2016年07月10日

蔵前小学校の壁画の記事から、くらまえオレンジ図書館を振り返る

数日前の記事ですが、東京新聞2016年7月8日(電子版 都心版)24面に、解体工事を控えた台東区立蔵前小学校の壁面いっぱいに、在校生などが学校生活の絵を描いたという記事が載っていました。台東区立蔵前小学校といえば、くらまえオレンジ図書館が今の場所・「環境ふれあい館ひまわり」に移設してくる前にあった場所。台東区には、小学校の中にある図書館として東浅草なかよし図書館がありますが、くらまえオレンジ図書館はそれに先立って設置された「台東区立小学校の中の図書館」の最初の図書館だったんです。

小学校の校舎の一部を図書館にして、小学校とは別に入口を設置して、一般の人も図書館エリアに自由に入れるようになっている図書館というのは他の自治体にもありますが、旧くらまえオレンジ図書館と東浅草なかよし図書館は、小学校の「中」にあるという特殊な図書館です。利用する際には、入口のインターホンで職員さんに専用カードを提示し、オートロックを開けてもらって入館します。台東区立図書館は、東京23区在住者と台東区内在勤・在学者が利用登録できますが、これらの図書館は、利用できるのが台東区在住者と台東区内小中学校在学者・その家族と、他の台東区立図書館より限定されています(現在のくらまえオレンジ図書館は、小学校の中ではないので、他の台東区立図書館と同じように利用できます)。どちらも、小学校の学校図書館は別にあります。

私は台東区民ではないので、東京図書館制覇!として取材させてほしいと申請して旧くらまえオレンジ図書館を訪問し、行ったのはその一度きりなのですが、そこが解体工事を控え、それに伴って壁画を描くイベントを行ったというのは、少しばかり感慨深いです。在校生だけでなく、東京芸大の学生ボランティアさんなども関わっているようで、こちらのブログ記事を見るとその様子が垣間見えます。記事を読むと、単に楽しいイベントとはいえない、なくなってしまうものに思い出を刻むという機会を大切にするという信念に胸がキュンとさせられます。私が行った頃(2007年12月)には、小学校の入口に阿吽のパンダがいたのですが、それもなくなってしまうのかな。

東京新聞の記事によると、近年マンション建設が相次いだ影響で児童数が増えており、教室数の不足が見込まれることから、蔵前小学校の建替が決まったのだそうです。くらまえオレンジ図書館が移転したのも、教室数を確保するためだったのかもしれません。実際、蔵前小学校公式サイトの沿革を見ると、くらまえオレンジ図書館が現在の場所に移転したあと、くらまえオレンジ図書館のあったところに学校図書館を移し、学校図書館があった場所と他の場所を合わせて新教室を作ったという記載があります。蔵前小学校も東浅草小学校も複数の小学校を統合した小学校なのですが、今になって児童数が増えるというのは、人口動態に応じた自治体運営の難しさを感じさせられます。

そんなかたちで今は小学校から出てしまったくらまえオレンジ図書館ですが、名前には小学校の名残が残っています。「オレンジ」というのは蔵前小学校のキャッチフレーズで、「オ」大きな夢や理想に燃え、「レン」連帯意識をもち、「ジ」実行力のある児童の育成を目指し続けていますとのこと。蔵前小学校公式サイトを開くと、見た目上は見えませんが、ブラウザでページのソースを見ると、このキャッチフレーズの説明が載っています。図書館の名前には地名としては消えてしまった名称が使われていることがありますが、それに似た感じ。人口動態によって変化する施設の中に歴史を隠しておくみたいで、ちょっと面白いです。

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