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為替市場の全体が、膠着している感じ。この3年間のドル・インデックスの動きを見ると、08年に急落したときの水準まで来ていますから、このタイミングでバーナンキ議長から「強いドル」発言が出るのも分かるような気がします。ここから更に落ちれば、最安値70.70が意識されそう。あるいは再びドル買いの動きが出てくるのか?

議長は2つの向かい風として、銀行による融資の縮小と雇用の問題をあげていますが、同じことは日本や欧州にも当てはまります。上がってきた日本の長期金利が再び1.3%を割り込んだ現象も、国債を積極的に評価する動きというよりは、貸し出し先が乏しいゆえの消極的な選択。不動産は下がる。日本株は冴えない。これでは幾ら金融が緩和されても、国債ぐらいにしか資金の向かう先がありません。最近、近所には2〜3のイタリアンの料理店がオープンしましたが、メニューや内装がどうのこうのという以前に、銀行の営業が細かく融資先を掘り起こしていることに感心してしまいます。

beer11月になってから街を歩く人の数が、また一段と減りました。松本のハローワークは、朝の9時に行っても、窓口にたどりつくまで2時間待ちだとか。大きな企業の人からも「冬のボーナスがゼロになった」などと聞きます。飲食店の入り口には「ビール無料飲み放題」という貼り紙が出るようになりました(じっさいには1,000円で飲み放題みたいですが)。

人は、どこにいるのか?ひとつは、自宅。先日、ホームセンターに行ったら、いつも山積みになっている園芸用の土が売り切れそうになっているので驚きました。駐車場では中高年の女性が、軽自動車に15〜20リットルの袋を5つも積んでいる。自宅にいる時間が長いので、そこでの楽しみを見出そうとする人が増えているのでしょう。

もうひとつは、駅。松本市の隣にある塩尻の駅では、深夜の11時を過ぎればホームに人影も無くなります。しかし新宿を出た特急あずさが到着するや、列車からスーツを着た人たちがぞろぞろと出てきて、一瞬だけ、そこに東京の地下鉄のような光景が浮かび上がります。そして10分もすれば、再び暗い静寂だけが広がる。家や住民票が長野県にあっても、ふだんは大都市で働いている人が増えているのでしょう。

日本に成長性や投資先が乏しい現実は、日々明らかになっています。昔は良かった。外資は、けしからん。昭和が懐かしい。豊かな社会に暮らす人々が変化を嫌って、生活が変わることなく維持されることを望むのは当然ですが、しかし人や社会は歳をとってゆくものです。外気を恐れて社会を閉じた状態にしていたら、あるのは衰退だけ。いまは、それが現実の光景として目の前に広がりつつある。打開の策があるとすれば、それは何らかの形で外とのつがなりを意識することだと思います。