2017-09-25-13-48-38


これまでも学校でのいじめ対策については何度も取り上げてきましたが、今回の定例議会ではLINE等のSNSいじめについて取り上げました。


これまでのネットいじめについては、誰でも閲覧可能な匿名掲示板によるものが多く、匿名という点で被害が拡大しやすいという特徴がありました。
また学校裏サイトというサイトも存在し、このサイトがいじめの温床になっているということで問題になっていました。
こうしたネットいじめに対して、千葉県を含む多くの自治体ではネットパトロール等で対応しています。


しかし、最近は従来のネットいじめと形態の異なるLINE等のSNSいじめが蔓延してきています。
LINE等のSNSいじめというのは、特定の子だけをグループから外したり、特定の子だけ除いたグループを作ってその子の悪口を言い合ういじめや特定の子の書き込みだけを無視するいじめ、その子が嫌がるような写真や動画をクラスのグループなどで共有するいじめが典型的なタイプです。


LINE等のSNSいじめについては、検索サービスの検索対象とならず、ネットというオープン型ツールの中において非常に排他性の強いツールであり、その中でのいじめについては当事者しか知り得ない、目撃し得ないため、発見するのが非常に困難であるという特徴があります。
またやりとりは端末から削除してしまうと証拠が残らないため、証拠の保全・発見も難しいという特徴もあります。


LINE等のSNSいじめについては、ネットリテラシーが未熟な若者の間では何気ないことでいじめに発展することが多く、また文字のみでの表現であるため単純な誤解等からいじめに発展しやすい特徴があります。
こうしたLINE等のSNSいじめについては、いつも持ち歩いているスマートフォンで行われ、いつでもどこでもいじめが行われるため、子供をより一層追い詰める危険性が高いと考えられます。


子どもを強く追い詰める危険性の高いLINE等のSNSいじめについて、「実態の把握」「予防、早期発見、早期解決のための取り組み」「いじめが起きた際の相談窓口の設置」の3つに関して早急に対応するべきだと考え提言しました。


千葉県教育委員会からは、以下のような回答がありました。


平成27年度に実施した調査結果によると、小学校高学年で約7%、中学生では約22%、高校生では約24%の生徒がトラブルを経験していると回答。
年齢が上がるにつれて、LINE等のコミュニケーションツールを使う中でのトラブルを経験する可能性が高まっている状況である。
また、トラブルの経験があると回答した中高生のうち、SNSによるいじめと関連が疑われる内容を回答した者の割合は、「悪口を言われた」が約35%、「グループから外された」が約13%、「画像等を拡散された」が約10%となっている。


予防するためにネットいじめを題材とした小中高校生用の道徳映像教材・読み物教材を県独自に作成、全公立学校に配布するとともに情報モラル研修への講師派遣を実施するなどして情報モラル教育の充実を図り、いじめ未然防止に努めていく。
早期発見・解決のためにアンケート調査や面談等を実施し早期発見に努め、関係機関との連携を強化して組織的に早期解決に導くよう各学校を指導していく。


いじめの相談窓口として、子どもと親のサポートセンターにおいて、来所相談、24時間の電話相談、メールやFAXによる相談を実施し、児童生徒がいつでも相談できる環境づくりに努めている。


このような千葉県教育委員会からの回答に対して、以下のように提言しました。


最近、LINEを利用した相談受付を設置する自治体も出始めています。
こうした取り組みは、様々な課題も想定されますが、最近の子どもたちにとってLINEは電話よりも身近なコミュニケーションツールであり、電話での相談よりもLINE等のSNSを使った相談の方が、子供にとってはハードルが低いのではないかと思います。
窓口を狭めることなく、子どもたちの寄り添い、子どもたちの声をできるだけ多く拾い上げるためにも、LINE等のSNS上に相談窓口を設けることを検討するべきだと千葉県教育委員会に提言しました。


それに対する千葉県教育委員会からの回答は、国ではSNSを通じた相談体制について研究を進めているところであり、県教育委員会としては、国での研究の成果を踏まえ、市町村教育委員会とも連携を図りながら、今後の対応について検討していくとのことでした。


2020年にはプログラミング教育が必修化され、より早い段階でインターネットに興味を持つ子どもが増えてくることが予想されます。
そして、このようないじめ等のトラブルが起こりやすくなってしまうのも事実です。
今後もLINE等のSNSいじめについては早期発見・早期解決できるような環境構築に向けて取り組んで参ります。


千葉県議会議員
松戸たかまさ