オンラインカジノ業界が阿鼻驚嘆、ネッテラーのゲーミング取引停止

この案件は私自身が煽り続けて来た案件でもあるワケですが、いよいよ日本のオンラインゲーミング業界も終焉の時が近づいているようです。

8月16日、英国特別領域であるマン島に本拠を置く電子決済業者Netellerが、日本在住の顧客とオンラインゲーミング業者の間の決済機能の提供を停止することを発表しました。Netellerは、オンライン決済に特化したサービス提供と、安い取引手数料もあってオンラインゲーミングやオンラインFX取引の分野においては世界的に有名な電子決済業者です。

当然ながら日本国内から海外のオンラインカジノにアクセスするプレイヤー(違法)の中でも利用者が非常に多いサービス業者であるのですが、そのNetellerが日本在住の顧客に対してオンラインゲーミング業者との決済サービスを全面停止を伝えるメールを一斉送信したからさあ大変。決済機能がなければ、例え日本在住者が海外のオンラインカジノサイトにアクセス出来たとしてもプレイは出来ませんし、業者も日本の顧客を相手に商売は成り立ちません。(しつこいようですが全部違法です)。現在、業界全体が上へ下への大騒ぎになっておる状況です。

このようにNetellerが日本顧客のゲーミング決済を停止するに至ったのは、おそらく以下の摘発が発端です。以下、今年2月に報じられた千葉日報のニュースから転載。


国内口座使い客に賭博か オンラインカジノ全国で初摘発 会社役員ら逮捕 千葉県警
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/304724

オンラインカジノが利用できる国内口座サービスを運営し客に賭博をさせたとして、千葉県警サイバー犯罪対策課は15日、常習賭博の疑いでさいたま市浦和区本太1、通信会社役員、益田伸二(50)と埼玉県蓮田市見沼町、自称会社員、島田賢一(43)両容疑者を逮捕した。益田容疑者らはほぼ全国の客約1600人に約23億2800万円を賭けさせ、約10億4400万円の収益を上げていたとみられる。インターネットを使った無店舗型オンラインカジノに関して賭博罪を適用したのは全国初。
 

上記千葉日報で報じられたのはNetBanQと呼ばれる金融決済サービスを提供していた日本の事業者なのですが、こちらも日本発のオンライン決済サービスとして日本のオンラインカジノプレイヤーにはよく利用が行われていたサービスです。

当該事業者は、オンラインカジノ業者とは名目上別モノの企業として存在していたのですが、日本の警察はこの業者を「賭博に使用されると知りながら決済機能を提供した」としてオンラインカジノ業者と同様の常習賭博容疑を適用して逮捕したんですね。まぁ、日本の裏カジノなんかでも名目上、両替所をカジノ場の運営とは別モノとして立てて営業を行っている場合があるのですが、日本の警察はそれらを一体のものとして摘発することがあります。同様の解釈をこのケースにも適用したのだと思われます。

とはいえ、この裏カジノの理屈をインターネットカジノ業者とオンライン決済サービス業者の間に適用するというのは、それらが直接の主従関係にある場合を除いて、それはそれで結構、強引な気もしているんですけどね。少なくともアメリカでは、賭博の禁止とは別建てで新たに法律を作ることで、それら業者を違法なモノとして対応をした案件なのですがね。。それを日本では刑法賭博罪の解釈の中で行います、ということのようです。


【参考】
「違法インターネット賭博規制法」について
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9183425.html

「違法インターネット賭博規制法」は、そのように規制逃れを目的として海外にサーバーを設置する形で違法サービスを提供する事業者に対して、唯一、実効性を伴う形で規制適用を行うことができる手法としてアメリカで導入されたもの。海外にサーバーを置き法適用を逃れようとする業者も、プレイヤーとの取引に必要な「決済機能」がなければ商売が成り立たないワケで、本法はアメリカ国内で商行為を行う全ての金融機関に対して、違法ネット賭博に対する決済機能の提供を禁止したわけです。

