アメリカのGDP(1Q)は予想よりも弱く−6.1%と出ましたが、ダウは8,000を維持しています。米国債10年の金利は、3%に戻りました。日本の10年債は、1.4%より少し上で動いています。ともに低い金利ではありますが、米国の3%は03年に強く下げたときと同じぐらいの水準で、日本の1.4%は同じ03年の0.435%から比べれば約3倍。アメリカも日本も、ともに中央銀行が国債を買うことで長期金利を低く抑え込もうとしていますが、中長期でみると日本の方がやや強く金利が上がっているように思えます。いまの日本では、03年のころよりも強く景気が落ち込んでいますから、すでに不況下の金利上昇が緩やかに起きていると言えそうです。
03年から日本の銀行は、個人の住宅ローンを含めた不動産投資と、製造業による設備投資という2つの分野に活路を見出して来ました。地方の街にもマンションができて、輸出企業は好業績。テレビにはモノづくりとは無縁の人たちが登場し、「日本はモノづくりだ」と繰り返していました。しかし、不動産が値下がりを続け、貿易黒字がゼロになってしまうと、銀行は新たな貸し出し先を探すことが大変になりますから、地銀の合併や統合は、さらに進むと予想されます。
このごろ思い出すのは、80年代にヒットした「アレンタウン」という曲。ビリー・ジョエルが、ベツレヘム・スチールという鉄鋼会社によって栄えたペンシルバニア州の街の歴史を歌っています。08年の大統領選では、バラク・オバマもここを訪れました。いまは日本のあちこちで、似たような光景が広がっているように思えます。
僕らはここアレンタウンに住んでいる
町の工場は次々に閉鎖されていくベルツヘルムでは誰もが暇を持て余し
申し込み書に記入をしては
列に加わって並んでいる僕らの親父たちは第二次世界大戦を戦い
ジャージー・ショアで週末を過ごしたそしてUSOでお袋たちと知り合い
ダンスを申し込み
そしてゆっくりと踊ったのさ僕らはここアレンタウンに住んでいる
安らぎは得られないし
この町はますます住み難くなっていく僕らはアレンタウンで待っている
ペンシルバニアに逃れる道は見つけられなかったけど
教師たちはいつも言っていた一生懸命働けば
立派に振る舞えば
必ず報われると壁に飾られた卒業証書も
結局は何の役にも立たなかった彼らは何が本当の事なのかも教えてはくれなかった
鉄とコークス そしてクロムニウム鋼
僕らはアレンタウンで待っている
だけど地下の石炭を残らず掘り尽くすと
組合の連中も 次々と逃げ出しただが子供たちはまだ大丈夫
少なくとも親父たちぐらいのガッツは持っているしかしあの場所に行く途中で何かが起こった
ヤツらは僕たちの顔めがけてアメリカ国旗を投げつけたのだ僕はここアレンタウンに住んでいる
善人をここに留めておくのは難しい
だけど僕は出ていこうとは思わないこの町はますます住み難くなっていく
だけど僕らはアレンタウンに住んでいる
アメリカでは売れない新築の家を壊している。
「未だ新築のままで、誰も入居していない住宅ですが、デベロッパーがお手上げしたので、
その資金を貸し出した銀行の所有物になったものです。 銀行は、これを破壊撤去して
バランスシート上に不良資産を残さないようにしたいのでしょう。 どうせ、政府が
救済してくれるのですから、何をしても良いのでしょう。」
生で映像を見ると迫力があります。
もうとっくに、個人でニュースを流す時代になったかもしれません。