社員1人の能力を明確に査定し、優秀な人材は積極的な積極的に登用するが、評価が得られない社員はばっさり切り捨てる。徹底した個人主義だ。

上昇志向の強い中国人学生はそれを「昇進しやすい」「短期間で成長できる」と考え、長期雇用を希望する日系企業とは相反する。中には、日系企業に勤めることを「時間の無駄」とまで発言する学生もいた。

もう「同じ日本人だから…」というようなウェットな仲間意識は通用しない。「日本人」は、幾つかある自分のバック・グラウンド(背景)のひとつ…と考えられるぐらいでないと、なかなか厳しいでしょう。「国家の品格」、「美しい日本」、「日本力」、「とてつもない日本」。いくら自己愛にアピールする本を読んでみても、現実的な問題は解決しそうにありません。08年は、多くの日本人が個人としての自立を問われる年になりそう。風景は、群れ固まらず、独りで見つめ続けることによって、よりハッキリと見えてくることが多いと感じます。