勿論、本法はアメリカ国内法であって、アメリカで商行為を行っていない事業者に対してはなんら規制が及ばないワケですが、そこは世界最大の金融市場であるアメリカ。アメリカで一切の商行為を行っていないという金融機関は少なくとも大手金融の中にはほぼないワケで、結果的に世界の殆どの主要金融機関がこの規制の統制下に置かれ、実質的に多くの主要な金融決済サービスが少なくともアメリカ国民と違法なオンライン賭博業者の間で使用する事ができなくなりました。
 

実は、この8月に入ってから冒頭にご紹介したNeteller以外にもオンラインカジノの決済に利用される事の多い海外事業者のサービスが日本市場からの撤退を発表していますから、おそらく警察庁側から同種の事業者に対して一斉に指導が入っているものと思われます。

但し、Netellerも含めて、当局から指導を受けてサービス停止をする事業者というのは「まだ」マトモな部類の事業者であるのも事実でありまして、実はNetellerも含めて主要な決済業者が日本のこの事業分野から撤退するという一報を聞いて、もっと怪しげなアジア系の業者が早速日本に向けて猛烈営業をかけ始めた、なんて話も私の耳には入って来ておるところ。比較的マトモな事業者が撤退した後の市場を、より怪しげな業者が食い荒らすという、笑えない状況になりつつある状況に私としてはナントモ言えない気持ちになっておるところです。

いずれにしましても、当サイトでは繰り替えし申し上げてきた通り、日本から海外のサイトにアクセスをし賭博を行うことは我が国の法律で「違法」とされており、今年に入ってから既に自宅PCから同様の行為を行ったとして逮捕者も出ておるところ。善良なる市民の皆様におかれましては、是非そのようなサイトとは関わりを持たないよう、繰り返しお願いを申し上げるところです。



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オーイズミ<6428>はカジノ関連株じゃない

一体、なんど同じこと言えば理解するんだという事案について。以下、株式情報サイトKabutanより。


秋に向けたテーマ株「カジノ関連銘柄」を再点検=向後 はるみ
 http://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201608180160

実際にカジノの誘致が日本において可能か否か。その議論は大いにあるものの、臨時国会が近づくにつれ、このようなニュースが報じられることがあれば、短期資金は関連銘柄へ流入するだろう。まずは、7月の都知事選時のカジノ関連銘柄への物色で、反応が大きかった銘柄からチェックしていく。
21日、22日に2営業日連続でストップ高をつけたのは、パチスロ周辺機器のメダル計数機国内最大手のオーイズミ<6428>、カジノの決済システムを手掛けるテックファーム <3625>。

21日にストップ高をつけたのは、米国カジノ向けのシェアが大きい金銭関連機器の大手メーカーで、紙幣識別機や硬貨計数機等の貨幣処理機などを展開している日本金銭機械<6418>、パチスロ大手でフィリピンでのカジノリゾートを推進するユニバーサルエンターテインメント<6425>だ。翌22日にはピーアークホールディングスや、パチスロ大手サミーを擁するセガサミーホールディングス<6460>が大株主に名を連ねるインターライフホールディングス <1418>がストップ高となった。
 

国会でのカジノ法案審議に期待が集まり、オーイズミ、テックファーム、日本金銭、ユニバーサルなど国内カジノ関連株が連日のストップ高とのことですが、皆さん、この中にニセモノが紛れ込んでいますよ。そうです、オーイズミです。

オーイズミは、パチスロ周辺機器であるメダル計数機製造の最大手として、かねてよりカジノ関連株だと国内証券市場では認知されてきているワケですが、大変申し訳ないですけどメダル計数機とカジノは全くリンクしないですよ。

