診察雑感

市井の開業医が患者さんに接して感じた雑多な感想。

血迷ったか

東電は履き違えている

“電気料金値上げのお願い”なる通知が届いた。
「今年度決算は最終赤字の見通しで収支は大変厳しく、云々・・・・・
申し訳ございませんが、4月1日より値上げをお願いさせて頂く次第です」
経営努力がどうのこうのと弁明しているが、結局「実施日は4月1日とする」そうだ。

あつかましい会社だ。
総括原価方式を維持しておいて、最終的に利用者に皺寄せするとは言語道断。
それを容認する政府なら、最早言うべき言葉は何もない。

値上げ以降の料金試算例を見て驚いた。
大幅な値上げだ。
東電のために働くようなものではないか。

通知にさりげなく書いてある一文に目が止まった。
「このご案内は自由化部門のお客様を対象にお知らせしています」

“自由化部門”の意味を東電に問い合わせた。
東電の社員の説明は要領を得ず、さっぱり分からない。
業を煮やして、「つまり、エネット等の受電が自由ということか?」と要点を問うた。
答え難そうに、「ええ、・・・そういうことです」
あまり教えたくはなかった様子だ。

知らなかった。
何も東京電力だけが電気屋じゃない。
調べたら、電力の本家、霞が関の経産省自身がエネットから給電されていた。
民間企業は勿論、自治体の役所も順次エネットに乗り換えつつあるという。
これは一考の価値はある。
零細事業者は必ずしも東電より安価とは限るまいが、不埒な東電から買うよりはマシだ。

東電社長は「値上げは権利だ」とのたまわく。
ジョークにしては出来が悪い。



お上は何事も統制したがる

規制するのが行政の本懐か

小宮山厚労大臣は言葉を発する前に、短く息を吸い込む。
国会答弁では、高感度マイクのせいか、強調された吸気音が気になる。
NHKアナの時代はどうだったのか、覚えていない。

銀幕のスター山本富士子の発声と似ている。
大映の星は、小さく息を吸ってから台詞を吐いた。
青春歌謡の三田明も肺活量の都合のためか、歌詞の合間の息つぎが耳障りだった。
「潮来笠」の橋幸夫もそうだったが、いつの間にか聞こえなくなった。
厚労大臣は銀幕の星や青春歌手を模倣しているわけではないだろう。

この大臣、なにかと民間に口を出す。
65歳までの雇用を義務付けたり、職場のパワハラを規定したり、大忙しだ。
行政が民間企業の定年を決めるとは奇妙な話だ。
職場内の人的確執まで政府が口出しすることではない。
それを世間では越権行為と呼ぶ。
社会にパワハラはつきものだ。
外科医の修業なんざ、帝国陸軍内務班と見紛わんばかりだ。
”職場でイジメはやめましょう。みんな仲良くやりましょう”
恥ずかしくて、今どき小学校でも口に出来ない。

タバコ700円案は引っ込めたが、今度は医療施設全面禁煙を打ち出した。
http://mainichi.jp/select/science/news/20120131k0000m040033000c.html
このお方、よほどタバコが気に入らないらしい。
医療施設では屋内全て禁煙にするそうだ。

不特定多数が出入りする場なら禁煙は礼儀として当然だ。
だが、「屋内全面禁煙」を強いるのは権力の濫用だろう。。
自室で喫煙することまで禁じられる謂れはない。
院長が院長室でタバコ吸ったらいかんのか?

