Espresso Diary@信州松本

エスプレッソ・ダイアリー。信州松本のコーヒー屋の手記。 RSS feed meter for http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/

書評

J.K.ガルブレイスの「マネー・その歴史と展開」。

ドル売りが強まって終わった2010年。テクニカル的に見るドル指数は一目均衡表の雲の上限まで下落しているので、2011年は、これからドルが買われていくのか?あるいは売られやすくなるのか?その分岐点から始まることになります。

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田中森一『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』  その2。

割り屋という言葉を、私はこの本で初めて知りました。田中森一の『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』。以前はバブル紳士たちの実態をリアルに伝える本として紹介しましたが、いまは元特捜検事による具体的かつ信憑性にとむ証言としてお勧めしたい一冊です。


反転―闇社会の守護神と呼ばれて (幻冬舎アウトロー文庫)反転―闇社会の守護神と呼ばれて (幻冬舎アウトロー文庫)
著者:田中 森一
幻冬舎(2008-06)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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ビル・エモット&ピーター・タスカの『日本の選択』。

スーパーでは、トマトが1個150円。レタスは好天のためか300円から半額に下がったものの、業務用のパセリは一束が1,000円。近所の飲食店には「使うの止めたよ」というところもあります。輸入モノのトマトの缶詰は100〜120円ですから、円高と野菜の値上がりによって輸入の製品が有利になっています。円高といえば東京の下町の工場が映るのが日本のテレビの決まりですが、農産物にも円高の影響は広がります。円高は、内需産業を輸入品に対して弱くする。
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インフレを恐れてデフレを呼んでしまう日本。

倉庫を整理していたら、1995年の週刊朝日が出てきました。表紙には、「デフレ時代の、貯蓄の鉄人たち」と見出しがあります。記事は、こんな風に始まっています。

「日本経済は第二次大戦後、初の本格的なデフレを経験している」。6月20日、米国連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長はこう言い切った。英国経済誌のエコノミストも先月、「デフレに死す」との見出しで、「日本が1930年代の大恐慌以降、激しい物価低下に見舞われた初めての先進国になった。景気悪化を回避するために日銀は公定歩合を0%にすべきだ」と論評した。

こうした海外からのデフレのご宣託が相次ぐなか、日銀の松下康雄総裁は、「デフレ的状況ではない」と否定しているが、いまの公定歩合は過去最低の1%。日銀は7月7日に今年2回目の金利の低め誘導に踏み切り…

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猪瀬直樹の「東京の副知事になってみたら」。

働く人たちが、いつも役を演じている場所が役所。行政には、時間の連続性を保とうとする本能のような宿命があります。そこに不連続な時間を持ち込むのが政治。いまだに「サヨクだ」「ウヨクだ」と左右の対立を強調をしたがる人は多いですが、やはり政治の実際的なテーマは、政治と行政との関係や、都市の経営などに移りつつあるようです。
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スターリング・シーグレーブの「宋家王朝」。 

「胡錦濤が主席になれたのは、きっと奥さんが凄いからだよ」。中国系のキャバ嬢が言ってました。たしかに中国の女性たちは、貪欲でたくましい。歴史の表舞台に立っているのは男性でも、背後にいる女性たちの影響力が侮れそうにありません。スターリング・シーグレーブのノンフィクション『宋家王朝』は、映画『宋家の三姉妹』が甘ったるく思えてしまうほど、3人の姉妹をリアルなタッチで描いています。

CharlieSoong宋一族が金持ちだったことは知られていますが、そのカネは、どうやって作られたのか?謎を解く鍵は、「印刷」と「美国(アメリカ)」。アメリカから中国に戻った若きチャーリー宋は、メソジスト派の宣教師として、まずは月給15ドルで働き始める。続きを読む

『現代中国女工哀史』

よその工場から来た人に会ったら、素早く相手を値踏みする。「何年生まれ?」若い女子工員たちは互いに聞く。まるで車の年式を確かめているようだ。「一カ月いくら? 寮費と食費込みで? 残業手当は?」それから、どこの省から出てきたか聞くかもしれない。だが、名前は絶対に聞かない。

冒頭を少し読んだけで、「あっ、やつらのことが書いてある」と感じました。都市と農村との格差は、日本でもおなじみの話ですが、たくましい彼女たちは、さらにその先を歩んでいる。この本を読んでしまうと、ありがちな観念に寄りかかった話がつまらなくなります。続きを読む

『趙紫陽極秘回想録』。

zhou民主化を求める若者たちを、共産党が弾圧した。天安門事件は、そのようにイメージされています。しかし、趙紫陽の証言を読むと、じっさいの状況は、それほど単純ではなかったことがわかる。李鵬の暗躍。ゴルバチョフの訪中。趙紫陽の北朝鮮訪問。さまざまな要素が絡み合いながら、弾圧へと至っている。公式には党や国家を代表する立場ではなかったトウ小平が、非公式に最高指導者であり続けた無理や矛盾が、事態を悪化させたようにも思えます。
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安定という名のリスク。

