東京図書館制覇!Blog版

東京23区の公立図書館を全て訪れたサイト「東京図書館制覇!」の管理人TakeniのBlogです。

カテゴリ: 作家別:原りょう

私が殺した少女』読了。

ついに、この日がやってきてしまいまいした。去年末から夢中になっていた原りょうですが、いかんせん作品数が少ない。途中から「ちょっとペース落として読んでいかないと、あっというまに全作品読破して、楽しみが終わってしまう」と思い、図書館予約のペースを調整したつもりですが、予約待ち0件なもので予約したらすぐ本が届いてしまうんですよね(いいんだか悪いんだか)。

ということで、この本を読了したことにより、今のところ世に出ている沢崎探偵シリーズは読み終わってしまいました。

この本はAmazonなんかを見ても、結構好きな人が多いようなので、好物を最後に食べるタイプの私は一番最後に読むことにしたのですが、読み終わって事件のことを考えると、一番ひどい事件ですね。この「私が殺した少女」というタイトルの意味がわかるとき、何とも嫌な気分になります。あまり詳しいことはネタバレになってしまうので書けませんが…。

小説のはじまりは、仕事の依頼の電話を受けて、依頼者の家に行ったつもりが、誘拐事件の身代金受取人だと思われてしまった、という沢崎らしい(?)不運なめぐり合わせ。事件の結末はともかく、小説の進行はいつも通りで、すいすい読み進められます。

ちょっとひっかかるのが、誘拐された少女の兄を調査に連れて行ってあげちゃう場面。私のイメージの中の沢崎なら、真相を知っていようが知っていまいが、まだ少年である男の子を調査に連れて行ったりはしないんですよね。それがこの作品の中では連れて行ってしまう。まぁ、ここで連れて行かないと話が進まないのですが。

シリーズものというのは、読者の想像の中で登場人物が生きちゃっているから話を作る方も大変ですね(笑)。

先日書いた高村薫の話もそうだけど、好きな登場人物が変わっているのが怖くて読めない、って、年を取った姿を見たくないから昔好きだった人に会いたくない、に近いような、なかなかの思い入れですよね。好きな人ってのは実在したわけですが、小説の登場人物なんて最初からいないんですから。

それなのに実在の人に等しく、心の中に生きちゃうって、小説ってすごい。

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さらば長き眠り』読了。

原りょうの沢崎シリーズの第4弾(かな?)。相変わらず渋い男です。依頼者に優しすぎることもなく、敵に冷たすぎることもなく、自分のルールに従って行動する。

今回は依頼人も八百長疑惑を掛けられた元高校球児という境遇ながらそこから逃げもせず周りを思って生きていて、でも、それがかえって事態を複雑にしちゃったりするんだよね。彼が我慢していることで、周りも我慢しちゃったり、彼の我慢に乗じて罪を隠す人もいたり…。

ところで、この沢崎探偵、パートナーの渡辺が失踪してからも「渡辺探偵事務所」という看板で仕事をしているのですが、その渡辺の様子がちらっとだけこの文庫版のおまけの書き下ろしに描かれています。

これがまた、逃げ回ってボロボロになっているはずの男なのに何だか格好いいぞ。

というわけで、単行本しか読んでいない方もあらためて文庫版をぜひどうぞ。

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そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))そして夜は甦る』読了。ここのところ続けて読んでいる原りょうの処女作です。

私にとって三冊目の私立探偵沢崎シリーズですが、今までじゃこの作品が一番格好いいですね〜。実際、三冊の中で一番女性が寄ってきます(沢崎に)。

その一時の寂しさを紛らわしたいがために寄ってくる女性に対してのあしらいが、冷たすぎもせず、優しすぎもせず、そっと身をかわすんですね。もちろんそれは、面倒なことから自分を守るためでもあるわけですが、相手もそれで自分のしていることに気付くと。

前にマリッジブルーに陥っちゃった男性がそれを紛らわそうと私のところに来たのですが、沢崎のように格好よくない私の断り方は月に1回のものが来ている日だからという言葉。今考えても、格好悪すぎ…(苦笑)。

それはさておき、事件もなかなか複雑で面白いです。利害のみならず愛憎も加わって混迷している状況を平静な沢崎が見抜いていく。

私にはマーロウより沢崎の方が魅力的ですね。この格好よさを私も盗まねば。
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愚か者死すべし』読了。

原りょうの沢崎シリーズは、他の作品を知らなくても読めるのですが、過去の事件で会った人がさりげなく出てくるので、それらの作品を読みたくなっちゃうんですよね。前作を読まないと全くわからないように書かれちゃうとこっちも「そんな手間かけられないよ」とか思ってしまうわけですが、その点うまくてまんまと読まされてしまっています(笑)。

この作品のいいところは事件の発端が謎のまま終わってしまうところ。ミステリと言えば、犯人が最後にいろいろご説明をしてくれるというのがつきものですが(それはむしろテレビの2時間サスペンスか)、この作品、最後の砦だけは絶対に秘密にしようとする犯人に対して「あんたにとって殺人を重ねるほど重大な秘密も、ほとんどの人にとっては新しい事件が起きれば忘れられるようなことなんだよ」ってなことを言って聞いてもあげないんです。

ここ、すごくカッコいい。

この「秘密なんてなんぼのもんよ」というのは、この作品の事件の1つ(この作品、複数の事件が交錯しているのです)にもうまく絡んでいますね。

それぞれの「秘密」を守るために大金を費やしたりや犯罪を犯したりする輩たちの愚かさをあっさりと一蹴する場末の探偵。かなり私の琴線が刺激されちゃいました。

という普段通りの記事を書きましたが、これが2005年の最後の記事になりますね。

当ブログ、およびWeb版を見に来ていただいたり、コメントやメールをいただいた方々、お世話になりました!

今年2月から始めたこのブログですが、ネット上でこんなにいろいろな人とやりとりができるものだととても楽しんでいます。

来年ももちろん図書館巡りを続けます。今のペースで行けば、来年中に23区図書館制覇できそうですね。もちろん、制覇し終わっても図書館巡りは続けますよ。

年明けは図書館は開館していないので、戯言や読書感想などなどいつも通り投稿します。最初の図書館訪問は4日になるでしょう。

来年もどうぞよろしくお願いします。よいお年をお迎えくださいね。

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天使たちの探偵』読了。ここのところ、ハードボイルドもどきばかり読んでいましたが、やっとちゃんとしたハードボイルドを読んだ感じ?

いやでも、本格的にハードボイルドを読む人には甘すぎる話かも。私はハードボイルド初心者なので、この小説のようにそれがいいと判断したら警察と協力するような合理的な判断をするような人の方が理解できます。

マーロウのようにもっと意固地な人だとたまに理解不能になっちゃうのですが、そちらの方が本当はよりハードボイルドなんでしょうね。

それにこの小説は会話がそれほどキザじゃないかな(笑)。探偵と美女との恋愛も一切なしなので、そういった話が好きな人はこれはダメかもしれませんね。

なんて、ハードボイルドということでチャンドラーと比較していたら本家のチャンドラーを読みたくなってきた。そろそろ正月に読む本を借りておこうと思っていますが、チャンドラーにでもしておきますかな。

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