喫煙者の医療費は非喫煙者よりも高いって?
そりゃ統計の手法が間違っている。
政府が公表しない「年金と消費税試算」と同類のまやかしだ。

喫煙者の寿命は短いそうだが、真偽のほどは大地震の発生確率計算と大差ない。
母集団と計算方法で如何ようにも左右できる。
禁煙運動にご執心だが、そのエネルギーを年金改革に向けた方がよろしかろう。

酒もタバコも体に良くないと聞かされてはいても、それをやるのが人間の性だ。
体に悪かろうが良かろうが、選ぶのは個人の自由だ。
政府にイチャモンつけられる筋合いはない。

早死にすればその後の医療費はゼロだ。
その分社会保障費は浮くから、国家財政の助けになる。
お国のために、しこたま喫煙して早死にしよう。
生き延びてこの国の行く末を眺めるのも忍びない。
この国では、長生きは体に悪い。

いっそ、タバコ1箱100万円にしたらどうだ。
誰も買えないから禁煙政策は見事成就する。
どうだ小宮山大臣、参ったか!

なぜだ

保健所のガサ入れ

保健所から「立入検査実施通知書」という書面が届いた。
「医療法第25条第1項に基づき、下記の通り立入検査を実施します」
要するに家宅捜索の事前通知だ。
文面からして物々しく、小心者のヤブ医者を威嚇するには充分過ぎる。

開業時に保健所と消防署の検査があったが、以来20年間、何の音沙汰もなく経過した。
それが今回、いきなりの立入検査とはどういうこと?

不正請求は断じてないし、悪事を働いた覚えは露ほどもない。
医師会や医療行政に盾突く不穏分子に対するみせしめの報復か?
性善説に基づく善良なお上だから、よもやそんな卑俗的意図はあるまい。
何故当院が検査対象になったのか、まるで身に覚えがない。

栃木県のホームページによると、
“従来、病院及び療養病床を設置する有床診療所に対して実施してきましたが、平成23年から、全ての有床診療所を対象に立入検査等を実施することとしました”
なるほど、毎年病院に入る医療監視を有床診療所にも適用するということか。
ご苦労なことで・・・・・

「当日に、以下の検査書類、帳簿等を準備してください」
言葉使いは丁寧だが、なかなか威圧的だ。
被験者側の心情は穏やかでない。

ともすると不正行為に行う“医療監査”と混同しがちだが、こちらは“医療監視”。
“医療監視”は前回の法改正で名称が改まって、今は“立入検査”と称する。
監査と監視は大違いだが、踏み込まれる側にとっては大差ない。
せめて呼称を“現況確認”とか”定期検査”程度に条文を改めた方が穏便だろうに。

権限を与えられて立入検査するのは、税務署や警察と同じだ。
似て非なるものの、つい地検特捜部のガサ入れやマルサの税務査察を想起する。
医療監視員と称する保健所の職員が立入検査に当るという。
監視員が医師免許を取得しているとも思えない。
医学教育を受けていない職員が、学位も専門医資格もある医者を指導するのか?

「診療録の閲覧を求めることがある」そうだが、見て分かるのだろうか?
「字が汚くて読めない」と指摘された例もあると聞くが、大きなお世話だ。
医者なら読める。
そんなに見たけりゃいくらでも見るがいい。
だが、待てよ?
ひょっとしたら、「個人情報の開示を拒否しなかった」と逆手に取る裏技かも?

時間と人手を割くからには、何か“手土産”でもお持ち帰りになるのだろうか?
重箱の隅をほじくれば、何等かの不備を指摘されても仕方がない。
たぶんエラソーに「改善命令」などとほざくのだろうな・・・・

天地神明に誓って曇りはないが、決していい気分ではない。
お巡りさんを見ると反射的に隠れる習性があるから、ヘンに疑われても困る。


調査員の真っ赤なウソ

経済センサス調査票の回収

すでに無視すると決めた経済センサスだが、どうにも納得行かない。
調査員と称する怪しげなジイ様の言動も、恫喝と強要の上から目線で不愉快だ。
本当のところはどうなのか、総務省コールセンターに電話した。

【質問その1】
12月までの収入を記載せよとあるが、12月分の医業収入は2月末に確定する。
因って、3月にならなければ記入出来ない。(書くつもりは毛頭ないが・・・・)
[回答]3月30日までに提出すれば可である。

【質問その2】
調査員が直接回収する決まりというが、郵送は不可なのか?
[回答]郵送可能で、調査員が郵送用封筒を所持している。

【質問その3】
記入提出は義務で、虚偽記載や不提出は処罰されるそうだが如何なる刑罰か?
[回答]いちおう罰則は規定されているが、処罰の前例はない。

あのジイ様、大嘘つきだ。
2月4日までに取りに来るから書いておけだと?
違うじゃないか!