「中国についての関心が潜在的には強い。ただ、中国の問題を話題にすることをお互いに遠慮している」。G7に出席した菅直人が語っています。G7の男たちは、人民元の切り上げが、追えば逃げてゆく女のようなものだと理解しているのでしょう。G7が強く切り下げをいえば、中国の態度は硬くなってしまう。

景気の弱さが意識されるたびに、円が買われます。リスク回避の円買い。このままだと日本の円は、人民元と米ドルに挟まれるようにして、高いまま推移することになってしまいそう。世界の中央銀行が自国の通貨高を避けて「強いドル」に同調しているのに、日本だけが何もいわないままだと、多くの日本人が不利な条件で働くことを強いられてしまうでしょう。

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『ジミーの誕生日』。

jimy猪瀬直樹さんの行動と著作には、いつも同じ音が響いています。それは、「日本人は、みんなこう思っているけど、でも実際によく調べてみると、そうじゃないんだよ」という声。『ジミーの誕生日』は、多くの日本人がイメージしてきたマッカーサー政治の虚像と実像とのズレを掘り起こして見せようとする作品です。

多くの人は、マッカーサーがアメリカの政府と一体であり、したがって日本国憲法もアメリカから押し付けられたように感じています。しかし、マッカーサーは必ずしも米国の政府に忠実だったわけでないし、また終戦直後はソ連など他の戦勝国が日本に介入しようとする圧力も強かった。ワシントンと他の戦勝国という2つの政治的な圧力の隙間を押し広げるようにして日本に君臨しようとしたマッカーサーは、まずは東條英樹の逮捕を命じ、続いて昭和天皇の戦争責任を問わないようにするためにも、何はともあれ憲法の整備を急ぐ必要があった。この流れが全体の骨組。したがって本書は、昭和天皇、皇太子明仁親王、さらにはマッカーサー元帥という、いわば3人の天皇をめぐる物語だといえます。

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デイヴィッド・ハルバースタムの『朝鮮戦争』。 

koreaやはりハルバースタムに駄作はない、と改めて感じさせる2冊が『朝鮮戦争』。原題の"The Coldest Winter"には、おそらく3つの意味があって、ひとつは朝鮮半島の厳しい寒さ。もうひとつは、1950年ごろの冷戦構造。そして、マッカーサー将軍とトルーマン大統領との冷え切った関係も描かれています。この3つがアメリカの兵士たちに「最も冷たい冬」を強いることになった。米軍と中国軍との激戦を描いた本書は、現代的な意味を重く含んでいます。アメリカにとって中国が、どんな意味を持ち、それがどのように変化していったのか?、政治の流れを知る上で必読のノンフィクション。
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『馬雲のアリババと中国の知恵』。

maアルバイトの香港人が、台湾から取り寄せた本を読んでいます。私は、日本で出版された『馬雲のアリババと中国の知恵』を読んでみました。『阿里巴巴 天下没有難做的生意』の翻訳。アリババが展開するタオバオ(淘宝網)の取引金額は、すでに日本の楽天とヤフーを合わせた額より大きくなっていますから、パルコや千趣会が提携するのも不思議ではありません。
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『覇者の驕り―自動車・男たちの産業史』。

野菜と豚肉、それにガソリンが値上がりしています。衣服や電化製品は、安くなってる。日本の失業率は5%に悪化し、賃金も抑えられ、不動産は値下がりしています。インフレなのか?それともデフレなのか?CNBCでも、たびたび論議されています。私は、インフレとデフレが、ともに世界に広がっていると考えています。続きを読む

政府&日銀 vs. 長期金利。

麻生内閣の景気対策には、電機や自動車のように落ち込みの激しい業界と、とりあえずの生活苦を支える短期的な手当てが目立ちます。すでに人口が減り始めている日本では、労働を集約する産業から知識や情報を集約する産業への変化が必要ですが、その意識が予算案ににじんでいるとは言えません。すでに兆候が現れているように、これからは1980〜90年代を日本の黄金時代として振り返る人が増えそうです。続きを読む

外国語+α(アルファ)の時代。

経済は長いトンネルに入りましたが、ただ不安がっていても仕方ありません。出口は、どこにあるのか?不況を自然災害のようにとらえ、じっと我慢をしていれば、そのうち元に戻ると考えている人もいるようですが、私にはそうは思えない。おそらくトンネルの出口には、過去とは異なる光景が広がっていることでしょう。社会の変化は予想し尽くせるものではありませんが、いまから出口の光景を考え、その将来像に合わせて準備を進めることも大事だと思います。
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斉藤久典
信州松本のコーヒー屋。1963年生まれ。自作ホームページ→ヤフー掲示板→ライブドアBlogと移動してきました。




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