さて、eスポーツと風営法にまつわるエントリの続きです。先のエントリをまだ読んでいない方は以下の記事を先にどうぞ。

【悲報】大阪でeスポーツ施設の閉鎖が始まる
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9808634.html

eスポーツ業界の国内統括団体を主張する、皆様お馴染みのJeSU(日本eスポーツ連合)という組織ですが、彼等が賞金制ゲーム大会と景表法に関連して間違った法解釈を流布し、自団体に対する利益誘導を続けてきたことは既に皆さんもご承知の通りです。結果的に今年の2月に入ってから、その彼等の悪行がバレて大炎上してしまったワケですが、実はその炎上の最中、風営法に関しても以下のようなトンデモ発言を行っていました。以下、GameSparkからの転載。


認定プロゲーマーは「賞金付きの非公認大会」に出ると処分?新団体に未公表の規約について聞いた

悪意のある大会とは、IPホルダーに連絡無く、著作権を無視した大会および、法規制を無視した大会のことです。たとえば、選手から参加費用を取るような刑法賭博罪を無視した大会や、ゲームセンターやネットカフェが店舗主催から賞金を出す、いわゆる風営法を無視した大会にあたります


JeSUが「悪意のある大会」として示すところの「ゲームセンターやネットカフェが店舗主催から賞金を出す、いわゆる風営法を無視した大会」という表現は、風営法第二十三条の以下の条文に関連するものです。


第二十三条 第二条第一項第四号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 現金又は有価証券を賞品として提供すること。
二 客に提供した賞品を買い取ること。
三 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
四 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
2 第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
3 第一項第三号及び第四号の規定は、第二条第一項第五号の営業を営む者について準用する。
(下線は筆者)


下線を引いた第二十三条第二項に示される「同項第五号の営業を営む者」とは、一般的に風営5号営業者と呼ばれるゲームセンター営業者を示すものであり、この条項はゲームセンター業者に対して「その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない」ことを定めています。即ち、ゲームセンター業者がゲーム大会を開催し、そこに賞金(or賞品)を提供することは、たちまち風営法違反となってしまうわけです。このような業者の営むeスポーツ大会はJeSUのいう通り「悪意のある大会」であると表現して間違いないでしょう。

一方、JeSUによる風営法理解の大きな間違いは、「ゲームセンターやネットカフェが店舗主催から賞金を出す、いわゆる風営法を無視した大会」として、そこにネットカフェ業者を含めてしまっていることです。

上記で示したゲームセンターの事例と異なり、ネットカフェはそれが適正に運営が行われている限りにおいて原則的に風営法適用「外」の業種です。即ち、風営法の定める「賞品提供の禁止規定」はネットカフェにに適用されるものではなく、純粋なネットカフェ業者がゲーム大会に賞金や賞品を提供することは風営法違反にはならない。即ち、JeSUは景表法のみならず風営法「も」正しい理解をしていなかったという事になります。

但し、この風営法とネットカフェを巡る問題に関しては、JeSUの主張する賞金部分とは異なる点で大きな問題が存在します。それが「風営法無許可営業」問題です。

(本稿は次エントリーに続きます)


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