「郵送は出来ない」と言ったな。
郵送用封筒を隠し持ちながら何を言うか!

「提出しないと処罰される」だと?
いいだろう。
終身禁錮刑だろうが火あぶりの刑だろうが、喜んで服そう。

そもそもセンサス(census) なんぞと、聞き慣れない横文字を使うところが訝しい。
全数調査という立派な日本語があるではないか。
事前に周知徹底する努力もせずに、義務だの処罰だのとは言語道断。
上意下達、是非に及ばずの思い上がりと感じるのはヤブ医者だけか?

不景気の上に増税する国だ。
経済活動は調査するまでもないだろう。
四半期ごとの日銀短観もあれば外務省の主要経済指標もある。
5年に一度の調査がそんなに大事か?

『礼記』には、“苛政は虎よりも猛なり”とある。
お上は国民に“義務”を強いるばかりで何もしない。
たとえ虎に食われても、虎の巣窟で暮らした方がマシかもしれない。

参照;過去ブログ 
2012年1月29日「いい加減にしろ」

いい加減にしろ

行政権の濫用だろう

昨年末、「輸血業務に関する総合調査」と銘打ったアンケート調査が届いた。
“厚労省委託事業”だそうで、封筒に『重要』と朱書きしてある。
何のことはない、輸血学会が厚労省の名の元に統計をとるだけだ。

去年から、いったいどれくらいのアンケートが来ただろう。
アホらしい徒労だから、以来全く回答していない。

アンケートアレルギーに罹患しているというのに、またもや変な調査がある。
ボ〜ッとした老人がやって来て、書類を差し出した。
「経済センサス活動調査」だそうだ。
「記入しろ」と言う。
電話なり文書なりで、前以て通知があって然るべきだが、あまりに唐突で話が見えない。

「これは国の調査だから、記入して下さい」
調査目的も使途も分からないアンケートに答える義務はない。
なんで売上額や収入まで記入して経産省・総務省に報告しなきゃならんのだ。
当院の経営状況が丸裸になるのに、気軽に「ハイそうですか」と書けるわけがない。
しかも名も名乗らない見ず知らずのジイ様に、封もせずに手渡すという。
馬鹿も休み休み言え!

「何だか分からない書類は受取れないので、持ち帰って下さい」
「国の調査ですから協力して貰わないと困る」
こっちは別に困らない。
「国ですよ、国!」
それがどうした。
「私は宇都宮市から委託された人間です!」
だから何だ?
最初に調査の主旨を説明するのが筋だろう!

事業内容は厚労省に毎年届け出るし、開設許可を出した県も把握している。
収入を知りたければ、社会保険庁と税務署が詳細を知っている。
どうして経産省・総務省に報告しなきゃならんのだ?
個人情報と事業収支の総てを開示する必要が何処にある?

しかも、説明ひとつ満足に出来ないジイ様に委託するとは・・・・・
拒否すれば不利益が及びそうな雰囲気の言動まで出る始末。
“ご協力を”と謳いながら、内実は強要ではないか。
行政権の濫用には徹底抗戦するぞ!
バカバカしくて、話にならん。

思い出すだけで腹が立つ。
恫喝や強要には屈しない。
干戈交える覚悟は出来た。
“風 蕭々として易水寒し”
今や、荊軻の心境だ。

参照;過去ブログ
    2011年11月23日「行政はアンケートがお好き」
    2009年11月27日「催促の電話」
    2009年11月15日「何だこりゃ?」
    2009年4月4日  「アンケート調査?」


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