去る2月13日に高畠町長の寒河江信氏と理事長による対談が行われました。これからの町政と高畠青年会議所の関わりや相互協力について語り合っていただきました。




大浦   本日は大変お忙しい中、時間を割いていただきありがとうございます。また、日頃より本青年会議所活動にご理解とご協力をいただいている事を重ねて感謝申し上げます。早速ですが、対談を始めさせていただきます。
まずはじめに、昨年は山形新幹線開通20周年記念イベントやクラシックカーレビューin高畠などが開催され、町長にとっても大変多忙な1年だったと思います。振り返っていただくと、どのような1年だったでしょうか。

町長    昨年は農業・商業・観光の各産業の推進という点で実りの多い1年でした。理事長のおっしゃるとおり、数多くのイベントが開催された中で山形新幹線開通20周年記念イベントが最も心に残っています。記念事業を開催するということは高畠町が20年間JR東日本と良好な関係を築いてこられたということです。この節目の年に、町民の皆さん、そして舟山実行委員長をはじめとする関係者のご理解とご協力をいただき、山形県を初めて新幹線が走った日と同じ7月1日に、盛大に開催することができました。当日は米沢から山形までの各停車駅で同様のイベントが行われましたがJR東日本関係者が高畠駅でのセレモニーやイベントに重点的に参加してくれたのは、ひとえに町民のイベントに対する情熱が認められた結果だったと思います。
このイベントの中で私が最も嬉しかったのは1500点もの作品が集まった「山形新幹線絵画コンクール」です。約30点の優秀作品が東京駅に展示されました。作品を見に子どもとその家族が多く東京駅に行かれたようですね。その中の1人がJR東日本関係者に「こういった展示をさせてもらったことがきっかけとなり、家族で東京観光ができて素敵な思い出になった。ありがとうございました。」といった内容の手紙を送られたそうです。このことに感動した関係者が手紙のコピーをわざわざ送ってくれました。こういったことはあくまで一例ですが昨年は高畠町民の熱意を周辺地域に発信するイベントが多かった年でした。この点においては就任以来1番の忙しさだったのではないでしょうか。

大浦   次に高畠町の産業振興についてお尋ねします。リーマンショック以降の景気低迷により地元中小企業も元気のない状態が続いています。最近になりようやく景気が回復局面に入りつつあるという見方もありますが、その効果を働いている人たちが実感するのはまだ先の話ではないでしょうか。そこで高畠町の産業振興への取り組みについてお聞かせください。

町長    産業にも多くの分野が存在します。主に製造業についての話になりますが高畠町では製造業に活発な設備投資を促すため、昨年度初めての試みとして、町内企業で3,000万円以上の設備投資を行った企業に対して支援を行うことにしました。関係業界からは高評価をいただいております。今後は基準価格を下げるなど、より活用しやすい政策をしていきたいと考えています。最近の円安傾向も好材料ですが、製造業の設備投資による業績の向上は、雇用の面だけを見ても高畠町に大きな利益になるでしょう。
また、住宅リフォームに関する支援についてですが、多くの自治体でこういったことが行われています。しかし高畠町では町内の建設業者を利用することを原則としています。これには一部反発もありましたが、町内の産業推進という観点からどうしても譲れないものでした。ぜひ多くの町民の皆さんに活用していただきたいですね。

大浦   そういった自治体からの直接的あるいは間接的支援というのは産業にとって欠かせないものとなっていますね。では農業分野についてはどうでしょうか。高畠青年会議所では現在、農業従事者は所属していませんが今後は積極的に働きかけていきたいと考えています。有機農業などに代表されるように高畠町はあらゆる分野で先駆けとなる人材が多く輩出されています。幅広い業種での会員獲得が今後あらゆる局面で大きな役割を担ってくると思います。

町長    多業種間交流というものは非常に意義のあるものですね。農業に関してということですが、まず農業の現状について私が最近感じていることをお話しましょう。町内では以前から行っている農業従事者の方々もいらっしゃいますが、生産者が自ら販路を作っていくことがこれからの農業にとって重要になってきます。近年は、こういった経営感覚を持つ農業従事者が増えたのではないかと感じています。
一方で、どの産業についてもいえることですが収入がなければ後継者は育ちません。仕事に夢や希望を見いだせないからです。農業において6次産業(農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態)が希望の光のようにいわれていますが、個人が大企業を相手に成功を収めるのは難しいでしょう。しかし、高畠町の利点の1つに優良な食品加工業者が多く存在するということがあります。昨年も各地で高畠町の商品を販売する「高畠フェア」を開催しました。そこで感じたのは生産者と加工業者の連携が今後ますます重要になってくるということです。生産から加工・販売までを高畠町で行えるということは大きな価値があります。加工業者に話を聞くと彼らも地元食材に大きな関心を持っています。ですが大量に、そして定期的に作物を供給することができるかという点に不安があるようです。確かに一戸の農家がそれを行うのは難しいでしょう。しかし複数の農家が生産基準を設け、同品質の作物を供給することは不可能ではないはずです。
町としてはこの農家と農家、農家と加工業者、加工業者と販売店をつなぐ架け橋となり町単位での6次産業への手助けをしていきたいと考えています。こういったことが実現すれば農業分野の推進と商品のブランド価値の向上に大きく貢献することができるはずです。


