1981年5月、松田聖子が松本城に来たときの動画が残っています。当時、高校3年生だった私も、映っている若者の群れの中のひとり。昼ごろ学校へ行ってみると中継があることが噂になっていて、午後の授業を3コマぐらいサボり、友人たちと橋のたもとに座り続けていました。夕方になると人が増えてきて、押されて堀に落ちそうになった。人々が去った後には、異様な興奮ぶりで鉄のベンチがグニャグニャになって残っていました。



今から振り返ると単なるバカですが、いまだに自分がクラブに行って平均年齢を上げていることを考えると、なかなかバカが直りにくいこともわかる。そして、この動画から伝わる活気が、遥か遠い過去になったことを痛感します。

松田聖子がデビューした1980年と現在の日本を人口ピラミッドで比べてみると、高齢化が進んだ事実は一目瞭然です。

1980年
1980












2010年
2010












日本の社会は、若いアイドルが次々と出ていた時代から、懐メロの時代に変わった。私は、人口の構成が大きく変わったのに、社会の慣例や仕組みが昔のままなので、あちこちに無理が出ているように思えます。この基本的な変化を踏まえないままに、政治や経済を論じるから、話が観念的になってしまう。

大学生の就職内定率が、80%に落ち込ちこみました。高校生も、8割ぐらいしか就職が決まりません。雇用は、若い人だけの問題じゃない。若い人口が減っていて、しかもその2割に仕事がないということは、つまりは中高年の暮らしの先行きも厳しいということ。もう、今ごろになって「少子化対策が大事だ」とか騒いでみても遅い。いまだに「普天間」とか「新党」とか、目先の話題ばかりを追っているところも、不思議です。多くの日本人にとって深刻な問題であるはずの「雇用」が中心になっているようには見えない。これは単純にボケと考えた方が良さそうです。マスコミぼけ。テレビぼけ。

最近は、春が近づくたびに思います。「日本のテレビは、年中行事と役所が好きだなあ」。卒業式、入社式、そして花見と続く。ニュースの出所は、警察、消防署、霞ヶ関と、役所が多い。外国の映像と比べると、話の中身よりも、まずは出てくる人たちが歳をとっているところが目立ちます。だから30年も前の古い動画が、やたら騒がしく、しかし活気にあふれているように思えてしまう。簡単にいうと、日本ではバカが減って、ボケが増えたのかもしれません。