現代のカジノで利用されているスロットマシンには、TITO(Ticket-in Ticket-out)と呼ばれるシステムが標準装備されております。これは、かつてお客様がコインをジャラジャラと投入して遊んでいたものを、バーコード印字された疑似的な金券(チケット)で代用しましょうというものでありまして、お客様にとっては大量のコインを持ってカジノ内をウロウロする労力を減らし、カジノにとっては管理上の効率化を実現したという業界にとっては非常に画期的なシステムであります。

即ち、我々が国内のパチンコ店で見かけるような、プレイにあたってメダル(カジノの場合は貨幣)を大量に使用するようなゲームというものは現代のカジノにはほぼ存在しないワケで、当然ながらそれらメダルを「数える」機械(=メダル計数機)などというものはカジノでは一切使用されていないのです。そこにオーイズミが商売できる余地はありません。
 
ところが、いつの頃からかどこぞの証券アナリストが「メダル計数機大手=カジノ関連」などという意味不明なレッテルを貼りまして、それ以降、なぜか国内カジノ合法化への期待が高まるたびにオーイズミの株価が爆上げするという不思議な現象が始まりました。誰ですか、最初にそんないい加減なレポートを書いた証券アナリストは(実はそれが誰かは僕は知ってる)
 
ということで、念押しの為に昨年8月に行われましたオーイズミの定期株主総会での大泉秀治社長によるコメントを見てみましょう。


オーイズミ第47回定時株主総会

■質問者:株主さん
株価の乱高下について、どう考えているのか?

■回答者:大泉社長
オーイズミはカジノ関連株と認識されているらしく、ここ数年はカジノが話題になると上下に動きやすいと感じている。ただ、カジノ事業は一切やってないため、業績を見てもらいたい。
 

皆さん、社長自身がこう言っていますよ。ということで「オーイズミはカジノ関連株ではない」でファイナルアンサーです。以上、よろしくお願い申し上げます。

パチスロ「メタルギア」、海外ファンから批難轟々

日本においてもアニメやゲームコンテンツのパチスロ化には、原作ファンから批判を浴びるリスクが常に伴います。しかし、そのような批判が海外を中心に形成されたのは本タイトルが初めてではないでしょうか。6月1日、ゲーム開発大手コナミの子会社、KPEはパチスロ「メタルギアソリッド」の公式PR映像を公開しました。この動画は海外の主要なゲーム関連サイトにおいて「コナミのメタルギア最新作はパチスロ」などとして報じられたことで、現在までのおよそ2ヵ月ほどの間に100万回を超える再生数に達しました。しかし動画サイト上の評価では、これを「好評価」とする者が千5百あまりであるのに対して、「悪評価」が5万6千票も集まり、コメント欄には主に外国語による批判が集まっています。

パチスロ「メタルギアソリッド」ティーザー


今回、パチスロ化されたのは世界でシリーズ累計約5千万本の販売数を誇る「メタルギア」シリーズの中でも、ファンの間では名作として認知される「スネークイーター」と呼ばれる作品です。開発元であるKPEはゲームコンテンツのパチスロ化にあたってCG映像を焼き直し、さらに原作にはない特別な演出映像を追加しました。しかし、これらパチスロ化にあたって行われた一連の改変が原作ファンの怒りに火を付けたようです。海外ファンからは「オリジナルのグラフィックを利用するなど、せめて原作に対するリスペクトを見せるべきだ」など辛辣なコメントが相次いでいます。
 
Metal Gear Solid 3 Remastered for Pachinko? WTF KONAMI!
(コナミのク●野郎が、メタルギアソリッド3をパチンコ機としてリメイク?)



