NHKNHKは、地域によって違う日本人の平均寿命を報道しました。男性の寿命が一番長いのは、横浜市の青葉区。逆に短いところは、大阪市の西成区。8.6歳もの違いがある。この調査は厚生労働省によるものですが、これからは官庁から出てくる統計も、日本をひとまとめにした平均的な数字だけでなく、地域による違いを明らかにしたものが増えてゆくと思います。情報を受け取る側も「み〜んな同じ日本人」という何となくホンワカした感覚から、「自分の住んでいるところは、どうなのか?」という意識に少しづつ変化してゆかざるを得ないでしょう。

霞ヶ関の官僚を批判するブログが目立っていますが、批判を書くだけなら、そんなに難しいことではありません。手間もお金も、あまりかからないから。難しいのは、地域の現実や将来に目を向けて、政治を選択すること。日本ほどの成熟国になってゆけば、だんだん地域の実情に合った政治を求める傾向が強まってゆくのが自然な流れだと思います。

よく「ネットを選挙で利用できるようにせよ」という主張を見かけますが、実際に選挙の現場を踏んできた立場からすると、問題は公選法ではなく、ローカルなメディアが弱いことだと感じます。投開票の1週間ぐらい前になってしまえば、いくら陣営のスタッフでも候補者でも、やれることには限りがある。公示前、もっといえば選挙のない通常の時期から、公共事業、学校、病院、交通、税金、図書館ついて、あれこれ意見が交わされるサイトやローカルなメディアがないと、なかなか現役世代の感覚が政治に反映されるようにはならない。

そして、やっぱり人ですね。芸能人であれ、官僚であれ、いつまでも東京の権威を後ろ盾にした有名人を求めているだけでは、なかなか地方は変われない。しかし現実には社会が高齢化し、テレビに張り付いている中高年が増えているので、どうしても東京のマスコミへの依存が強いままなのだと思います。

最近は「近所の犬がうるさい!」とか、「○○さんの家の木を切るかどうかで町内会が揉めている」という話も聞きます。こうした近隣の問題も、住民が高齢化して、ずーっと家にいる時間が長いから浮上しがちなのでしょう。地域が若かった頃は、多くの人たちが外で稼ぐことに忙しかったから、子供が泣こうが、犬が吼えようが、まして木があろうとなかろうと、あまり気にかける人もいなかった。

日経日本の企業は、次々と外向きに変化しています。日経の見出しは、「内需型企業 海外シフト」。キリン、花王、ライオン、オンワード樫山と、業界を代表する企業が次々に海外に勝機を求めていることが分かる。これまで内需の大企業といえば、日本の地方をまわることが大きな仕事でした。それが中国や東南アジアになるのですから、日本の地方でテレビを見ながらジーッとしている高齢者たちと、新たな市場を求めて海外で働く現役世代との違いは、もっと大きくなってゆくでしょう。国内でジーッとしながら「品格」とか言っていられる日本人と、海外の変動に直面する若い日本人とでは、まったく世界観が異なってゆく。

久しぶりに昼から為替FXの画面を見たのですが、東京の取引時間の動きの静かさに驚きました。午後の3時を過ぎた頃から市場が動きだし、ロンドンの取引が始まると強く大きく動く。株式市場も、中国政府の政策に強く反応した上海や香港と違って、東京市場は出来高も値動きも小さいままです。市場を見ていると、すでに東京は、活発な論議や取引が交わされる場所としては見られていないかのような印象さえ残ります。「円高か?円安か?」「株高か?株安か?」。そういう話の以前に、市場が持っている価格を作り出す機能そのものが弱くなっているように見える。これは「良い」とか「悪い」ということではなく、日本の高齢化が、そのまま映し出されている現象と考えた方がよいのかもしれません。