大浦  IMG_2052  確かにそのとおりだと思います。6次産業化という点で高畠町が内包する潜在的な力は非常に高いものがあると気づかされますね。
次に高畠町の未来を担う青少年に焦点を当てたいと思います。まずは平成28年4月に開校を予定している統合中学校に関してですが、正式名称も「高畠町立高畠中学校」と決まり、本年度は造成工事が行われ、来年度はいよいよ建築工事が始まります。そこで、4校を1校に統合する目的と効果をお聞かせ下さい。

町長    私が就任して以降、時沢小学校・和田小学校上和田分校の廃校、また保育園の民間移行が行われました。文部科学省によると昨年度全国で250あまりの学
校がその歴史に幕を下ろしたそうです。少子化による教育機関の減少は国家的問題となっています。高畠町でも平成23年度の出生数が約190人となっていますが、これは前年度比で増加しており、一昨年までは170人前後という数字が数年続いていました。
私が県議会議員であったころ、中学校の父兄から○○中学校に○○部を作ってほしいとの相談がありました。残念ながら県議にはそういった権限はなかったのですが、小学校から始めたスポーツを続けるために住所を移して町内の別の中学校や山形市内の中学校へ進学した子どももいたそうです。非常に寂しいことです。私は勉強・スポーツ・文化活動などで仲間たちと切磋琢磨することは、子どもの成長に大変大きな役割を担うと考えています。学校が大きくなり生徒数が増えれば、子供たちの活動の選択肢が広がります。その環境を提供するということが目的の1つに挙げられると思います。
校数に関しては2校・3校という案もありましたが現在、人口の二極化となっている高畠地区と糠野目地区の交流促進の起爆剤に、統合中学校がなってくれることを期待していますし、給食も自校生産方式をとることで、生徒たちに地元食材を食べる機会を増やしていきたいですね。

大浦    先ほどの町長のお話にもありましたが、高畠町の少子化問題についてはどのようなお考えをお持ちですか。

町長    申し上げたとおり、昨年度高畠町の出生数は約190人と、前年度より増加しています。しかし長い期間で見れば、微減が続いている状態です。ただ県内の他自治体と比較すると、減少数は非常に緩やかなものです。正直、こちらが心配になってしまう自治体が数多く存在します。子どもは、町の未来の姿を映す鏡のようなものです。多くの子どもが元気に走り回っている自治体は、その未来が明るいものになると確信させてくれます。
高畠町では25年度より、医療費の無料化を中学3年生までに拡大します。親御さんの経済的負担をできる限り減らす努力をし、高畠町で育児することへの不安を少しでも解消できればと考えています。また、先ほども述べましたが出生数の増加には雇用の充実も大変重要な課題になってきますね。

大浦   IMG_2043 確かに高畠町は自然災害も少なく、非常に住み良い町だと常々実感しています。一昨年の東日本大震災時、県内の自治体のなかでも、ほかと比べてライフラインの復旧など、対策のスピードは群を抜いていたと思います。震災以降、個人の防災意識は非常に高まってきています。高畠町の有事の際の対応と、防災のあり方についてお聞かせください。

町長    統合中学校の完成予定図を見ていただきたいのですが、敷地の一画に広大な土地を確保し、有事の際に防災拠点として機能するよう整備を進めていきます。非常に充実した設備になる予定です。
また区長会の席でも話しているのですが、部落単位での自主防災ネットワークの構築を推奨しています。これは各部落で住民の在宅状況や避難場所と経路などを記した防災マップの作成などです。もう構築されつつある部落も存在します。普段からそういった情報を部落と町で共有していくことは、有事の際、消防や病院の初動を速めることに大きく貢献してくれます。町だけで有事に備えて全てを準備するのは難しいのです。町と各部落と個人のつながりを緊密にしていくことが大切です。

大浦    地域のつながりがいざという時に大きな力を発揮することは疑いようのない事実ですね。最後になりますが、われわれ高畠青年会議所の今年のスローガンは「集え若人(わこうど)!創造せよ未来を!」です。偶然ですが町長も今年の在り方を漢字一文字で表すと、「創」だそうですね。我々も多くの若者と目先ではなく、10年20年先を見据えた事業を展開していきたいと考えています。メンバーにアドバイスをお願いします。

町長    先ほど理事長から伺いましたが現在の会員数は14人(2月1日現在)だそうですね。私がいたころと比べるととても少ないですね。昔から町民の集まるところには必ずその中心に青年団体が存在しました。時代の流れとともにその形は変化していくのかもしれません。しかし個人個人が熱い情熱を持って取り組めば、人数は問題ではないと思います。他の青年団体と協力して事業を行うのも面白いでしょう。他団体との交流が必要であれば、我々に言ってください。団体を結ぶ架け橋としてお役に立てるでしょう。スローガンのとおり今年1年が、より良い未来への礎の年となることを期待しています。熱意ある若者の力を結集してがんばってください。

大浦    期待に応えられるよう、今年1年努力していきます。本日はお忙しい中、高畠青年会議所のために貴重な時間を割いていただき、本当にありがとうございました。

町長    こちらこそ。有意義な時間になりました。大浦理事長をはじめとする高畠青年会議所の、1年間の活躍を期待しています。

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○最後は、和やかな雰囲気で固く握手を交わしました。

寒河江町長、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

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