海外の主要なカジノ市場では、青少年のカジノへの関心を不要に煽ることを防止するため、アニメやゲームコンテンツのカジノゲームへの転用に一定の制限がかけられています。多くの場合、原作となるコンテンツに定められた「利用対象年齢」に準ずるものとされおり、カジノを利用できない年齢層を対象として開発されたゲームやアニメコンテンツがカジノに流用されることは殆ど有りません。日本においてはアニメやゲームのパチンコ、パチスロ化はもはや普通のことになっていますが、その様な在り方に慣れていない海外ファンとっては衝撃的に受け止められたのでしょう。

また、その背景として昨年判明したゲームクリエイター小島秀夫氏とコナミの確執が存在するようです。小島秀夫氏はメタルギアの開発を一貫して主導した著名なゲームクリエイターでありますが、昨年12月、コナミ社からその任を解かれ、独立ゲームスタジオを設立することとなりました。メタルギアの熱狂的ファンは同時に「小島ファン」であることが多く、このことがファンのコナミ社に対する不満を募らせてきた。それが、パチスロ化を引き金として表面化したのが今回の大騒動であるとも言えます。


【参考】「”メタルギアソリッド”に小島秀夫は必要ない」、KONAMI幹部がインタビューにて回答
http://damonge.com/p=11516

小島秀夫監督のいなくなった”メタルギア”に、その遺伝子は伝わっていくのだろうか。個人的なファンの意見としては、落差が怖いのであまり期待しないでおきたい。スピンオフとしての良さと本筋としての良さは別物だと思うが、今のKONAMIにとっては同一のものに感じられているのだろうか。
 

パチンコ業界としては他業界の著名コンテンツが転用されてくることは、新しい客層の獲得という意味も含めて喜ばしいことであります。しかし日本のアニメやゲームが既に世界の市場を相手に展開している以上、コンテンツを管理する側に立場の方々は前出のような「海外での常識」や、それで失う社会評価の毀損リスクも念頭に置いた上で、今後のコンテンツ転用の在り方を考えてゆくことが必要となりそうです。

「稼ぐ」ことこそが公営賭博の存立理由である

公営賭博界隈からはこういう論が定期的に出てくるワケですが、その度ごとにその論をバッサリ切り捨てています。以下、Sportviaからの転載。


帯広へ向かう車窓から、ばんえい競馬の行く末に思いを馳せる
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/keiba/keiba/2016/08/09/___split_47/

もともと木材などを「輓く」ための馬だった輓馬。開拓時代、人々が余興でその輓馬同士の「輓く」力を競い合ったのが、ばんえい競馬の始まりだと言われている。そういう意味では、輓馬は北海道の、開拓時代の名残を今に伝える、貴重な文化遺産でもあるわけだ。

しかし一方で、競馬は文化でありながら、経済行為でもあり、とりわけ地域経済の動向とは密接な関わりを持っている。しかも背景には、常に「所詮はギャンブル」といった白い目が光っている。だから、競馬が儲かっているうちは、その存在が問題になることはないが、売り上げが落ちて赤字がかさみ始めると、途端に「所詮はギャンブル」論が台頭。「廃止すべし」という声が大きくなる。

そして、その大きくなった声の前では、「いや、これは貴重な文化ですから」などといった主張は、ほとんど力を持たない。
 

競馬も含めて、各公営競技の文化的側面を否定するつもりはありません。ただ、このエッセイの著者も含めて勘違いをして頂いてはならないのは、賭博が原則的に禁じられている我が国において公営競技が「ただレースを実施する」だけの事業ではなく、そこに「賭け」を行うことが出来る賭博事業として認められている理由はそこから公的な財源が拠出されるという「社会的正当性」があるからに他なりません。


競馬法
(趣旨)
第一条  この法律は、馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う競馬に関し規定するものとする。
 

これ即ち、「稼ぐ」ことこそが公営賭博の存立理由であり、逆に稼がない公営競技は「賭博」事業としての存在は許されていないということ。もし、競馬の「文化」側面をアピールしたいのならば、その他の多くのスポーツと同様に「競技を見せる」という純粋な興行として存続できる道を目指して頂くしかない。そのような根源的論議なきままに、競馬の文化側面だけを強調しようとするのは、身内の間では同意を得られようとも、社会一般的な広い支持を得ることは不可能であろうと思われます。


