79年会、無事公演終わりました。
サマソニや淀川花火や新日本プロレスなどのビッグなイベントと、かぶっていたにもかかわらず、観に来てくれた皆様、本当にありがとうございました。
野村侑志(オパンポン創造社)
有馬ハル(オリゴ党)
斎藤清士郎(猫の森)
川村伸彦(ババロワーズ)
この1979年生まれの4人の役者のパワーとエネルギー、前のめりな芝居への意欲、健全なライバル意識に後押しされ、自分も作品づくりに熱中することができた。
しばらくどこかに置き忘れていたかもしれない、芝居に夢中で取り組む楽しさを、再び思い出させてくれた。
野村侑志の、憎たらしいほどの演技勘と突破力、決定力。そしてギラついた色気。
有馬ハルの、優しさ、あったかさ、人をつなぐ力、繊細さ、そして顔芸とソフトタッチ。
斎藤清士郎の、生真面目さ、愛きょう、声の魅力、内面の意外な男らしさと努力。
川村伸彦の、爽やかさ、軽やかさ、きめ細かな演技プラン、クールな自信。
この魅力的な4人の役者たちとの作業はホント楽しかったが、金哲義(May)、朝田大輝(The Stone Age)との作・演出における競作も、刺激的でホント楽しかった。
アサダくんの、人間の良き所を積極的に描こうとする姿勢、誰もが温かい気持ちになる嫌みのないロマンチシズム、押しつけがましくないのに、しっかり伝わるメッセージ、善意が生み出す笑い、緻密な演出・ダメ出し。ふだんはホンワカした彼の中にある確固たる美意識とポリシー。
金哲義くんの、腹の底からわき上がるパッション、ともすれば時代とともに薄れつつある在日というアイデンティティ、風化していきそうな歴史の記憶、それらを自分が伝え続けて行かなくてはという使命感。それを純粋に芝居として魅力あるものに仕上げる手腕。役者をノせ、鼓舞する力。
2人の作品は、こういう今のモヤモヤした時代の雰囲気を打ち破るために、ホント必要なのではないかと思う。
彼ら2人のおかげで、自分の作風というものを客観的に見つめ直すことができた。
彼らに比べると、自分のホンや演出は、何て軟弱で意地が悪くてスキだらけなのだろうとも思ったが、途中からは、逆にそこが自分の持ち味なのかもしれんと思えるようになった。
人間の不可解な所や悪意や闇やダメなところに光を当て、しかもそれを笑いに変換することが、自分の書くべき世界なのだろうと再認識した。
実際に、素晴らしい本番だった。
イイ公演だった。
この経験は、間違いなく俺の宝物になる。
これからの芝居人生に活かしていきたい。
ありがとう、79年会のメンバー、そして、すべてのスタッフたち!
写真は、左より金クン、俺、アサダくん。
偶然にもシューズが全員ニューバランス!
公演も、実際に奇妙で新しいバランスのオムニバスになったよなぁ。