eki松本は、長野県で2番目に大きな街。その駅ビルの1階からテナントが次々と抜け、エスカレーター近くがこんな状態です。全国の現実も推して知るべしです。

工場や百貨店が次々と閉鎖されるということは、すなわち、在庫や設備を維持し人を雇うために投じられてきた資本が引き上げているということ。私には、どう考えてもキャピタル・フライト(資本が逃げること)が広がっているとしか思えないのですが、そういうことを言う人は少ない。

いまは世界中で雇用が深刻な問題になっていますから、地方であれ国政であれ、政治の焦点が「いかに投資を呼び込むか?」になっています。ところが日本では、新聞やテレビを見ても投資を呼び込むための論議をしているようには見えない。

あるのは、こっちの党が間違っているとか、あの政治家は勉強していないだとか、受身な姿勢で問題に答えようとする、まるで受験生のような批判。あるいは文化大革命かと思うような「右、左」の話。これでは就職できない人が増えるのは当たり前です。

若い人は、古い世代の政治や経済の用語を小難しく使うよりも、「資本が逃げてる!仕事がない!」と単純かつ率直に訴えた方が、世界の常識にも沿うと思います。

街を歩けば、キャピタル・フライトが広がっている現実は一目瞭然。私も地方に住んでいますから、資本とか投資といった話が好まれないことは理解できますが、さすがにここまで現実が進むと、いいかげん目を覚ます人が増えないと厳しい。「どうして仕事がないんですか?」という質問には、「不況だから」ではなく「資本が逃げているから」と答えた方が良さそうです。