診察雑感

市井の開業医が患者さんに接して感じた雑多な感想。

最大瞬間風速

瞬間最大風速ではない

中型台風が房総半島沖で衰退、消滅した。
「最大風速25m」というが北関東の外れに居ては実感に乏しい。
南洋では台風の卵の低気圧が発達中で、週末はまたも荒れそうだ。
天気は穏やかな方がいい。

僭越ながら、たまに聞く「瞬間最大風速」は誤りだ。
正しくは「最大瞬間風速」だから間違えないように。
気象用語では10分間の平均風速の最大値が「最大風速」と定義する。
「瞬間風速」は0.25秒ごとの測定値を3秒間(12測定値)算術平均した値で、10分間の最大値が「最大瞬間風速」である。
「最大の瞬間風速」であって「瞬間の最大風速」ではない。

プロの気象予報士は正確に報じるが、間違える女子アナもたまにいる。
聞いている方もうっかり聞き流すから、どうでもいいのかも知れない。

受動喫煙防止条例

罷り通る副流煙の嘘

東京都は禁煙を強いる。
「加熱式喫煙具は科学的根拠が立証されていないため対象外」の由。
ならば紙タバコの副流煙害の科学的証左はあるのか?
加熱式タバコに害ある根拠がないのと同様、受動喫煙の害を立証する論文はない。

副流煙分析や発癌率の疫学調査による推論で条例を定めるのは非科学的過ぎる。
副流煙で発癌が立証された話は聞かない。
疫学や統計はしばしば都合のいいウソをつく。
エビデンスなき仮説を妄信する禁煙ファシズムは度し難い。

拙ブログで既述した似非科学『平山論文』が根拠ならお寒い限りだ。
車の排気ガスやエアコン触媒ガスとどれほどの違いがあるのか立証してくれ。
副流煙害の科学的立証は未だない。
南京大虐殺説と大差ない論拠で愛煙家を貶める風潮には辟易する。

タバコ税を収めた上に人目を憚る必然性がどこにある?
今や愛煙家は隠れキリシタンのようだ。
多勢に無勢、衆寡敵せず、今更「喫煙文化論」を持出す気はさらさらない。
集団ヒステリーには抗う術がない。
50年間一日も欠かさず吸い続けてきたヤブ医者だが未だ肺癌に罹患していない。
近々発病するかもしれないが、たぶんタバコとの因果はないだろう。

参照;過去ブログ
2017年6月17日「受動喫煙」
2008年5月13日「統計のウソ」

第四銀行

「よん」ではない

地銀再編の報道で「新潟の第ヨン銀行」と言った女子アナがいた。
地元では誰もが知る「第シ銀行」だ。
店舗の看板にはDaishi Bank と書いてある。
放送前に素読しないなら原稿にルビをふれ。

漢数字「四」は大字で「肆」と著す。
大宝元年(AD701年)制定の大宝律令で正式文書は大字を使うと定められた。
漢数字一から十の大字は、壱、弐、参、肆、伍、陸、漆、捌、玖、拾である。

日本版Excelのnumber string関数は算用数字を大字に変換してくれるが、「壱」「弐」「参」「拾」「萬」しか用意されていない。
ヤブ医者のExcelは「伍」は「五」、「阡」は「千」だ。
円満字二郎『漢和辞典的に申しますと』(文春文庫)によれば、最新バージョンは「伍」「阡」があるそうだ。
日本銀行券の表は「伍阡円」でなく「五千円」と書いてある。

演歌歌手伍代夏子、五味川純平『戦争と人間』の伍代財閥に大字「伍」を見る。
固有名詞を除けば大字「伍」を使うのは麻雀牌の「伍萬」くらいだ。
陸、漆、捌、玖に至っては誰も知るまい。

公証人法、戸籍法施行規則、小切手取扱規則、商業登記規則等では大字「壱、弐、参、拾」を用いることと定めている。
「肆」その他は影が薄く、「阡」「萬」も簡体字「千」「万」が許される。
大字を使うのは数値の改竄を防ぐのが主眼で、大宝律令の名残ではない。
中央省庁の官僚でさえ文書改竄に手を染めるご時世だから油断ならない。

二十は大字で「廿」若しくは「念」「弐拾」と書いた。
先に拙ブログで述べたが、麻生太郎の「廿十」は間違いだから無視すべし。
第四銀行が第肆銀行なら女子アナもルビを振ったに相違ない。

