東京図書館制覇!Blog版

東京23区の公立図書館を全て訪れたサイト「東京図書館制覇!」の管理人TakeniのBlogです。

カテゴリ: 作家別:朱川湊人

白い部屋で月の歌を』読了。先日、yoriさんの『活字の砂漠で溺れたい』で朱川湊人の作品を取り上げていて、久し振りに朱川湊人読みたいなと思って借りたものです。yoriさんが取り上げていたのはこの本ではなく『スメラギの国』だったのですが、そちらは予約待ち。

朱川湊人の文章は、すごく丁寧で心地よいのに、書いている内容が深いところをえぐってくるんですよね。ホラーというジャンルを通して、人間の業を描くというか。まあ、ホラーに限らず小説というのは人間の業を描くものなのでしょうが、朱川さんの語り口がドロドロ描写するタイプではなく、きれいに丁寧に描写するタイプなので、口当たりがいいのに胃の中でとんでもないことをしでかすような(笑)。
スポンサード・リンク

いっぺんさん』読了。朱川湊人はエッセイを1つ読んだきりで、小説は初めてだったのですが、この人いいですねぇ。ジャンルで言うと「ノスタルジックホラー」ということになるらしいのですが、怖いとかってよりも、人間に迷信とかオカルト的なものって必要なんだなぁって気持ちになるんです。

この本は短編集で、超常現象というか、まあ合理的ではないことがそれぞれに書かれているのですよ。でも、「ほ〜ら、超常現象だ〜!」みたいな書き方ではなく、読んでいるこちらにすっと入ってくるんです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、人の行動って義理・礼儀・好意・愛情等々のために、損得で言ったら損になるようなことをすることも少なからずありますよね。それと同様に、合理的・論理的ではなくても、義理・礼儀・好意・愛情等々が強ければ超常現象も起きるんだろうなって思えるんです。

それに文章がとても気持ちいい。暖かいけどベタベタはしていないし、丁寧だけど説明過多ではないし。「蛇霊憑き」という作品が女性を語り手にしているんですが、何も知らずに読んだら女性が書いたと思うんじゃないかってくらい。本のタイトルと同名の「いっぺんさん」は、不覚にも六郷土手へ向かう電車の中で泣きそうになってしまいましたよ。無理にとはいいませんが、ホラーのジャンルにこだわらずいろいろな小説を書いて欲しいな。

あと、これは小説の筋ではなく、文章全体がそう思わせるのでしょうが、読んだ後自分の周りのひとやものを大切にしようって気になるんです。人の冷たさを描いた小説でも、人間不信などより「自分の周りの人達にこう思わせないようにしよう」っていうことを感じるんですよね。そういうところがノスタルジックなホラーってことなんでしょうか。

朱川湊人作品はこれからも読んでみよう。

▼『いっぺんさん』のレビュー
Amazon カスタマーレビュー
ブログネタ
最近読んだ本 に参加中!

超魔球スッポぬけ!』読了。私にとって初の朱川湊人本。初めてなのに、小説じゃなくてエッセイ読んじゃったというのも失礼な話ですが、面白かった。これは小説も読んでみないと。

私にとって朱川湊人といえば、足立区花畑図書館ゆかりの人なんですよね。この方、その辺に住んでいるので、花畑図書館には「朱川文庫」というコーナーがあるんです。

で、そこに氏の写真もあるのですが、見た印象が失礼ながらバナナマンの日村っぽいんですよ。それを踏まえて、このエッセイ読むと更に面白いんですよね。割と子供の頃の話が多いのですが、もう想像が膨らんで膨らんで(笑)。話の舞台も足立区周辺だったりするから、これまた想像がついちゃうし。

小さい頃の話だけでなく、自分の作品が入試に使われた話なんかも面白い。入試で文学作品なんかを使うと、著者のところに使わせてもらった通知と問題を送ってくるんですね。当然、事前に問題が漏れたら困るから事後報告なんだろうけど、「この選択肢ではどれも間違っている!」とかって怒る著者とかいないのかな。他人の文章で問題作って書いた本人に送りつけるって、よ〜く考えるといろいろな意味ですごい。

さてさて、小説はどんなもんでしょうか。楽しみです。

▼『超魔球スッポぬけ!』のレビュー
Amazon カスタマーレビュー
ブログネタ
最近読んだ本 に参加中!

↑このページのトップヘ