ピケンズ 「原油は年内に150ドルを超えるだろう」。CNBCでピケンズが語っています。ヨーロッパ時間の昼ごろに130ドルの壁が破られると、欧州の株価は急落。為替も、1ユーロ=163円を超えたところから、いったん円高に反転しました。株も為替も、原油に左右されやすい状態。為替の画面を見ていると、なんだか原油という名の通貨が割り込んできたように感じます。

アメリカでは、ガソリン価格の高騰によって生活を変える人々の様子が報道されています。ところが日本では「影響が大きい」とか「暮らしを直撃」とか、いつもながらの報道が多い。70年代のオイルショックの頃には、「クルマを運転するのはお父さんだけ」という家庭が多かったんですが、いまは一家に2台という家も多いので、家計への影響は大きい。いまだに「道路を造れ」という声がありますが、いくら立派な道路ができても、走るクルマの費用が上がれば、お金がかかるばかりです。

マイカーグラフは、都道府県ごとのマイカーの普及率を表したもの。東京と大阪の低さは、一目瞭然。多いのは、福井県、群馬県、富山県、山形県、長野県。マイカーの普及は、農家の高齢化、宅地の拡大、低い金利と一体になって進んできた現象です。高齢化した農家は土地を手放し、宅地に変わる。ロードサイドのお店も増えて、ローンで一戸建てを買う若い世代も増えました。ところが自治体の財政は厳しくなって、そこにガソリン価格の上昇ですから、変化は複合的で、かつ広範囲にわたっています。原材料の価格が上がれば、職場の賃金も抑えられる。簡単にいえば、これまで日本の郊外に広がってきた豊かさのイメージが試されている場面だと私は思います。

いよいよ自民党の中にも、移民の受け入れを主張するグループが出てきました。自民党外国人材交流推進議員連盟。朝日新聞に「外国人単純労働者 受け入れ論 加速」と見出しが出ています。

内容は、衝撃的だ。「人口減少社会の日本の危機を救うには、海外からの人材受け入れ以外にない」と断言。単純労働者を含む外国人の定住を前提に、複数省庁にまたがる外国人政策を「移民庁」に統一、今後50年で人口の10%を移民が占める「多民族社会」を目指す。

日本で、なかなかクルマが売れないのは、「若者のクルマばなれ」というより、若者の数が減り、資源の値上がりが影響を広げているから。就職が売り手市場になっているのは、若い世代の人口が減ったから。でも「社会は今までと変わらない」という神話を信じ続けたい人が多いから、人口減の現実が遠い将来の話のように語られたり、変化の理由が別のところにあると説明されがちなのだと思います。農村、零細企業、飲食店、コンビニでは、もう外国人の労働力なしにはやってゆけないところが多くなっています。

日本では、とりあえず「幅広い論議が必要だ」などと言っておけば、何となく格好がつくことが多いんですが、いまの現役世代は、もはや外国人との共存が避けられないという前提に立って、いろんなことを考えてゆく必要があります。幅広い論議をしている間にも、消費税は上がり、年金は不確かになり、医療や福祉の負担は重くなるでしょうから。内需の代表的な企業も、外への投資を強めていますから、いつまでも日本人だけに囲まれて仕事ができるとは限りません。介護の人手も、なかなか集まらなくなっています。だとしたら、何の決定権もないところで長々論議をするよりも、近い将来に備えた方が現実的。

外国語の会話。経済の変化の予測。こうした分野は、ますます重要になってゆくでしょう。私もオジサンなので、いまさら「英検を目指そう!」とか、「フィナンシャルなんとかの資格を取ろう!」などとは全く思いませんが、外国語や経済の指標を身近なものとしてゆく必要は、日を追うごとに強く感じるようになりました。