警察とパチンコ業界の癒着について

非常に遅いご報告となってしまいますが、先月「パチンコ72万台回収、業界の今」という記事を書いたところ、何を間違ってかYahoo!Japanのトップニュース扱いとなってしまいました。パチンコ業界は、普段、このような大きな報道に慣れておらず、また報道が為されたタイミングが業界にとって非常にセンシティブな時期であったのもありまして、業界は上へ下への大騒動。本記事がアップされた翌日には、朝から「業界関係者」を名乗る方々から弊社への凸電が相次ぎました。パチンコ業界の皆様におかれましては、正面玄関からの弊社への業務妨害に心より御礼を申し上げるところであります。

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一方、パチンコ業界以外の一般の方々の本ニュースへの反応を見てみると、その多くが警察庁の本件に対する非常に曖昧な裁定に対して批判的であり、「パチンコ業界は警察の天下り先だから、あのような甘い裁定となるのだ」といった意見が相次いでおりました。

ただ、個人的に申し上げるのならば、実はパチンコ業界は警察庁にとってはそれほど大きな天下り先ではございません。奇しくもちょうど時を同じくして先月「週刊ダイヤモンド(2016/07/30日号)」に報じられた内容(左図)によりますと、警察庁の民間企業への業種別天下り人数は金融業が100人でダントツに大きく、2位に保険業(47人)、3位に旅客鉄道業(39人)と続きます。一方パチンコ業界への天下りは記載のある業種別ランキングのTop18にも入っていない状況。勿論「警察庁からパチンコ業界への天下りが全くない」とは言わないのですが(事実、業界団体の中に警察庁ポストはあるので)、相対的に見て天下りが少ない業種であるのは間違いありません。

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では、なぜ今回、警察庁がパチンコ業界に対してこのような曖昧な裁定を行っているかというと…

という先の記事の後続となる解説記事を実は準備しておったワケですが、そのタイミングでオリンパス社の不正会計事件などをすっぱ抜いた事で知られる経済誌「FACTA」が以下のような警察庁とパチンコ業界のスクープを飛ばしまして、私の用意していた記事は台無しであります。以下、FACTAより転載。


パチスロ業界と警察のただならぬ「蜜月」

パチンコ・パチスロ業界と警察の「ただならぬ蜜月」はかねて取り沙汰されてきた。業界は、それを規制する警察のOBらを採用することで、少しでも射幸心の高い機種の認定を勝ち取ろうと画策。どの業界にもある癒着構造だ。本誌が取材を進める中で、業界トップの虜となった規制担当官の実態が浮かび上がってきた。6月に入って、パチンコ・パチスロ業界で数枚の写真が出回っている。男性2人が都内の居酒屋で密会するシーンだ。一人はパチスロの業界団体である、日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)理事長の佐野慎一氏。パチスロメーカー「山佐」の代表取締役でもある。山佐は、かつてのパチスロトップメーカーで、「バイオハザード」「ウルトラマン・ザ・スロット」などのヒット作を持つ。もう一人は、同業界を管轄・指導している警察庁において、3月末まで規制行政を担当していた生活安全局保安課のS氏 …
 

報道の詳細はFACTA本誌をご覧いただければと思うワケですが、概要だけ掻い摘んでご紹介すると先のエントリで私もご紹介した一連の不正パチンコ機蔓延の結果、警察庁側が新たに業界に向けて設置するようにと「実質的な」行政指導を行っている不正防止機能が、実はパチスロ大手メーカーである山佐社にコッソリと特許が抑えられており、その警察庁による行政指導の「ど真ん中」に今年3月まで居た警察庁生安局の課長補佐がその山佐の代表取締役である佐野慎一氏と密会を繰り返しているとする記事であります。当該記事によると、この特許の使用によって山佐側には数億円のパテント料が入るだろうとされており、ナントモ平らかな話ではありません。

