つづき

カジノ税率と税収額、そしてカジノ導入による経済波及効果は大雑把に以下のような関係にある。

tax_rate4
(↑クリックで拡大)

ポイント1:
カジノ税収額は税率を上げれば右肩上がりに果てしなく増えるわけではなく、上に凸の放物線を描く。税収額を最大化したいならば、税収曲線の頂点となる税率を採用するべき。(その税率は市場の条件によって異なるため一定ではない)

ポイント2:
カジノ導入によって得られる経済波及効果は、税率が高くなればなるほど小さくなる。(税率が高いと事業収益性が下がるため、事業者は大きな設備投資が出来ない。)カジノを複合化させ、その波及効果を大きくするためには税率は低い方が好ましい。逆に、税率が高くなればなるほどカジノは単純賭博施設に近づいてゆかざるを得ない。

ポイント3:
先進国は途上国に比べて経済波及効果の税率変化に対する弾力性が高く、税率1単位の増減が経済波及効果の増減により大きく影響する。

カジノを合法化する国や地域としては、カジノ導入による経済波及効果を大きくしたいのはもちろんだが、一方で新たな財源として生まれるカジノ税もできるだけ沢山欲しい。これはどの国や地域でも同じである。しかし、その両者はちょうど法人税率と投資誘因との関係と同様に、二律背反するものである。波及効果と新たな財源のどちらを重視すべきか? そして両者の理想的なベストバランスはどこにあるか? その決定には非常に緻密な経済予測と、高度な政治的判断が必要となるのである。

実は以上は私が早稲田大学アミューズメント総合研究所で一昨年前に発表した研究成果に少しアレンジを加えて、発展させたものである。詳細にご興味がある方は当研究所までご連絡を。

====

そして最後に告知。
早稲田大学アミューズメント総合研究所では、来たる5月26日に2009/10年度の研究発表会の開催を予定しています。今年のテーマは「カジノにおけるノンゲーミング消費」。我が国のカジノ論議は、制度・政策論や文化論などあまり数字を用いない、いわゆる文系的なアプローチが多いが、早稲田大学アミューズメント総研は上記のように数字を用いた数理的アプローチでカジノ研究を行う国内唯一の学術研究機関です。

入場無料となっていますので、お時間のある方はふるってご参加下さい。詳細はこちらから。



facebook