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2007年12月06日

日米投資イニシアチブ


■小泉政権 〜日米投資イニシアチブ〜

みなさんは、日米投資イニシアティブというのをご存知でしょうか?

これこそが、小泉政権の真骨頂なので、是非知っておいて下さい!

■日米投資イニシアティブ

  そもそも日米投資イニシアティブとは、、、

   ・現金がなくてもM&Aができる!
   ・外資系企業は日本企業を買いたい放題!?

  です!つまり、外資のための規制緩和!

それでは詳細です・・・

■株式交換

それではまず、株式交換という言葉からご説明します。
(既にご存知の方は読み飛ばして下さいね!)

株式交換とは、現金の代わりに自社の株を使ってM&Aを行います。

A社がB社を買収するとします。

その場合、A社が自社の株をB社の株主に渡します。

で、B社の株主はB社の株をA社に渡します。

文字通りの交換制度なので、この通り、買収にあたり全く現金が要りません。

B社の株主がそっくりそのままA社の株主に変わるだけです。

また、株式交換によるM&Aを行う場合は、双方の会社の株主総会で3分の2以上の賛成が必要となります。

が、同時にM&Aの対象となった会社の株主の3分の2以上が賛成すれば、残りの人たちの株を強制的に交換することができるため、100%子会社化することができます。

株式交換制度は、1999年の商法改正によって長い規制が終わり、日本でも行うことができるようになりました。

ここまでで、やろうと思えば株式交換は出来たのですが、色々な制度が邪魔をしていて実際はほとんど行われることはありませんでした。

いわゆる(アメリカのための)「規制緩和」が進行するのです。

2006年から2007年にかけて更に法改正が進み、飛躍的に株式交換がしやすくなります。

その目玉の一つが「新株発行の割合変更、5%→20%へ」です。

今までも株式交換の際には新株発行が認められていました。

新株発行とはいわゆる増資です。

取締役会決議を経れば、5%まで新株発行が認められており、株主総会決議を経れば、新株発行はいくらでも発行出来ます。裏をかえせば、5%までは株主総会を開かなくても発行出来ました。

その割合が2006年から5%→20%へと変更になるのです。

そう、つまり株主総会ではなく取締役決議のみで時価総額の20%まで新株発行(増資)可能となるわけです。

例:時価総額1兆円の会社
2006年まで: 5%の 500億円の新株発行が可能
2006年から:20%の2000億円の新株発行が可能

つまり、あくまで数字の上で、ですが、富士通など1兆円くらい時価総額のある会社であれば、新興企業など買いたい放題となります。

逆に、新興企業でも、時価総額で(いわゆる)大企業を上回っていれば、いくらでも買収のチャンスがあるということです。

この制度は非常に便利でキケンです。

カンの良い方はもうピンときてますよね。

何故か?ここでものを言うのが時価総額だからです。

この時点ではまだ日本国内の株式交換のお話ししかしておりませんので、これから『どうやって外資が時価総額だけで日本企業を買収するのか』をご説明します。


参考:時価総額ランキング


■三角合併

三角合併:外資系企業が、日本にある子会社を通じて日本企業を買収すること

外国にある外資系企業をA社とします。

その外資系企業が日本につくった100%子会社をB社とし、日本企業をC社とします。

A社が直接C社と株式交換することはできません。しかし、B社とC社なら株式交換ができます。

B社はいったん、親会社であるA社の株式をもらいます。

すると、この株式はB社の保有株式になります。

この「保有株式」による株式交換を認める制度が、新たに2007年より施工されます(※ここがポイントです!!)。


つまり、B社は保有しているA社株とC社の株を交換することができるようになるので、C社の株主は全員親会社である外資系企業A社の株主となってしまうわけです。

そして、B社とC社は合併し、ともにA社の子会社となるわけです。

日本企業を買収したい外資系企業は、日本に100%子会社を持っているだけで、買収が可能となります。

既に、時価総額について外資系企業と日本企業には大きな差があるということはご説明済みですよね。

ということは、外資系企業は日本企業を買いたい放題になるわけです。


■今後

繰り返しになりますが、今後の日本は、外資からの買収の嵐にさらされるでしょう。

最近の大型合併や上場廃止は、この外資の手から逃れようとする動きだと私は見ています。

時価総額が中途半端だけど、世界に誇れる技術や知名度(ブランド)を持っているような会社は間違いなく買収されるでしょう。

ここまでご説明した通り、買収に現金は要りません。

時価総額だけで買収出来てしまうのです。

アメリカで行われた世紀の逆転合併、AOL&タイムワーナー(新興企業のAOLがITバブルに乗じて株式交換で「AOL」が「タイムワーナー」を合併した)なんてこともあり得ます。

お伝えした通り、日本の有力企業など、アメリカの有力企業に比べれば時価総額で劣っているのは火を見るより明らかです。

更に掲載してみると、、、

ソニー(4兆円)vsGE(40兆円)
富士通(1兆円)vsサムスン(10兆円)

このような例は挙げだすときりがありません。。。
シティグループの時価総額は東京三菱の4倍、ウォールマートはイトーヨーカ堂の14倍、エクソンモービルは新日本石油の30倍。

買収の心配が無い企業といったらトヨタ自動車くらいでしょうか。

後は、買収してもお荷物になるだけの企業など。。。

そう、日本が世界に誇れる技術と勤勉さが、外資によってコントロールされようとしており、その規制緩和を行ったのが小泉・竹中コンビ(実質は竹中大臣)です。




takbaggio616 at 17:57│Comments(0)clip!コラム 

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