本日は補正予算案の中から、医療・福祉に関する施策について説明します。


まずは救急医療についてです。
高齢化の進展で、119番通報件数・救急車出動件数が急増しており、これに伴い119番入電から現場到着までの時間(現場到着時間)も長くなっています。
平成27年中の全国平均をみると、現場到着時間は8.6分であり、8年前と比較すると約1分遅くなっています。
1分1秒を争う中で現場到着時間が遅くなる一方であることは、大きな問題です。


このような中で解消しなければいけない問題の一つが、不要不急の119番通報です。
タクシー代わりに救急車を呼ぶ、深爪や虫歯といった軽症、ペットの病気で呼び出すといったケースもあるようです。
また、救急車出動に伴う費用は、都心で1回あたり4万円強とのことであり、財政負担の点からも不要不急の119番通報への対処を検討する必要があります。


勿論、痛みや出血に動揺する通報者が119番通報の要不要を判断するのは非常に難しく、また軽症だと自分で判断しても、実際は重い症状につながる危険性もあり、一律に規制することは難しいという事情もあります。
ただ、適正な利用を促すことで、緊急性の高い事例に効率的に出動し、より多くの命を救える可能性があるのもまた事実です。


そこで、3年前の県議会一般質問にて、東京都や愛知県、奈良県、大阪市、札幌市などで実施している取り組みを参考に、「救急安心センター」の設置を提言しました。


救急安心センター事業では、24時間365日体制の相談窓口を設置し、医師や看護師をその相談窓口に配置して、救急要請すべきかどうか迷った場合のアドバイスや応急手当などの案内を行っているとのことです。
また利用者にとって覚えやすく使いやすいように、共通番号#7119を使用しているようです。


救急医療を持続可能なものとするために提言をしましたが、今回の補正予算案において「救急安心電話相談事業」として提案されています。
平成29年11月から運営開始予定となります。
予算額は3,024万円(債務負担行為:1億4,100万円)。
時間は24時間とまではいきませんが、月曜日から土曜日は午後6時〜午後11時、日曜祝日は午前9時〜午後11時となります。


これからも地域の未来のために、既成概念・既得権益にとらわれることなく、議会でも提言を続けていきます。


その他の事業及び予算案は以下の通りです。


【新規事業】
骨髄移植におけるドナー支援事業:200万円
千葉県社会福祉センター整備事業:3,400万円
ちば認知症こどもサポーター事業:650万円
福祉タクシー導入促進事業:7,000万円


【既存事業】
就学資金の貸し付けによる医師・看護師の確保対策:3,924万円(当初予算とあわせて8億2,946万円)
暮らしを支える・ちばの在宅医療推進の取り組み:3,110万円
がんセンター施設整備事業:12億8,200万円(当初予算とあわせて15億3,100万円)
介護基盤整備交付金事業:3億9,000万円(当初予算とあわせて22億9,125万円)
特別養護老人ホーム等の開設準備支援等事業1億6,000万円(当初予算とあわせて22億2,497万円)


千葉県議会議員
松戸たかまさ