贋作』読了。『太陽がいっぱい』に続くトム・リプリーシリーズの2作目です。

『太陽がいっぱい』では危なっかしかったトム・リプリーですが、『贋作』では荒唐無稽の域に達してしまっています(笑)。トム・リプリーが荒唐無稽というより、このシリーズがというべきか。崖から落ちて自殺した遺体を、ガソリン掛けて燃やして、そこから歩いていけるところにバス停があるというのに、誰にも見つからないってあり(笑)?

「罪と罰」のラスコーリニコフばりにわけがわからないトム・リプリーの行動や思考回路。しかも頑張って一人で犯罪を犯していた『太陽がいっぱい』と違って、今回は仲間や妻にも自分の犯した罪を説明して、嘘をつくのを手伝ってもらう。それでも、何故か捕まらない。何なのでしょう、この人は(笑)。

仲間といっても一蓮托生という感じではなく、他人に対して一線を引くところがあるのに、犯罪の一番汚い部分はトムが自分でするんですよね。まあ、犠牲の精神などではなく、思いつきでやっているので結果的にそうなっているというだけなのですが(苦笑)。

もはや運だけで生きていると言ってもいいような男。なのに、何か可愛いんですよね。トム・リプリー、危険な男です(笑)。

▼『贋作』のレビュー
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