BlogPaint出口戦略は、どこへやら。この3〜4ヶ月で長期金利は低下。さらに物価は上がりにくい、しかも雇用が弱いということで、デフレを懸念する声がアメリカで強まっています。CNBCでは「デフレ」という話になると必ずといって良いほど「日本」という単語が出てきます。




Fedが米国債の買い取りを続けると発表したため、為替はドル円で85を割り込む円高に振れました。日本の新聞には「為替介入」の文字が躍っていますが、焦点がズレているように思えます。「節目を割り込む円高になった!→大変だぁ→総理、財務省、日銀のコメントを取れっ!→さて介入か?」という報道のパターンは、いつもながらの円高まつり。デフレから脱却するためには何か必要か?という中長期の視点が抜け落ちている。だから米国でデフレへの警戒が強まって政策が変わっても、それが強く意識されず、結果的に円高を「無秩序な動き」と財務大臣が呼んでしまうような間抜けな展開になっているのだと思います。

日銀は、企業の業績が上向いていることを理由に、景気が持ち直していると言い続けてきました。企業の業績が良くなっているのは、生産や販売の拠点が整理&統合されて、海外へと移っているから。工場や販売の拠点が次々に消えている地域から見れば、「いったい、どこが景気回復なんだ?」という気持ちになるのは当然です。

企業の業績が上向いているのは、アメリカも同じ。GMなど巨大企業の業績回復は明らかです。しかし、金利、物価、雇用などの指標はデフレ傾向を示唆しており、だからこそFedは行動した。たとえ"Easy money"とか"Printing money"と批判されようと、断固としてデフレを回避する意思を示しました。この経緯が無視されてしまうと、円高が「無秩序な動き」に見えてしまい、まるで猛暑のようにイメージされてしまう。日本が円高とデフレの苦しみから逃れるためには、もう日銀が国債の買い取りに踏み込む以外にないように思えます。

よく税制を変える話が出ますが、それが口で言うほど簡単でないことは、今年の参院選でも明らかです。国会もねじれていて、消費税率を上げる話が選挙の敗因となれば、そんな大きな変化は起きそうもありません。アメリカの経済チャンネルに登場する人たちは、意見は異なってもデフレを避けようとする意識では概ね共通しているので、日本がデフレ慣れしてしまっているようにも思えてきます。

CNBCには知事やノーベル賞学者なども登場しますが、基本的には雇用、物価、為替、金利、消費、貿易、資源エネルギーなどが、どう変わるのか?という意識が貫かれています。日本では、主義や学説の話が多い。中立的で客観的に正しい答えがどこかにあって、それに近い人が賢く、遠い人がバカであるというような雰囲気が強いのは、受験のお勉強の名残りでしょうか。

日本のテレビでは「不況に負けない元気な企業」が紹介されることもありますが、それも1年ぐらい経つと倒産していたりするので、なんだかデフレを誤魔化しているようにしか思えず、あまり見なくなってしまいました。「北京オリンピックが終われば、中国のバブルは崩壊する」とか言っていた人が、いまごろは「万博が終われば、中国は分裂する」などと語っていたりするのでしょうか。そんな話より、英語であれ中国語であれ、単語を少しづつ覚えることの方が大事なように思えます。