参照;過去ブログ
2016年7月31日「華氏92度」
2014年8月12日「玄米は何合?」

これは慮外な

自家薬籠中の若者言葉

フジTV『梅沢富美男のズバッと聞きます!』は瀬戸内寂聴との対談だった。
寂聴庵主の若い秘書に話が及んだ。
96歳の庵主がいつまでも若々しいのは秘書のおかげだそうな。
「65コも歳が違うのよ」
テレビの字幕に「65コ」とあるから聞き間違いではない。

「コ」と聞いて驚いたが、閨秀の操觚者が言うと違和感がないから不思議だ。
若者専用言語を駆使し、老いても気はなお若い。
「寂聴さんじゃなくて、ジャッキーって呼んで」とおっしゃる。
気持ちはわかるが・・・

参照;過去ブログ
2012年10月10日「『ケ』はないだろう」

秋田犬

ロシアのスケーターに献上

秋田犬は「秋田けん」と思っていたが正式名は「秋田いぬ」だ。
土佐犬も「土佐いぬ」、柴犬も「柴いぬ」が正式らしい。
樺太犬も「樺太いぬ」かと思いきや、こちらは「樺太けん」で良いようだ。
Eskimo Dog は「エスキモーけん」、Siberian Husky は「ハスキーけん」だ。
音「けん」と訓「いぬ」の使い分けに何か法則でもあるのだろうか?

支那・朝鮮には食犬の文化がある。
帝に愛玩犬を贈呈し、後日「あの犬は如何でしたか」と尋ねたところ「美味であった」と仰せられたとか・・・・
何に書いてあった話だったか、覚えていない。

日本各地のブランド牛肉のルーツは兵庫県北部の但馬牛(たじまうし)である。
ご当地但馬が「うし」と雖も押し並べて「うし」と称するとは限らない。
米沢牛、飛騨牛、前沢牛、佐賀牛・・・「ぎゅう」の読みが圧倒的多数を占める。
管見によれば「うし」は但馬の他には松阪、近江くらいしか知らない。
但馬と同じ兵庫県でも、神戸牛は「神戸ビーフ」が正式名だ。
「うし」か「ぎゅう」かは牛肉業者の協議会が決めるらしい。

松阪牛は「まつざか ぎゅう」ではなく、「まつさか うし」と濁らない。
ロシアのスケーターも「秋田いぬ」と言って欲しいがたぶんロシア語だろう。
食べるなよ。

破竹の勢い

天賦の才

大リーグでは投打の天才大谷クンが大活躍。
将棋界では藤井聡太クンが15歳で七段に昇段した。
「努力は才能に優る」は凡夫凡庸の慰労で、実は「努力は才能に及ばない」のだ。

17日の昇段決定から20日まで、テレビは「藤井なな段」のオンパレードだった。
「なな段」ではなく「しち段」である。
誰かに指摘されたのか、21日からは全局が「しち段」になった。

祇園一力茶屋の場は仮名手本忠臣蔵七段目、賤ヶ岳の七本槍、6年目の法事は七回忌、七難八苦、七転八倒・・・遍く「しち」と読む。
囲碁・将棋の世界に「なな段」はない。

関西学院大を「カンサイ学院大」と言った日大監督をテレビが叩く。
「なな段」の前歴を棚に上げて他人の誤読を責める姿勢は愉快ではない。
「なな段」では天才少年が落胆する。

参照;過去ブログ
2016年10月13日「BS12 歴史再考」
2015年7月6日「七夕はなぜタナバタか」

意味が異なる

確信犯と故意犯

アメフトで悪質なタックル事件があった。
倒された選手は全治3週間の大けがで後遺症の懸念もある。
ルールを無視した行為は暴行傷害の罪に問われて然るべきだ
監督が「選手を壊せ」と指示したとかしないとか・・・
監督は「選手の判断」と言い、他の部員も「指示はない」と口裏を合わせる。
タックルした選手個人の判断なら単独犯だが、指示なら監督も共同正犯だ。

解説者は危険タックルを「確信犯だ」と言うが、用法が相応しくない。
確信犯とはドイツの法学者が提唱した法律用語で、「宗教的、政治的な信念に基づき正当な行為と信じて行う犯罪」と定義される。

辞書を繰っても岩国、辞林になく、昭和58年の「広辞苑」にも載ってない。
手元の辞書で「確信犯」が立項されているのは「新明解」(平成24年)のみだ。
本邦で「確信犯」の文言が広まったのは平成2年頃らしい。

「悪いこととは知りながら」の意で用いられるが、誤用である。
「故意犯」と「確信犯」は大いに異なる。
「みんなが誤用するならそれが正しい用法だ」とする意見も散見するが、違う。
みんなで渡っても赤信号は「止まれ」なのだ。

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