この報道は業界内はおろか、現在警察庁の内部で大混乱を引き起こしており、佐野氏と密会を行っていたとされるS氏、ここではリアリティを持たせる為に仮に斉藤康裕・前課長補佐と呼びますが、その斉藤・前課長補佐(仮称)がこの4月に出向の決まったばかりの内閣官房から異例の3か月での差し戻しを受けており、現在、警察庁内で本件に関する査問が行われているとのこと。同様に本スクープ報道のもう一人の主役である佐野氏も業界団体は元より警察庁にも呼び出しを受け、本件に関する申し開きの真っ最中であるとの事であります。私のところに入っている情報によりますと、佐野氏および斉藤康裕・前課長補佐(仮称)は
・関連する特許を山佐が保有しているのは事実だが、本特許は開放特許(誰でも自由に使用して良い特許技術)として設定するつもりであった
・斉藤康裕・前課長補佐(仮称)と佐野氏は報道された日に初めて面会をしたものであり、以前からの付き合いはない
・当日の会場となった飯田橋の海鮮居酒屋での飲食代(7000円弱)すらも割り勘にしており、両者に間に利害関係はない
などという様な申し開きを行っている模様。個人的には、佐野さん超金持ちのクセに何で個室も使わずにその辺の安居酒屋使ってんだよ…、とツッコまざるを得ない状況であります。

一方、実は業界の極一部では同居酒屋会合での会話を起こしたものとされる、どう考えても当該スクープをFACTAにタレこんだ人物が出所としか思えない怪しげな文書が出回っておりまして、その文書がホンモノだとするのならば、現在、佐野氏と斉藤康裕・前課長補佐(仮称)が行っている申し開きとはかなり大きいズレが生じる内容も含まれているのが実情です。

【参考】現在、業界の極一部で出回っている資料
名称未設定
名称未設定2
名称未設定3

私がざっと内容を見たところ、文書内に出て来る固有名詞は実在の人物ばかりですし、そこに描かれている人物像も基本的に間違っていない。また、上記の他に添付資料として持ち込まれている未公開の資料も含めて考えると、これらが「全くの事実無根」(by 鳥越俊太郎)とも言えなそうだな、とは思っておるところ。一方で、通常この種の文書を「黒塗り」にする場合には固有名詞が真っ先に消される事が多いワケですが、本資料に関しては寧ろ固有名詞は全力で開示しているにも関わらず、特定の会話内容のみをゴッソリと削除していたり、そうかと思えばそんなとこ隠してどうすんの?と思われる箇所が消されていたりと、黒の入れ方に非常に大きな違和感がある。即ち、特定の会話内容を「切り取る」事で特定の方向に向かって印象操作しようとしているのでは?と思われる部分もあり、まぁ正直、全部が全部真実とは思えないなぁという印象も同時に持っておるところです。

ただ、繰り返しになりますが本文書が100%創作であるとは様々な状況証拠からは思えず、また佐野氏と斉藤康裕・前課長補佐(仮称)が行っている申し開き内容との間に「隔たり」があるのは事実でありますので、文春に過去の淫行疑惑をすっぱ抜かれた鳥越俊太郎氏と同様に、その内容が間違っているのなら間違っているで改めてどこが事実と相違しているのかに関して申し開きをして頂きたいと思う所です。

ということで、本稿の結論としては警察庁のパチンコ業界への天下りは相対的に多いものではない事は数字として実証されている一方で、個別企業との間の癒着に関しては諸々の噂は絶えません、ということとなります。

著者プロフィール


木曽 崇(キソタカシ)

国際カジノ研究所 所長
エンタテインメントビジネス総合研究所 客員研究員

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部首席卒業(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者での会計監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長に就任。

2014年よりアジア圏最大のカジノ国際会議&展示会であるGlobal Gaming Expo Asiaのアドバイザリーボード委員を務める。

より詳細なプロフィール

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